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クロスワールド  作者: 氷冷 飛鳥
第一章
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武闘家科の少年

実習は先生の立ち会いの下本当のダンジョンで行われる。

ぼくにはそれが一番苦になる時間だ……。

父さん、母さん、今逝くよ…。


「何遠くを見ながらロープを持っているの〜。死んじゃだめだよ〜。」


ハッ!!

鈴さ…鈴の声で正気に戻る。

というよりナレーションでも一人称と呼び方を変えなければならないのですか?


「なにブツブツ言ってるの?遅れるよ?」


鈴さん、一応あなたが原因ですよ。




時間内になんとか目的地に着き、全員集合となった。

どうやらぼくたちが最後だったみたいだ。


「今回の実習は一班三人になってもらう。……それでは班を作ってくれ。」


武闘家科の先生のその言葉で多くの人が動き出す。

早くメンバーを見つけないといい人がいなくなってしまう。


「飛鳥っち、一緒にやるよね?」

「もちろんです!!…あ、もちろん!」

「ふふっ、あと一人どうする?」

「あと一人はあてがあるから‥まってて。」

「ほーい。」




「0(ぜろ)!!」


ぼくは0と呼ばれた少年に声をかける。

この0という人は本名で呼ばれたくないらしく、呼ばれ方を聞いたとき「なら0(ぜろ)と呼べ」と言われたからそう呼んでいる。

彼は去年までは私と同じ剣士科だったのだけど急に武闘家科に転籍した。


「飛鳥か…。」

「な、なに?私じゃ不満でした、じゃなくて不満だった?」

「なんだ?そのしゃべり方。」


呆れている。そう言われるとこちらも恥ずかしい。


「ま、魔術科の鈴という人が『話し方変えて』と言ったから今頑張っているんです。」

「フン、お前にはそういうじゃれあいがお似合いだな。」

「なんかそう言われるとムカつくな。なら、ぜ…0は私の前のしゃべり方の方が良かった?」


…ぼく何言ってるの?


「正直、あのしゃべり方は聞いててイライラしていた。」


無表情で言われて少しムカつく。

というより結局前のしゃべり方は気に食わなかったんだ。


「まあよかったんじゃないか?普通の女子みたいだし、お前なんか気を使っているみたいだったし。」

「な……何に気を使っているっていうんですか?」

「さあな、そんなのお前が気にしなくていい。というよりお前、俺に用があったんじゃないのか?」


あ、話をそらされたから忘れてた。


「そうだ!私と鈴さんと同じ班になってほしいんです!」

「お前と?ふん、いいだろう。せいぜい足を引っ張るなよ。ついでに敬語に戻ってるぞ。」


こうして、0が一緒の班になってくれることになった。けど上から目線がすごいムカつく!




「へえ〜、飛鳥っち元剣士科の元一位と友達だったんだ〜。」

「た、ただ席がずっと隣だっただけで…。」

「飛鳥、お前はいろんなところの首席と仲良くなるようだな。」


急に0が話に割り込んできた。

しかし一応は事実で鈴は魔術科の首席であり、毎回剣士科首席の0と闘っていたということだった。

ぼくはその二人とは真逆で剣士科最下位だった。


「あと鈴!お前は少し間違っている!こいつは俺の友達ではない!ただの知り合いだ!」


なぜそこにキレる…。

ぼくは友達ではなく知り合いと言われてショックだった。


「なに泣いてるんだ飛鳥。」

「な‥泣いてないですよ!」


目元を触ると涙が出ていることに気がついた。




「では、開始!」


そんなこんなで実習スタート。

実習の内容はダンジョンを通り抜け、グランズの隣街のヒラブルまで行き、そこの役所で文をもらいグランズに帰ってくるというものだった。


「およ?飛鳥っちと0は剣ですか。」

「剣は使い慣れているし、魔術はこれでもできるから。」

「そういうことだ。だから俺と飛鳥は前衛だな。」

「鈴は回復魔術が使えますか?あ、使える?」

「まあ、下級魔術の『ホーリー』くらいかな?だから道具を大量に買ったほうがいいかな。」

「そうですね。」

「フン、使いすぎるなよ。」


0はそう言うとすぐに道具屋に向かっていた。


「わ、私は剣士科の時の私とは違うんですから!!」


ぼくと鈴は急ぐ0についていった。



元剣士科の首席。

飛鳥とは一年の時から席が隣だった。

本名は話したくないらしいためわたくしも個人情報のため教えません。




一応「私」が一話でこれが二話だと考えてください。

友達に言ったら「『新たな始まり』が一話かと…」(内容は事実と少し異なります)と言われたので書きました。

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