私
自己紹介の時、周りのぼくを見る目が完全に「こいつが噂の…」と言っているようだった。
鈴さんだけはすごいキラキラした目でこっちを見ている…。
なぜか悪寒がした。
「飛鳥っち~。」
休み時間になった途端、鈴さんが抱きついてきた。
しきりに頬をすりあわせてくる。
「飛鳥っちはこの科に入ったばかりだけど何か呪文の一つは覚えた?」
「あ、意外に普通の質問…。」
「ん?何か言った?」
「あ…、いえ、何でもないです。呪文は下級魔術なら全ての詠唱は覚えましたけど、実際に使えるのは数個程度で、しかも下級魔術の中の下級の魔術なんですけど…。中級魔術などは下級魔術を完全に覚えてから覚えようかと…。」
「ほ~、飛鳥っちすごい!さすがは剣士スキルを全部覚えた超人。……あ」
鈴さんはしまったと言うような顔をした。
「…?知っていたんですね?」
「まあ有名だしね。」
「なんでそんなに慌てたんですか?ぼくそんなに気にしていないですけど…。」
「えっ、そうなの?さっき聞いたとき嫌そうだったから。」
鈴さんは焦って謝罪をしてきたがやっぱりぼくにはなぜそうするかわからなかった。
「あれはただ説明が面倒になるからあとで話そうかと思ったんです。気を使わせたのならすみません、謝ります。」
「うん、わかった。飛鳥っちは優しいね。魔術ならさ、あとで色々教えるよ。」「ありがとうございます。」
私はお辞儀をし、鈴さんはこちらに笑いかけてきた。
こう見ると鈴さんもかわいいな…。
なんて思っていると…
「飛鳥さん、席についてくださいと何度言えばわかるんですか?」
先生の声が聞こえた。
ぼく達は結構な時間話していたみたいだ。
「今日は武闘家科との合同実習をします。」
武闘家科…、あの人がぼくと同じで剣士科から転入したところか…。
あの人にとっては目障りなだけだと思うけど元気にしているかな?
「あ、そうだ。飛鳥っち、しゃべり方と一人称変えてみない?なんかそれじゃあ堅苦しくて少し嫌なんだ。」
実習のための準備をしていると鈴さんが提案してきた。
「別に鈴さんがそういうならやってみますけど…。」
「『鈴さん』って呼び方もやめてほしいな。私たち友達でしょ?」
「確かにそうですけど…。」
「ならいいじゃん!過去のことなんか忘れてさ☆」
なんか今語尾に星があったような。
「で、どんなしゃべり方でどんな一人称にすれば?」
「ん~、友達としゃべっているみたいにしていればいいよ。一人称は私くらいが普通だね。」
そんなことを言われても簡単にできるはずがない。
一応鈴さんの頼みだから仕方ないよね。
「ま、まあできる限りやってみます。」
「ほら今!今のも敬語だよ。」
鈴さんがすごい怒ってる。
もう始まっていたらしい。
やりにくいな…。
「すみ…ご、ごめん。難しいです、じゃなくて難しいよ…。」
「いいよ、だんだん慣れさせていけばいいんだから♪」
「けど、間違えたら鈴さん怒るし……。」
「……」
鈴さんが無言に………しまった!まずい!
「あははは、少し注意するだけだよ。やっぱり飛鳥っちはかわいいな~。」
鈴さんが笑っているが、ぼくは全く意味がわからなかった。
新キャラは出てきたら詳細説明します。
国語力がない作者ですが、応援お願いします!(遅っ!)