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クロスワールド  作者: 氷冷 飛鳥
第五章 序
37/64

交渉

符養に聞くと、流流は二つ返事でOKしてくれたみたい。

骸亜と竜?・・・・私はもうノータッチを決め込むことにした。

男子ってああいうものなのかな?



「2人とも何で喧嘩してるの!やめなさい!」



2人と面識のある鈴が保護者役になって止めに行く。

私はというと言っても聞かず竜と殴り合う骸亜を放置して符養と流流達のところにいた。



「・・・飛鳥、止めなくていいの?」


「いざというときは止めるよ。けど今は放置。骸亜ったら話聞かないもん。」


「骸亜・・・?」



流流が頭にハテナを浮かべた。

あ、そうだった。骸亜は普段名前を変えているんだった。



「あ、0のことだよ。私は骸亜って呼んでるの。」

「ふ~ん。ところでフーちゃん止めに行かないか?」


「・・・うん。鈴には悪いけど面倒。」



やっぱり符養も行きたくないみたいだ。



「フー、流流、あの2人が止まるまで次にいけないからその間に他の人達と話しよ。」



2人共了承してくれた。私はまず、琴葉と鳴を紹介する事にする。



「この人は琴葉。フーはもう知ってるよね?そしてこっちが鳴。この子はちょっと人見知りなの。」



鳴は符養と流流が近づいてきたのを見て、また琴葉の陰に隠れてしまった。

そして、琴葉は苦笑いを浮かべている。



「ごめんね。この子普段は明るい子なんだよ?けど見知らずの人相手だとこうなっちゃって・・・。」


「・・・鳴、安心して。私も同じ。」



お?符養が珍しくお姉さんのオーラを身にまとっている気がする。



「・・・私も人見知り。琴葉と知り合った時、あなたと同じだった。」



そういえば符養も人見知りだったな。

前は鈴に対しても苦手意識持っていたし、私より符養の方が鳴と似てるかも。

2人共私より強い子・・・でもあるからね。



「これは、符養に鳴を取られそうだな~。」


「私もフーちゃん取られそう。」



意気投合し、仲良く話す符養達を見守っていた2人も違うことで意気投合している。

気付いたら私ひとりだ・・・。

と、その時目に入ったのは骸亜と竜の戦いを見ている三人目の男子だった。



「爪、あなたは止めなくていいの?」


「止める?楽しんでる2人の邪魔できるかよ。」


「2人共楽しんでるの?」


「ああ。あんなの普通にやっていたら教室が滅茶苦茶になるだろ。ただのじゃれあいだよ。現に鈴が仲裁してないだろ?」



そういえば初めは止めようとしていた鈴も今はただ見ているだけだ。

私は竜と骸亜を見ると確かに2人共楽しそうに笑みを浮かべていた。

最後に爪を見ると彼もあの中に入りたくてうずうずしてるみたいだ。



「爪は参加しなくていいの?」


「さっき言っただろ?あいつらの邪魔はできないって。もっとも、そっちが相手してくれるなら喜んで参加するけどな。」



第一印象は良かったけど、話してみるとこの人が戦闘狂だと感じた。

竜が抑えていた理由がわかったかもしれない。



「今は遠慮しておく。こんな狭いところじゃやりたくないし。もしやるなら広いところで全力を出せる時にやろうよ。」


「お?言ったな?忘れるなよ?」



全力か・・・。

私の全力って本体精霊憑依+精霊憑依符養だから実質2対1なんだよね。

符養無しでも精霊憑依くらいしないと全力と言えないかな。

生身の全力だと、鈴や符養に簡単に負けるし。

けど・・・



「爪こそ忘れないでよ?手も足も出ない間に倒してあげるから。」



その時は精霊憑依使う気満々だった。





その後私と爪も親睦会の中に入りながら(爪は嫌がったけど無理やり入れた)竜と骸亜を見ていたけど一向に終わる気配がなかった。

戦いというよりただの喧嘩だけど、骸亜は武闘科の人間だからインファイトが強そうだけど、そういったことはまったく無いようで、2人共互角に殴り合っていた。

もしかして骸亜、手加減してる?



「ただいま~。」



鈴が保護者役に飽きたのか私たちのところへ戻ってきた。



「おかえり。なかなか終わってくれないね。」


「ほんとだよ。次に行くところもあるっていうのに。」


「次って、竜も連れて行くの?連れて行かないなら放置していいんじゃない?」


「いやいや、竜なんかいらないよ。必要なのは骸亜。」



鈴は骸亜にが好きなのかと一瞬勘違いしてしまった。

そうじゃなくて、簡単に言えば交渉材料である。

私や鈴だけじゃ長くて1ヶ月半という期間しか取れず、長期休暇を利用しなければならないので、何をやればいいのかわからない課題をやる羽目になるだろう。

だけど、私達以外の学科首席がいれば、その期間は長くなるため、長期休暇の課題も行わずに済ますことができるかもしれないから、「私達以外にも優等生が参加する」ということを示すために連れて行くのだ。

私はそれを勘違いした直後気がついた。

因みに期間を長くするのはついでで、私は本気で一緒に行きたいから骸亜達を誘ったんだからね。



「あ、そうだね。なら私と鈴と骸亜で行けばいいの?」


「んにゃ。まだ他にも首席はいるよ。」


「え?他にいたっけ?」



鈴は琴葉を指さした。

そこにいたのは



「琴葉なの?」



鈴が頷いた。

琴葉は私達が見ていることに気づき、こちらに近づいてきた。



「なになに?私のこと話題にあがっていたみたいだけど?」


「突然で悪いんだけど、琴葉って召喚科の首席なの?」


「そうよ。意外だった?」


「うん。いい成績だとは思っていたけど、まさかクラスのトップだとは思わなかった。」


「・・・なんか心外。」


「ごめんごめん。だって周囲に滅多にいないはずの学年首席が2人もいたからそれ以上はないって思いこんでて・・・。」


「学年首席・・・ああ、骸亜と鈴のことね。」



琴葉が納得したあと鈴がボソッと「飛鳥っちも今その滅多にいない人間のひとりなんだけどね。」と言った。

うぅ・・・、だって私は去年まで剣士科の底辺の人間だったから魔術の素質があったとはいえ、あまり実感が湧かないんだもん・・・。

私がそう思っていると、琴葉が



「そういえば鈴は飛鳥に抜かれたんだっけ?」


「ぐっ、痛いところを・・・。」


「琴葉知ってたの?」


「うん。『あの飛鳥が魔術科の変人から魔術科トップの座を奪った』って、召喚科では噂になってたよ。」



噂も何も事実だ。だけど、私自身も鈴に勝ったことに驚きだけど。



「噂も何も事実だよ。飛鳥っちはやっぱり天才だもんね。」



鈴は自身が負けたことなど気にせず、そう言って私に抱きついてきた。

それにしても本人は気にしてないけど魔術科の変人か・・・。納得はしても肯定はしたくない呼び名だなあ。

鈴は確かに時々おかしな行動をするけど、普段は真面目で優しい人だ。その呼び名は似合わないと私は思う。



「お?あっちもようやく終わったみたいだね。」



鈴の向いた方向に目を向けてみると、骸亜と竜がDKOダブルケーオーしているのが見えた。

相討ちか・・・。手加減していたのかわからないけどそれでいいの?骸亜?



「・・・ったく、あの馬鹿。忠告無視して骸亜を気絶させて・・・。目が覚ますまで次に行けないじゃない。」


「まあ、そんなに急がなくてもいいんじゃない?時間はまだあるよ。」


「けど早めに済ませたいとは思うじゃん。・・・・・それにアイツとの2人っきりの時間も欲しいし。」


「え?何か言った?」


「? なんにも言ってないけど?とりあえず、この馬鹿2人を叩き起こすよ。」



あれ?確かにさっき鈴が何か言ったように聞こえたんだけどな。

・・・まあいいか、私も骸亜を起こしてあげよう。





「骸亜~、大丈夫?」



2人に近づいた私達はそれぞれに声をかける。



「・・・寝かせてくれ。」


「次やることわかっててあそこまでやってたの?・・・まあいいや、それよりも武闘科のトップなのに他の科の人と相討ちってどうなのよ?」


「ああ・・・、単純な殴り合いに格闘技は使う気はなかったからな。ただの喧嘩なら力は拮抗するだろ。」


「だからって、倒れるまでやらなくていいでしょ。」



骸亜は何も言わずに寝返りを打って私に背を向けた。

自分があそこまで全力を出していたことを今更恥ずかしがっているのかな?・・・まさかね。



「骸亜寝ちゃったの?」



私が背を向けた骸亜を見ていると、鈴が声をかけてきた。



「いや、起きてる。」



骸亜が背を向けたまま、返事をした。

鈴はそれを聞くと、何のリアクションもとらずに質問を続けた。



「動けそう?」


「・・・あと数分だけ待ってくれ。」


「わかった。あと5分だけね。」




短い会話を交わして鈴は骸亜から視線を外し、竜に向けた。



「鈴、5分って短すぎない?」


「十分だよ。それくらい体を休めれば動けるでしょ。」



それを近くで聞いている骸亜が「無茶言うな。」と呟いていたが、鈴には聞こえていなかった。

聞こえていたとしても多分時間を延ばしてはくれなっただろう。




きっちり5分後、鈴が行こうと言い出し、符養や鳴と話している琴葉を呼びに行った。

しかし当然というか、やっぱり骸亜が動けなくて、仕方なく私が肩を貸すことになった。



「出来るだけ自分の力で歩いてね。全部私に預けないでよ?」


「当たり前だ。」



「当たり前」と言っていたが、私にかかってくる力は重たかった。

竜と骸亜・・・、2人とも本気で殴り合いすぎでしょ。

それでも運べるくらいだったため、何も言わずに私は歩き出した。





私達は先生の部屋へ向かい始めた。

ここでいう先生はアイシス先生のことである。

みんなと、どの先生の所に行くか話し合った時に符養が「飛鳥が代表だから飛鳥の担任のアイシスの所」と言ったため、アイシス先生の所へ申請しに行くことになった。



「・・・で、なんでフー達までついてくるの?」


「・・・飛鳥が行くなら私も行く。」



符養はそう答えた。

おそらく、他についてきている流流や鳴も似たような理由だろう。



「そう。ならフー、骸亜を運ぶのを手伝って。私一人じゃ辛いの。」



いくら若いとはいえ、骸亜は男性で私は女性だ。体重と筋力の差が大きい。

というか正直重い。



「・・・わかった。」



そう言うと符養はすぐに私を手伝ってくれた。

私が右の肩を担ぎ、符養がその反対を担った。



「あれ?ここにフーと流流と鳴がいるってことは、竜と爪は?」


「竜が骸亜みたいな状態だから爪に預けて置いてきたよ。」


「竜達だけ置いてきて良かったの?」


「良かったも何も、本来は4人だけだったから予想外だったんだよ。」



意図的ではないけど、竜達は結果的に置いていかれたようなものか。



「・・・重い。」



しばらく普通に歩いていたが、符養が骸亜の重さに耐えられなくなってきたようだ。



「重いなら、下ろしてくれても構わないぞ?」


「フー、悪魔の囁きに耳を傾けちゃだめだよ。骸亜は自分で歩くのが面倒なのか私達に全体重をかけているんだから。」


「・・・・・・わかった。じゃあこいつを殺せば全部解決するよね?」



そう言って符養は自身の短刀を骸亜に向けた。

死の淵際にたたされた骸亜は自業自得ではあるが疲れているはずなのに自分の足で立ち、歩き始めた。



「こんなことで死んでたまるか。」



と言って骸亜はゆっくりながらも自分で歩いた。

あんなことを言ったけど別に私は重くても骸亜を運びたかったのに・・・。



「骸亜、わざわざ自分の足で歩き始めたのにごめんね。もうそろそろ到着だよ。」


「構わん。・・・というより、さっさと回復魔術を使えば飛鳥達も苦労しなくて済んだんじゃないか?」


「あ、やっと気付いた?けど、『やめろ』と言っても聞かず、あまつさえぶっ倒れるまで喧嘩してた2人には罰として苦しんでもらわないと。」



あ、回復魔術使えば2人とも元気にさせることができたんだ。

・・・って、私わかってたよ?本当だから。



「・・・くっ。飛鳥、頼む。回復魔術を・・・」


「飛鳥、絶対やらないでね。骸亜だけ回復して竜が倒れているのは不公平だから。」


「ならあいつを回復させておけば良かっただろ。」


「だからそれだと罰の意味がないでしょ?人の話をちゃんと聞きなさい。」



骸亜は舌打ちをして、何も言い返さなかった。

私達はそのまま先生の部屋の戸をノックした。



「どうぞ。」


「失礼します。」



前回と同様、鈴が先に入った。

私達は鈴に次いで入っていく。



「どうしたんですか?こんなに大勢で。」


「すみません。元々はこの半分くらいで来るつもりだったんですけど・・・。」


「いえ、別にそういうつもりで言った訳ではないのです。ただ、いきなり大人数で入ってきたので驚いただけです。」



私はその時、付いて来た人達を部屋の外で待っていてもらえば良かったと気づいた。

別に狭いという訳ではないが、先生を怖がらせるという結果になってしまったから、そうしたほうがよかったかもしれないというだけだけど。



「それで、こんな大人数で私に何のようですか?」



先生が本題へと切り出してくる。

鈴は私の背中を叩いた。代表者である私に言わせたいみたいだ。

私は素直にその指示に従う。



「特別課外授業の申請をしに来ました。メンバーはここにいる7人と、弓使い科の竜、戦士科の爪です。」


「ええっと、魔術科では飛鳥さんに鈴さん。召喚科の琴葉さんに鳴さん。それに武闘科の骸亜さんと流流さん、・・・それに符養さん。あと先ほど申し上げてくれた2人ですか。1人を除いて中々優秀な方々が揃っていますね。」



除かれた1人とは多分爪のことだろう。

あの人、戦闘バカみたいだし。

それはともかく、先生はそのメンバーを聞いて、少し困った顔をしていた。



「飛鳥さん、このメンバーで『どこ』にどの位の『期間』『何』をしにいくのですか?」


「はい。知り合いの武器屋の方からウィンへ武器の輸送を頼まれたので3ヶ月位の期間で特別課外授業を行いたいと思ってます。」


「なるほど、期間と目的と場所は理解しました。それに3学科の学年首席そして次席が1人、その他も優秀な人物が多いので3ヶ月の活動期間は十二分に与えられるでしょう。問題があるとしたら・・・、2人、いや3人が集まることですかね。」



3人?一体誰のことだろう?

と思っていたら、鈴が口を開いた。



「大丈夫です。彼らは昔とは違って自制できます。それに、私や他の人達もいるのでいざという時は止めてくれると思います。」



口振りからすると鈴は知っているようだった。

いや、もしかすると鈴がその3人の内の1人なのかも。



「鈴さん、他人ごとのようにしてますけど問題児3人の中に貴女も含まれているんですよ?」


「・・・わかってます。」



あ、やっぱりそうだったみたい。

鈴はあまり知られたくなかったのかチラチラと、他の人達の反応を見ているようだった。

私や符養達は何をしたんだろう?と思っていたが、骸亜だけは何か理解した表情をしていた。



「まあ、少し気になっただけですので、このことで期間が短くなるということはないですから安心してください。」


「それなら後で私だけに言ってください。他の人達を不安にさせるかも知れないじゃないですか。」



鈴が先生に怒った。

この隠したがり様は、他の問題児は竜と爪だろう。3人共、昔は相当の悪童だったのかな?

もしそうなら何がどうなって今の鈴になったかの方が私的には興味がある。



「まあまあそう言わずに。相手をよく知り、己をよく知ってもらうことが仲間だと私は思いますよ。とりあえず、申請書を渡しますので代表者のサインと、参加者の名前を書いてください。」


「参加者は本人が名前を書かなくてもいいんですか?」



先生が取り出した紙を鈴は受け取り、質問をした。



「かまいませんよ。ですが、本人の了承無しであったり、ずる休みのためであったりした場合は・・・わかっていますよね?」


「はい。十分心得ています。」



今回はそういうことをする人はいないから安心だ。

鈴は先生に返答した後、私に紙とペンを渡してきた。

そこにはすでに鈴と竜、それに爪の名前が書かれていた。あの短いやりとりのどこで記入したんだろう?全く見えなかった。

とりあえずそれは置いておき、私はさっさと代表者の欄に名前を書いて符養に手渡した。

符養は書こうとしたが、一瞬手を止めていた。書き間違えかけたのかな?





「これで最後だ。」



骸亜が書き終わり、全員が記名を終えた。

私は骸亜からその紙を受け取り、それを先生に渡した。



「では確かに受け取りました。出発は今日を含めて7日以内にお願いします。良い結果レポートを期待していますよ。」



私達はその言葉に「はい」と答え、部屋を後にした。



「おい飛鳥。そういえばいつ出発するんだ?それを聞いてないぞ。」


「あ、忘れてた。えーっと、出発は3日後を考えてるよ。集合場所は・・・どこがいい?」


「ん?門集合でいいんじゃないの?」



琴葉が疑問に思ったことを聞いてきた。

これは私が「ウィンに行く」っていうことのみ言っていたための説明不足から起こったことだろう。



「ごめんね、私が事前に教えてなかったね。今回の特別課外授業はさっき先生に言った通りウィンへの武器の輸送・・・まあ配達だね。だからまず武器屋に荷物を貰いに行かなくちゃいけないから門での集合はあんまりよくないかなって思うの。」


「武器屋ってどこの武器屋なの?」


「学校から私の家に行く途中にある店で『烈火』っていう剣士用武器専門店なんだけど。」


「ああ、武器街のはずれのあそこね。わかった。あそこって飛鳥の家の近くじゃなかった?」


「近く・・・ではないけど比較的近いとは思うよ。」


「なら集合場所は飛鳥の家でいいんじゃない?知らない人は誰か場所を知っている人と一緒に行けばいいと思うし。」



私の家か・・・。なんか私だけ集合に労力を割かないことが申し訳ないな。

まあ、寝坊しても置いていかれないって利点は嬉しいけど。



「いいんじゃないかな?ね、飛鳥っち。」


「俺も賛成だ。わからない場所を指定されて迷うよりはそっちのほうがわかりやすくていい。」


「わかった。なら3日後の朝、私の家の前集合ね。」



みんな頷いてくれた。

その後すぐ、流流が符養に何か話していたみたいだけど聞こえなかった。符養はその用件に対して頷いていた。

・・・そういえば流流は私の家の場所を知らなかったかも。

ずっと符養が教えたと思い込んでいるから、十分ありえることだ。

さっきの会話はこのことかもしれない。まあ、符養が頷いていたから何かすると思うし、私は手を出さないでおこうかな。



「じゃあ話もまとまったことだし、今日のところはこれで解散ということでいい?」


「うん。いいよ。」


「よし、リーダーの飛鳥っちの許可が出たところで今日は解散。私は竜達のところに行くよ。飛鳥っちは先に帰ってて。」


「わかった。じゃあまた明日ね。」



鈴は「じゃあね~」と言いながら走っていった。

あの鈴に「廊下を走るな」って言っても無駄かな?



「じゃあ私達も帰ろうか。」



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