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クロスワールド  作者: 氷冷 飛鳥
第三章
17/64

違う世界

昨日はグランとの戦いで、本来の目的を忘れて家に戻っていた。

ということで次の日の放課後、私は符養とともに鉄のおじさんの鍛冶屋にきていた。


「おじさん、持ってきたよ。」

「おお!そうか、なら見せてくれ。」




私はおじさんに持ってきた鉱物を見せた。

おじさんは持ってきた鉱物を見て驚いていた。


「嬢ちゃん…こんなに上質な鉱物ばかりとは恐れ入ったぜ。しかもこれは異常なまでに見つかる可能性が少ないことから精霊自身が持ち歩いていると言われている精霊石スピリチュアルストーンじゃねえか。」


私はその精霊石スピリチュアルストーンを見てみたが、その石を採掘した記憶が無い。

もしかするとグランが入れてくれたのかもしれないと思った。


「その石も新しい剣作りに使えます?」

「おうよ。これを入れれば魔術の威力が格段に上がるぞ。」


「精霊」という名前が付くから精霊の力を持っていると思っていたが本当にそうだとは…。


あとで鈴から聞いた話だが、この精霊石スピリチュアルストーンには魔力が宿っており、その魔力を自分で生産できる石で威力を増加させるのは発動した魔術に石自身の魔力を乗せるかららしい。

だからいつもより少ない魔力を使えばいつもどおりの威力しか出ないかもしれないということになる。


「ならお願いします。」

「了解!なら一週間後にまた来な。今の剣は返ってくるまで使っていていいからよ。」



一週間後に新しい武器を手に入れれると思うとワクワクした。

早く一週間経ってほしいと思うくらいに待ち遠しかった。


「…あ、飛鳥。」


突然符養に呼ばれてびっくりした。


「な、何?」

「あ、の……、その…」


何か言いたげだが、何を言おうとしているかわからなかった。

しかし、言おうと決意したようで、


「昨日の精霊が言っていた修行…。」


…忘れてた。

サンが昨日言っていた修行…、時々来るから普段は符養としていてと言っていたことを思い出した。

しかし昨日で身体が疲れきっていて回復しきっていない。

この状態でやっても能力向上は難しいかもしれない。


そのことを符養に話すと

「…だめ。」


の一言で却下された。




修行後、家に帰った私達は各々の部屋に行った。

私はベッドに突っ伏したままそのまま襲ってきた眠気に従い、眠りの園へ遊びに行った。






夢は見なかった。

目を覚ますと知らない天井の下にいた、疲れているのだろうか。

身体を起こして周りを見ても私の家にある部屋の光景ではなかった。


「あれ?」


思わず声が漏れた。

またツヴァイが私に何かをしたのだろうか。

しかしそうだとしてもここにある物は見たことがない物ばかりだ。

とりあえずここを探索しようと思う。

符養もここに連れて来られたかもしれない。


部屋を出て、階段を下りて下の階に行った。

そこで


「あ、飛鳥起きたの。今日はたいがちゃん達と疲れ果てるまで遊んでたの?」


鈴がいた。


「鈴!ここどこなの!?誰がここに連れてきたの?」


鈴はよくわからないという顔をして


「…飛鳥、どうかしたの?ここはあなたと私の家じゃない。」


私は今やっと違和感を覚えた。

鈴の口調がいつもと違う。

いつもの鈴なら私を「飛鳥っち」と呼ぶし、もう少しのんびりした喋り方だ(真面目な時以外は)。

さらに初めの鈴の言葉に含まれていた単語「虎ちゃん」。

私はそんな人は知らない。

つまりこの人は鈴であって鈴ではない別の人なのだ。


「あなた、誰なの?」


鈴が衝撃を受けたような顔をした。


「飛鳥…まさか記憶が無くなってしまったの?」

「あなたは鈴の顔をしているけど私が知っている鈴じゃない。鈴は普段私を『飛鳥』とは呼ばない。」

「飛鳥…、どうしちゃったの?私を忘れ…」

「冗談はもうやめてよ。もう冗談じゃ済まさないよ。」


私は心の奥で「やっぱりこういう風に喋るのはダメなの?」と言いながら笑ってくれる鈴を期待していた。

しかし、


「……」


黙ってしまった。

そして


「ふふふふふ」


突然笑い出した。

と思うと突然普通になり

「あ〜、面白かった。なんで飛鳥がいきなり始めるから戸惑っちゃったじゃない。けどなんでこんなことしようと思ったの?」


彼女は私が冗談でやっていたと思っているらしい。

仕方がないから彼女を気絶させて外へ出て現在地を確認しないと。

彼女を気絶させるために剣を抜こうと手を腰に当てたが、


剣がなかった。


寝るときはそのまま外すのを忘れて付けたままだったのに無くなっている。

さらに気づいたことだが、見たことない服を着ている、自分だけじゃなくて鈴も。

そしてさらに鈴が大きく見えた。

私と鈴の背は同じ位だったはずなのに鈴が圧倒的に高い。



ここで私は確信した。



私は別の世界に来てしまったのだと。



しかしその場合、二つの疑問が残る。

一つ目は本来この世界に存在する私はどうなったのか。

二つ目はなぜ私がこの世界に来てしまったのか。

「飛鳥、どうかしたの?」


鈴が心配する。

しかしそれは今重要じゃない。

ここはどの世界なのだろうか。

ここがウラルという考えはあるだろうか?

ウラルの物がクロスワールドに流れてくることは知っているがクロスワールドの物がウラルに流れてくることなど聞いたこともない、人なんて余計にだ。

しかしここにある物はウラルから流れてきたという物と似ている物がいくつかある。


「飛鳥、本当にさっきからどうしたの?」


確信した、ここはウラルだ。

壁に文字が書かれた紙が貼ってあり、その文字がウラルの文字だからだ。

先程から鈴が話しかけていることに気がつかなかった。

事情を話して協力してもらうのが一番だろう。


「あの…、実は私あなたの知っている飛鳥ではないんです。」

「?」


意味不明だという顔をされた。


「何らかの事情でこの世界に飛ばされて来たんです。ここの私はどうなったのかわかりませんが、多分大丈夫だと思います。」

「……そう。…なら帰る方法を見つけないとね。」


…………え?

簡単に受け入れられた。


「え?ちょ…すんなり受け入れちゃっていいんですか?」

「慣れてるからね♪」


…さっきの言い方はクロスワールドの鈴に似ていると思った。




「へえ〜、向こうでは私はそんな性格してるんだ。」

「おかげでこちらは疲れますけどね。」

「けどこっちの飛鳥だって一人称が『ぼく』だし、人見知りな性格してるよ。」


それは自分も同じだ。

鈴や符養に対しては慣れてるからいいが、他の人には人見知りが激しい。一人称だって1ヶ月前までは「ぼく」だった。

私ってそんなに性格が変わったのか…と自分の変化を実感する。



その後もお互いの友人関係などを話した。

その中で特に気になったのがお互いの世界の関係だった。


「つまり二つは平行世界パラレルワールドね。」

「ぱられ…何ですか?それ。」

「『もし』の世界って言った方が一番いいかも。」


鈴が言うには例えば二つの選択肢があるとする。

自分がAの選択をしたとする、すると同時に自分がBを選んだ世界もできる。

このBの世界はAの世界とは二度と交わらない、ゆえにAからみての平行世界となる。


「けど私はあまり先の未来が変わらない選択ではすぐに二つの世界がくっついて元の一つの世界Cになると思うの。…で、二人の飛鳥が入れ替わったのはこれが関係あると思うの。」

「え?私の世界と鈴さんの世界は全く違いますよ?」


なんだか「鈴さん」という呼び方が懐かしかった。

しかし鈴はいつもの呼ばれ方なのか気にせずに私の質問を返してきた。


「なら、全く違う世界でなんで同じ人が産まれたの?」

「それは…」


答えが出なかった。


「これはお互いの世界がくっついてきている証拠。同じ顔でも名前が違うというような人がいる場合はまだそこまで深刻ではないと考えた方がいいけど、一緒ならもう危ないと考えていいわね。」

「そんな…。」


これは間接的に世界は一つになり二つの世界はバランスが崩れて滅びると言っているようなものだった。





「まあただの私の推測なんだけどね。」


…真に受けていた私が恥ずかしかった。

しかしそんな危険があると思い続けなければいけないことがなくなって安心していた。

…ふと他のことを話しすぎて鈴に聞いていなかったことがあったのを思い出した。


「そういえば聞きそびれていたんですけど、」

「何?」

「私の家族ってどんな人なんですか?」


先程の会話で飛鳥はここに居候しているだけで別に姉妹ではない(鈴の妹は現在海外に留学中)と話していた。

ならどういう経緯でここにいるのか、自分の家の人はどういう人なのか、それを知りたくなってきた。


「飛鳥、一応こっちの飛鳥はあなた自身じゃないからあまり詳しくは話せないけど…私もあまり知らないけどね、あなたは元は神社の子だったみたいよ。実際にあなた式神を呼び出すこともできるし。そ…」

「こっちの私も召喚が使えるんですか!?」

「え?まあ…、そうだけど…。……『も』?」


召喚が使えるということはこちらの世界にもサンとルナがいるということ、もしくはどちらか一人がいるかもしれないということ。

二人は人外なので元の世界に帰れる方法を知っているかもしれない。

私は鈴を無視してすぐに彼らを呼び出しはじめた。


「『契約者マスター飛鳥が命じる、我の前に現れ、我を元の世界に返したまえ。 いでよ!サン、ルナ!!』」


召喚時にあらわれる魔法陣は浮かび上がらなかったが、私の目の前に二人の友人が現れた。


「おい飛鳥、なんだよさっきの呼び出し方。いつもと違って戸惑ったぞ。」

「私たちの呼び方も違いましたよね。…サンとルナでしたっけ?」


この二人はこっちの世界では違う名前だった。

せっかく二人に会えたと思ったが…。

まてよ、二人は私と初めて会ったのが私が産まれた時だとしたら…名前が無く、名前を幼い私に付けてくれと頼んだのなら私はこの二人の名前を知っている。


「…黒、白。ある事件があって人手がほしいの。手伝ってくれる?」

「お?なんだかいつもの飛鳥っぽくないがまあいいぜ。」

「飛鳥ちゃんの力になれるなら。」


私は二人に私はウラルの飛鳥ではないこと、クロスの二人のこと、私がどうやってここに来たのかを二人に全て話した。


「なるほど、そういうことか…。」

「で、飛鳥ちゃんは私たちに何をしてほしいのですか?」

「この世界の空間の壁に穴をあけて私をクロスまで運べない?」

「いやいやいや、普通に無理だって。」

「飛鳥ちゃんすみません。私たちは式神、幽霊が人に触れれるようになっただけのような存在ですからそういう超能力的なものは…。」


即答だった。

私は希望を失った。

私はまた同じ現象が起こるまでここにいなければいけない。

落ち込む私に鈴は


「飛鳥、そんなに落ち込まずにここで私たちとここの暮らしを楽しむのもいいと思うわよ。…もちろんいつもの飛鳥も帰ってきてほしいと思っているけど、向こうでも私がそうやって言っているかもしれないし、なによりすぐに帰るなんて寂しいじゃない。」


と言ってくれた。

そうだ、別にすぐ帰らなくても余裕はある。

ここの暮らしを体験するくらいいいじゃないか。

なぜ私はすぐに帰りたいと思ったのだろう。

これを逃したら二度と体験できないことをなぜ…。


「けど私が帰らなかったらクロスに飛ばされたかもしれない私はどうするんですか!?」

「だから言ったでしょ、向こうでも私がゆっくりいこうって説得しているって。…どうせあなたの家にサプライズ訪問しているわよ。私がそんな性格ならそうするかな?」


私はのほほんとしている鈴を思い出していた。

確かに彼女ならありえそうだった。


「わかりました。けど帰れる方法が見つかり次第私は向こうに帰ります。」

「え?…うん、わかった。………嫌われた?もしかしてツンデレ?」


…鈴がなにやら気にしていたが気にしないでおこう。

私は白と黒をかえした。

黒は「ルナか…今度飛鳥に頼んでみるか」と言っていた。


飛鳥が普通の女の子になりました。

この章は伸ばそうと思えばいつまででものばせるのですが(このまま飛鳥をウラルに永住…おっとだれか来たようだ)下手をすると次の話で終わるかもなんですよね。

ではウラルの鈴の説明を今回はします。



音鴨 鈴 秋雨しゅうう高校一年生


ウラルの飛鳥が居候している家の主、成績優秀。

親は海外におり、妹もアメリカに留学している。

お嬢様だが、普通の人たちと変わらない生活をしている。(これには少し深いわけが…)

どこかで訓練したのか戦闘ケンカでは異常なまでに強い。

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