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キュベルス~人類滅亡とたたかう者たちの笑うしかないデス・ループ~  作者: 泊波佳壱
第2章 日本の新たなる夜明け

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第6話(1) ~昼休みに昨夜のディナーを~

2117年 1月21日(木) ⇨ 時間跳躍9 ⇨ 2025年1月21日(火) ⇨ 15日後

⇨ 2025年 2月5日(水)  潜伏開始から15日


人類滅亡まで あと573日   時間跳躍可能回数 あと41回


ミッション3の環境省幹部の説得 失敗・断念。


 第二隊のメンバー達は、潜伏先マンションで「メインホール」と呼んでいる201号のリビングに集まって話し合っている。



 1月30日から2月4日まで一週間近く掛けて、2年後には環境事務次官になるであろう人物に接触を試みて来た。これをミッション3と名付け活動してきたが、その反省と今後の対策の会議だ。



 部屋自体は、空間としては広めの一般家庭のリビングだ。かなり大きめの丸いテーブルが置かれている。まわりを8人くらいは囲めるサイズだ。実際には今、6人のメンバーがテーブルを囲んでいる。


 人数分のコーヒーカップと、4つのクリスタルチップが置かれている。そこから空中に向けて、うっすら光の線が上がり、テーブルを囲む4方に、大きな空間スクリーンが表示されている。


 その一つの画面に、隊員二人が三人目のターゲットと対談している様子が映し出されている。


「こんなことになって、本当にごめんなさい」と、水嶋さなが沈痛な面持ちで目を伏せがちに語る。


「人類を救うという使命の重大さを考え、いろいろ準備を重ねたが、こんな結果になってしまって本当に申し訳ない」と、滝龍馬もテーブルに打ち付けそうなほど、頭を下げた。



「いやぁ、有り得ないですよ!」と、その場で一番若手の近藤清明が声を荒くした。

「えっ」と声をあげる者や、驚いて近藤の方を凝視する者もいる。


 誤解されそうな発言だったと気づき、すぐに近藤は言葉を続ける。

「ほんとーに、この管名って行政官、ひどすぎです。まったく有り得ないですよ、こんなの!」と、言っている間に、自分でもどんどん語気が荒くなっているのに気付く。


「そう、そっちよ! 私も同感。二人は、なあんにも悪くないです。どれだけ緊急なのか、未来がどうなるのか、その切実さはちゃあんと伝わってますよ。

 なのにあんな対応なんて、絶対許せません」と高杉風香もそのキャラに似合わず強い口調だ。



 落ち着いた口調で、村橋りんが話し始める。

「いっそ、あからさまな悪人で有ってくれた方が、非常時を理由に良くない手でなら、落とせたでしょうが。また小心者とか何かの影響を受けやすい人とかとか。なのに、この人物にはそういう弱みが無い。いずれも厳しいでしょうね」


「まぁ、ここでは2番目に若いのに、すごい交渉の達人の発言ですね」と、龍馬よりも1歳上、この場で最年長の高杉風香が発言する。もっとも印象としては、この場の誰も高杉が最年長だという印象は持っていないだろうが。



「りんちゃんは、帰国子女。お父さんは大使も務めた外交官で、何代も続くそういう家系なの」と、もともと同じタイムマシン開発チームの水嶋さな子が、村橋本人のかわりに答える。さらに続けて、

「今回も私より適任かとも思ったんだけど……」と言いかけて、この期間のやり取りを振り返って苦い表情になる。


 それに対して当人、村橋りんが言う、

「今回のは、私だったら、もっとひどいことになってますよ。あんな相手、とっくにさじを投げますって、ほんとひどい」


 一呼吸間が空いたのを見て、龍馬が口を開く。

「何かミスをしたのか? 他にもっと有効な手はなかったのか? と、色々考えたけど、みんながこれだけ、相手が悪かったと言ってくれると少しは気が楽になるよ」


「うんうん」「悪かったというか『ひどかった』ですね」「そう、ひどすぎ」「ですね」


 皆それぞれの言葉で、ねぎらってくれている、それを受けて、

「ここは大至急、他のターゲットに切り替えて、違うアプローチを実施したいと思う。他の新たなターゲットとアプローチをいろいろ検討して、それでも、どうしてもほかに有効な代案が出なければ、その時になって初めて再検討ということでどうだろう?」


 これには、皆が合意してくれた。その反応を受けて、

「では、ちょうど本部へ、その我々の方針を報連相したいから、これから「お祈りタイム」を兼ねて、皆で向こうと話そうか」と提案する。


 ちょうどこの時、壁の時計は、2025-02-05 Wed. 10:58:00 といった日時を表示している。


 単なる時/分の時計でも良いのだが、西暦年から全て表示しているこの時計が「自分達らしい」と皆が気に入って、こちらに到着した翌日、皆で二度目に行ったショッピングモールで買ったものだ。


 その時計を見ながら、永倉さんが龍馬に声をかける。

「それなら、ご提案が! 本部と話している間、私が運転しますので、マシンでちょっと遠出して、ランチにしませんか?」


 そう言いながら、永倉が龍馬にあててスマートグラズにチャットメッセージを送ってくる。「コースは皆にはサプライズでどうでしょう? あ、隊長には念のため、『ハ〇〇で夕〇を〇〇ながらデ〇〇〇』というプランを考えてます」


 永倉のメッセージにサムズアップのリアクションを付け、龍馬は皆に向けて提案する。



「ま、気分へこんだままも良くないから、みんなで遠出してお昼にしようか、あ、今回の行先は永倉さん企画の「ミステリーツアー」ということで!」


 皆、大賛成の反応。その様子を見て、

「では、ちょっと遠出なので「お出かけ」準備をして20分後にタイムマシンに集合でどうだろ? えと、服装は?」とそこまで行って、永倉の方を向くと、

「同じ気温か、もしかしてほんの少しだけ暖かいかもしれませんので、一枚脱げるくらいの装備がいいかも……です」


「それ以上に詳しい質問が有れば、引き続き永倉さんに聞いてもらうとして、今は……」

と、壁の時計を見ると 2025-02-05 Wed. 11:04:27 となっている。


「では、20分後の11時25分にタイムマシン集合で!」

とアナウンスして、自分は早々にタイムマシンに向かう。




 2117年の未来のマシンルームとつながった。


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