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異世界体験

作者: 溜せうゆ
掲載日:2026/05/01

 意識がはっきりした時には、あたしは鎧姿の男たちに取り囲まれていた。


「キミ、なんでこんなとこにいるんだ?」


 なんだかぼーっとする頭を必死に動かして、なんとか状況を把握しようとする。


「あ、え……ここはどこですか……?」


「どこって……ああ、また迷い込んだのか。たまにいるんだよ」


「この格好はあれだよな。前にも見たことあるぞ」


「そうそう、あれに違いない。確かあっちの方に集まってたっけか」


 そう言って男たちは互いにうなずきあう。


「あ、あたしをどうするつもりですかっ!?」


「どうするって、ここにいるってことは一人で帰れないんだろう? なら連れて行くしかない」


 そう言いながら男たちの一人が伸ばした手を、あたしはとっさに振り払った。


「いやっ!」


 そのままの勢いで方向も見ずに駆け出す。どこでもいい、とにかくここから離れよう。しかし、どこまで行っても、どこを見渡しても知らない場所、風景ばかり。


 しばらく走っていい加減息が切れてしまい、とうとう道端にへたり込んでしまう。これからあたし、どうなるんだろう。下を向いたせいでこらえていた涙がついに零れ落ちた。


 どうしたらいいかわからなくて、小さな子供みたいに顔を膝に埋めてうずくまっていると、頭上から聞き覚えのある声がした。


「あ、やっと見つけた!」


 おそるおそる顔をあげてみると、そこにはよく知る友人の姿があった。


「も~、どこまで行ってたの?」


 友人は怒り半分、安堵半分といった表情でこちらを見ている。


「あんた、方向音痴のくせして一人でトイレに行くとか、無茶しないでよね~」


 ぽかんとしているあたしの様子を察してか、友人は言葉を継ぎ足した。


「あ、あんたもしかしてさっきまで寝ぼけてたから、まだここがどこかもわかってないんでしょ。次は映画村の見学だってバスの中で言ってたじゃん。もー、修学旅行の行き先くらいちゃんと覚えときなよね~」

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