表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/1

1ー1 転生しました

小説家になろう初投稿です。

よろしくお願いします。

 * * *



 都心から少しばかり外れた住宅街の一角。

 


 「ありゃとざいやした~…」



 「不知火君ねぇ、笑え!とは言わないけどその死んだ魚みたいな目をするのはやめてくれないかな……」



 「すみません。普通にしているつもりなんすけど。そんなにやばいっすかね?」



 「やばいよ」



 俺の名前は、不知火 陽介。アラサーに片足突っ込んだ29歳。

 職業、フリーター(コンビニバイト)。

 就活は大惨敗。

 これといった取り柄もない。

 愛想もない。

 彼女無し=年齢。

 1人暮らしで、日々の生活のために家から徒歩三分という激チカなコンビニで働いている。



 俺の目を死んだ魚とか言ってたのは、このコンビニの店長である。

 眼鏡がとんがってて変である。

 この春に高校に入学したばかりの娘さんが反抗期らしく、よく泣き言を言っている。

 俺には、縁のない話だ……



 今はとにかく時間が過ぎるのを待つばかり。今日も今日とて生活のために働いてます~。



「お疲れ様でした。お先に失礼します。」



「お疲れ様~。」



 ……終わった終わった!労働からの解放!!っっっかー!!働きたくねえ!!



 何で人間は労働を強制されるんだ。

 金がないと生きていけないからだよな……

 普通に働いている奴らも生活のために働いてるよなぁ~



 贅沢は言わねえから、働かず日々のささやかな生活を送れるくらいの金が死ぬまで入ってくればいいのに。

 俺、引きこもりの才能あるんだぜ??



 ガサッガサガサッ


 ッ!!


 「ニャ~ン」



 ……なんだ猫かよ、脅かすなよ。

 どこからか運んできた魚の切れ端を大切そうに持っている。



 「猫も生きるのに命懸けだよなぁ。」



 目と鼻の先にあるアパート。

 俺の楽園がすぐそこに……!!



 ップップー!!!



 近くでクラクションが鳴り響く。

 何事かと振り返ってみたら、さっきの猫が道路のど真ん中にいるじゃねぇか!!

 おいおい……。



 「まじかよっ!!!」



 考えるよりも先に、体が動いていた。



 次に目を開けると、夕日に染まった空が見えた。

 ……夕日に染まった空??



 俺は、轢かれた……のか?トラックに??



 ……そうだ、猫は……猫はどうしている?



 無理やり視線を動かして、猫の安否を確認する。



 よかった。怪我はなさそうだ。



「……ニャァ~ン……」



 ……こいつ魚の切れ端がダメになって落ち込んでやがる!!

 


 ごめんなあ!!でも無事でよかったなあ!!俺は死にかけだけどなあ!!



 あっなんか怒ったら頭の中がかすんできた。おれしぬのかな。



 「不知火君!!!」



 誰かが俺に声をかけてきた。


 

 見覚えのあるとんがり眼鏡、見覚えのある制服。てんちょうだ……



 「……ぇ……ん…ちょ。す……みま……ん……。」



 ちゃんと話せているだろうか。



 「頑張れ!!頑張るんだ!!もう!今すぐにでも!!救急車が来るから!!!頑張れ!!頑張れ!!だい……じょうぶ…っから……!!」



 眠くなってきたなあ……



 店長も泣くんだなあ……



 もう少し出勤増やして貢献してもよかったかな。 

 週5でフルタイムだったけどな。



 俺の人生、失敗だらけで良いとこなしだけど、最後に、

 


 猫を助けられたのは、よかったなあ……





 あぁ……くらくなってきた……。





 そうして、俺こと不知火陽介の人生は幕を閉じたのである。







 …………







 ……閉じたんだよなあ??




 え、これは夢なのか??人間驚くと言葉も出ないってあれ、マジなんだな??



 絢爛豪華という言葉はこのためにあるんじゃないかというほど大っ変、誠に、煌びやかな天井が見える。

 あとなんかよくわからんが、いい匂いもする。

 大変よろしい、よい香りですこと……?



 こういうのは、普通白い天井が見えて、消毒液の匂いがするもんじゃないのか???



 それとも病院の特別室???



 俺が目の前の現実に困惑していると、一人の男がそばにやってきた。

 いわゆるイケオジって感じだな、執事服?が妙に決まってやがるぜ!かっくいぃ~!!



「おやっ……。

 まだ生まれて数か月といったところですが、とても落ち着いていらっしゃますねぇ

 さすがはケントルゴ王国ソールイニス第一王子。」





 ……オ…オウ…コク??




 ……オウジ??




 いやそれよりも!!!!

 生まれたばかり???



 いやいやいや!!

 


 俺は!29歳!フリーター(コンビニバイト)!就活大惨敗!愛想もない!彼女もない!!!!




 うんそうだそうだ。俺は不知火陽介だ。記憶喪失でもない。

 ここの病院はずいぶんと手厚いなぁ~……。



 ……生まれたばかりだと??



 生まれるってあれだよな?俺が知ってる生まれるってそういうことなんだが??

 そういえば、聞き覚えのない事言ってたな……??





 こ、これはいわゆる異世界転生というやつなのでは……??





 ただの!!なんの取り柄もない!!アラサーの俺が!?



 猫助けて、代わりに轢かれて死んで転生って!!こんなのラノベの主人公じゃねーか!!!



 お、俺の人生どうなるんだ??いやどうなっていくんだ???







 * * *







 色々と混乱しているうちに眠ってしまったようだ。

 そして、眠りから覚めても相変わらずこのまぶしすぎる天井が目に入る。



 赤子の目に悪すぎるだろ……。よく知らねえけどよ。



 一度眠って、ミルクも飲んで?出すもんだしたらようやく周りの状況を整理できるようになったぜ……。



 まず俺は、本当に転生しているらしい。

 ここで精一杯突っ込みを入れたいところだが、俺は大人なので我慢する。……今は赤ん坊だけどよ。



 そして!!なんと!!俺の転生先は!!



 ケントルゴ王国!!

 



 第一王子!!



 どんな国かは、ひとまず置いておいて……


 

 王国の王子とか!

 前世に比べると破格の待遇じゃないか?!

 あの時猫助けてよかったぁ~。



 就活もしなくていいってことだよな!!



 もしかしてあの猫は神の遣いだったりするのか?!

 ……まあそんなわけねぇのはわかってるけどよ。



 今は生まれたばかりの赤ん坊だからな。

 しばらくはゆっくりできそうだな!



 赤ん坊の間にこの国やこの世界のこと知っておかねえとな!!



 「おやおや……ご機嫌でございますね。ソールイニス第一王子。」



 「キニス様のことがお好きでいらっしゃいますねぇ。いつも嬉しそうにしておりますもの。」



 俺の世話をしてくれているのは、今のところ2人。

 イケオジ執事のキニスと、乳母のテラ。

 2人とも本当に甲斐甲斐しく世話してくれるんだ。快適快適。

 王族ってすげえなぁ。



 執事のキニスは、男の俺から見ても本当にイケオジだ。

 なんだ?雰囲気?貫禄がもう仕上がってるんだよなぁ。歴戦の覇者っつう感じ。


 乳母のテラは、いつも優しく俺に話しかけてくれる。

 おかげで色んなことを知ることができた。



 そして話の中でわかったが俺は次期国王なんだってよ!!荷が重いけど就職先ゲットだぜ!!!



 次にこの国と世界についてだな。

 キニスとテラの話をまとめると……

 この国の名前は、 <ケントルゴ王国> というらしい。

 東側の領土が海に面している。その割には漁業は以外にも細々とやっているようだ。

 広さはそこそこ?小さい国ではないらしい。

 隣国ともとりあえずは温厚にやっているみたいだが、どうもピリピリしているらしい……。

 平穏にいこうぜ……。



 後は、大陸一の学問の国でもあるらしい。

 この国には、大陸中の学問が集まっており、日々研究、開発が行われているようだ。



 そしてこの世界は、大きく分けて6つに区分される。


 地図的にちょうど真ん中にある、 <中央大陸> 


 その中央大陸から西側にある大陸が、 <西側大陸>


 同じく中央大陸の南側にある島々の集まりが、 <南側諸国>


 北にある大きい大陸が、 <北側大陸>


 中央大陸からみて最も東にある大陸が <東側大陸>


 最後にその西側大陸と東側大陸の間にあるでっかい大陸が、 <神々の地> というらしい……。



 ファンタジーだぜ……。



 俺がいるケントルゴ王国のある大陸は中央大陸の東側が領土らしい。



 ……



 ……神々の地についてとっても気になるところだが、これ以上は知れそうにないな。



 成長したらわかるか。



 わかるよな?!



 そして驚くなかれ、この世界には魔法があるのだ!!

 詳しいことはこれから知っていくだろうが、話を聞く限り貴族やら平民やら関係なしにみんな使えるみたいだし、俺にも使えるよな!!



 異世界転生の醍醐味!!正直一番興奮したぜ俺は!

 早く成長して魔法もバンバン使って転生ライフ満喫するぜ~!







 * * *






 ……な~んて思っていた時もありました。



 この世界に転生して、なんだかんだで早15年。

 もうすぐ16歳になる俺は、今日も今日とて、目立たずひっそりと過ごしていた。



 薄々わかったことだが、俺には王族は向いていないらしい。

 幼少期からの数々の英才教育は、教育係が匙を投げるほどダメダメだった。



 英才教育が始まったころは、できないことがあってもあの手この手で俺を無理やり褒めたたえたりして、

 どうにかできるようにさせねばと気概を感じたものだが。

 ある日、教育係の目が完全に諦めの境地にいってしまった。



 すまねぇ。



 王族としての教育、マナー、国や世界の歴史、発展の勉強に魔法の訓練、剣技に乗馬、社交ダンスetc……。



 前世ががっつり一般市民であり、金持ちとの付き合いもなかったので!!

 出来損ないにもほどがある馬鹿王子ですまん!!



 でも無理だぁ!!あの、空気で察しろだとかなんとか!!!



 挙句に、身分差社会のまあぁぁぁぁややこしいこと!!!



 出来損ないの俺でもこの国の王子なので、臣下は従わなければならないし、

 俺の鶴の一声で黒が白になり、白も黒になってしまう。



 俺に、貴族は無理ゲーだということがようやくわかりましたよ……。



 今の俺はただひっそりと一日をやり過ごすだけの穀潰しだ。

 国や世界の歴史の勉強と魔法しか取り柄のない穀潰し。

 剣技も乗馬もとてもじゃないが王子として胸を張れるものではない。



 いくら出来損ないでも俺がこの国の王子である以上、追い出すことはできないし、何気に王位継承権は俺にある。

 生まれた時に将来安泰とか言ってごめんなさい。俺には無理です。


 

 逃げ出したい……。逃げても行くと来ねぇけど。



 来月には、俺の16歳の誕生日パーティーがあるのだ。

 この世界にある国では、16歳を迎えたら成人とされる。

 そうするとどうなるか??

 俺が、次期国王に正式に決定され、国民へのお披露目になる。





 っあああああーーーー!!ムリムリムリムリィーーーー!!





 自分の力量は自分がよくわかってる!!

 俺は前世同様フリーターでしか生きられない器の人間だったんだ!人の上に!ましてや国のトップとか!!

 俺が国王になったとたんこの国終わるぞ!!大陸一の学問の国が!!!



 一日一日と近づいてくる本来ならばうれしい日であろう誕生日が、こんなにも恨めしく思う日が来るとは思わなかったぜ……。



 …………



 そんな鬱々な日々の消化に、ある日突然終わりが来た。






 俺の誕生日の2週間前のことだった。






 なんと国外追放されました!!!






 一応言っておくが、俺は完全なる無実だ!!濡れ衣だ!!冤罪だ!!



 違法な研究をして?国家を乗っ取ろうとした??



 いらねーよ国家!!



 違法な研究?してねぇんだよなあ!!



 完全に誰かに嵌められてるんだ。

 まあ誰も信じてくれないけどな。

 


 意外だったのは、処刑ではなく、国外追放になったことだ。

 出来損ないの俺でもさすがにわかるぞ。

 国を貶めようとしたんなら、貴族だろうが平民だろうが関係なしに即刻打ち首だろ??



 まさかまさかのここでロイヤル発揮してしまったのか??

 おめおめ殺される気はないけどよ。というか無実だし冤罪だし。

 身分社会って怖えぇぇぇ……。



 そんなこんなで今の俺は、

 国外追放された元王子!犯罪者(冤罪)!

 貴族ならいるはずの婚約者もこの年までなし!!

 後2週間で16歳になる!!





 俺の人生なんなんだよ!!

 だんだん腹立ってきたな……。




 いいように利用されて?

 やってもない罪を着せられて、このまま黙って余生過ごすのも癪だな。

 俺を嵌めたやつらを絶対に見つけ出して、裁きを受けさせてやる!!!



 そして絶対俺の無実を証明してやる……!!



 見とけよ!!俺を嵌めたクソブ〇ども!!!



 時間がかかっても遠回りでも、必ず無実を晴らしてやる!!










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ