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キュベルス~人類滅亡とたたかう者たちの笑うしかないデス・ループ~  作者: 泊波佳壱


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第16話(1) ~分析D.  どうすれば滅びなかったのか~

2116年12月8日 13:00~ マシンルーム

 一息ついての昼食と昼休憩を終え、皆が会議卓に戻ってきた。




 午前から続いている話しの続きを再開する事となった。


 新たに加わってくれたメンバーも含め、俺自身を含めると、今、この場には9人の人間が集まっている。


 どうやら、このメンバーが、現時点でのキュベルスの全メンバーと言うことになるらしい、

 俺、しげ爺(重富博士)、自衛官の永倉さん、

 AIチームからは、木村明司教授、高杉風香研究員、近藤清明研究員。

 タイムマシンチームからは、廣庭博士、水嶋さな子主席研究員、村橋りん研究員


冒頭で「らしい」と言ったのは、この9名以外に、第一隊として過去に行ったままのメンバーがいるからだ、何とかそのメンバーも全員助け出したいと考えている。




会議は、午前中の話しを手短に振り返るところから始まった。


  分析A. 基本ルール、基本的な性質の話し

  分析B.  実際には、何が起こったのか

  分析C.  その真の原因は何なのか

  分析D.  で、どうすれば滅びなかったのか


 午前中にいろいろと説明をしてもらったその振り返りとして、ここは俺から、内容を説明させてもらうことにした。


「あ~、皆さん、自分なりの理解も交えて、重要と思える点を話し、させてもらいます。何か正確じゃない部分などありましたら、ご指摘願います。

 それでは、




分析A.  基本ルール、基本的な性質の話し


 2020年代、生成AIが大幅進化した事をかわきりに、様々なタイプのAIが本格利用され始める。


 特にインフラ制御やプラント制御も、独自のエキスパートプログラムから、専用に開発、或いはチューンナップされたAIへと移り変わっていく。



分析B.  実際には、何が起こったのか


 2020年代に極大化した真夏の最高気温上昇も、その後の40年間で2010年代まで低下、改善されたが、その後は再び悪化の一途をたどり、ついに2110年に、人類のほぼすべてが茹で上がる大惨事が発生」




 ここまで話して、間を取ってみるが、特に誰からも声が上がらない、それどころかみなウンウンとしっかり同意の頷きを返してくれていて、つい嬉しく次の言葉をつなぐ。


「では、続けます、


分析C.  その真の原因は何なのか、ここでは4つ出してみました。


問題1.

 本来温暖化の阻止の為には、「様々な課題を全て」改善しなければならなかったが、一部のインフラ制御等のAI活用による改善で安心してしまい、抜本的な対策を怠った。


問題2.

「被害最小化」は破局を迎えた後の、「どちらを犠牲にするかを選ぶ」手順でしかないものを、問題解決手段のようにとらえる間違った認識がまん延。


問題3.

 どの国も、強制力を持つAI導入の法規制、温暖化抑制の法規制のいずれも徹底しきれなかった。


問題4.

 どうしても、大規模なシステムが稼働すると、人はそれに任せきりになる。


以上の4点です」




ここでも、誰も口を挟まないので、もう少し一人で話しを進める。




「いよいよ核心ですね、


分析D.  では、どうすれば滅びなかったのか


 この部分なのですが、私なりには、分析Cの各問題の全てを解決する事で、やっと「滅亡を回避」出来るようになる、と言うことはわかります。


 問題2の解決には「未来予測制御」という新しい言葉を頂きました。本来AIの特異な「予測」……ビッグデータと照らし合わせて、この先はどう推移するかの予測はできるわけで、その能力を積極活用する仕組みが必要です。


 教授やAIチームの皆様が、先ほどから余裕な雰囲気で構えておられるので、これらの問題を解決する「一手」が、既に用意されたものかと思いますが、そのお話を聞かせて下さい」




 そう言い切って、しばし返答を待ってみる。


 木村教授が口を開いた。


「滝君、この短時間で、深い洞察、素晴らしいよ。


 我々が編み出したのは、実は一手ではなく2つのアプローチなんだが、それで君の言ってくれた問題はすべて完全にクリアできると考えているよ。


 その2つとは、()()() ()()()()()()()()()()()()()()()()()()の仕組みだ。


 それぞれを、高杉君と近藤君にそれぞれ説明してもらおう」


そういって、若手にマイクを回すかたちとなった。




 昼休みにかまぼこをくれた高杉さんが、待ってましたとばかりに話しを始める。


 あ、ちなみに、エビをくれた村橋さんは、髪の毛を人差し指で先ほどから、ずっとクルクル撫でつけながら、頷きながらを同時に器用にこなしながら話しを聞いてくれている。




「では、私、高杉風香から、『AI 5原則』について説明させて頂きます」


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