第11話 ~新隊長の救出プラン~
2116年12月8日 マシンルーム
会議で、今まで5回のジャンプを踏まえて、その5回目にとんだ先で全隊員がタイムマシンを即日離れてしまったために、どのタイミングでも、もはや直接引き戻すことができない。
その状態を受けて、しげ爺から俺に問いかけられた。
「さて、そういうわけで、今朝から、龍馬、お前にここに来てもらったわけじゃが、お前ならここはどうする?」
「そう聞いていただけるのなら……」思わず腰を乗り出し、話しを始める俺。
「助けるべきだと思います。全隊員を!
それだけではなく、タイムマシンも戻しましょう。」
一同、「ん」「なんと」「???」と言った反応だ。
思った以上の反応に、心の中で、ガッツポーズしてみる。
「説明させて頂きます。
これには ジャンプ6~8の3回を使います。
6 2116/12/10(木) 我々の第二隊が、2027年11月26日か翌日にジャンプ
7 2116/12/24(木) 第一隊を解放させ次第その日時を指定してこちらに引き戻す
8 2117/1/7(木) 第二隊が戻ります
この流れです。
もっと詳しく言いますね、ジャンプ6では、我々第二隊は完全武装で降り立ちます。
武力によって(なるべく威嚇に留めますが)、強制的に奪還を求めていきます。
そのために、一番最適な11/26以降~12/3より前の最適な日時を記録映像から事前に探ります。
とにかく武力をもって、マシンと隊員を回収し、そのままそのマシンに、第一隊のメンバーに乗って頂きます。
我々が責任をもってそれを行い、それが整った日時を指定してこちらから、第一隊をジャンプ7で引き戻して頂きます。
ジャンプ先でもこちらでも、一日は同じ一日と時間が進んでゆくようですので、原則としては14x2の28日間、われわれ第二隊はその場にとどまり、28日後にこちらに引き戻してもらいます。
場合によっては、日程を短縮するか伸ばすか、状況によって相談させて頂きますが、助けに行くとは言え、こちらを28日間留守にするわけですから、その期間最大限に21世紀を調査したり呼びかけ、働きかけなど「すべてテストケースとして」実施したいと考えます。
6 2116/12/10(木) 我々の第二隊が、2027年11月26日か翌日にジャンプ
7 2116/12/24(木) 第一隊を解放させ次第その日時を指定してこちらに引き戻す
8 2117/1/7(木) 第二隊が戻ります
9 2117/1/21(木) Open=新しい手の触れていない世界線に向けて、出発
そしてここからが肝心ですが、原則28日程度のテストケースをもとに、全く接触の無かった真新しい世界に出発します。
ジャンプ9 現時点で有効と思われるポイント
・国会議事堂前に武装して降り立ち、宇宙人的立ち位置から交渉スタート
・国の幹部たちにテーブルに着いてもらい、2110やその他の未来事情、をしっかり伝え変革を迫ります
・最終的には、AIへの真のガイドづくり等がコアになる?
と、現時点では、このように考えますが、ジャンプ8で戻って14日で、ここの詳細はしっかり相談させてください。
また、これをメインの目的としますので、ジャンプ6からジャンプ8は、現地で、この「国や場合によっては諸外国をも動かしうるキーマンは誰か」を調べ実際に吊り上げることが、一番の目的になると考えます。」
一気に話し終えて、いかんいかんこれだけ語ると、つい興奮している……落ち着かねば、
「さて、みなさん、勝手にいろいろ申し上げましたが、このプランでいかがでしょうか?」
しげ爺は、ニコニコしながら、周りの様子をそっとうかがっている感じ。
「承認、ポン」 木村教授が、デスクに向けて大きなハンコをつくポーズをしてれた。
まわりをみると、水嶋さん、なんだか口が空いたままですよ、ちょっと美人が台無しでは……ま、ここは気づかないふりをして、残すは廣庭博士……っと、そちらに視線を向ける。
「二日酔いの頭で、さっききた青年が、この提案なのですねぇ、ちょっと驚きましたねぇ、戦術はこれからいろいろ調整し甲斐が有るし、戦略としてはまさにこれって感じですねぇ、後は救出劇にジャンプ3回を使う、その期間コストが気になるだけですね」
「博士ご指摘ありがとうございます。あ、教授、太鼓判、感激です。
博士のご指摘ポイント、限られたジャンプ回数の使用を1回多く使う件ですが、実は、それに関して、このプランで一番強く主張したい事があります。
第一隊の隊員さんも最初のマシンも、どちらも今こそ限りなく大切です。
例えば、ジャンプ9以降のミッションで、万一マシンが破損した場合などでも、スペアとなるマシンが維持できていれば取れる手は多いですし、それ以外でも同一世界線上で別動隊として活動すると言った事や、場合によっては並行して二つの世界線に可能性の種を植えることも可能かもしれません。
これは、現状の倍とも、それ以上とも言えると考えます」
「たしかに、そうどすなぁ。納得ですわ」
博士は教授の方を見て、太鼓判を押すしぐさをまねようとしている。
「ポンっ」教授がもう一回して見せたので、博士も、
「こうですな、はい、ポン」と太鼓判を押してくれた。




