新兵器の開発
研究所では、センのアドバイスで、いくつかの兵器の開発が進んだ。
まず開発されたのが「フェイルノート」。重さが10キロという矢を機械式の大型の弓で放つものだ。
これくらいの重さがあれば第3世代までならシールドを突き抜けて本体にも刺さる。シールドは魔法に対しては強力だが、物理的な攻撃には脆さもあった。ただし、それは低い世代までだが。
マギロイドの魔力は、体内の血管、神経などを通して全身を巡る。身体の中心部の血管や神経に矢が刺されば、魔力がうまく回らず、力も低下し、回復にもより時間がかかる。
全身に数本が刺さり、魔力が低下すれば、修復の暇も与えずに火魔法で焼き尽くすことが可能になる。
もう一つ役立った情報は、マギロイドの命令の優先順位だった。まず結界を攻撃するのだが、その攻撃を妨害する者がいれば、その排除を優先するのだ。
優先準備がわかれば、対応もしやすくなる。
*****
ある戦場でフェイルノートのテストをする。
結界の攻撃にマギロイドが来た。おそらく第2世代。
それに向けて横から魔法兵が雷撃での攻撃をしかけた。当然、その排除を優先するマギロイド。第2世代では飛行しながらの攻撃はできない。走って魔法兵へ向かう。
そのとき、隠れていた魔法兵が氷魔法を放つ。
マギロイドの周辺は水浸しだ。足下の水への氷魔法はシールドで防げない。足が凍り付いて固定されたところに、隠れていた弓兵のフェイルノートで串刺しにした。
フェイルノートで動きがとれない。そして魔力がまわらずシールドも展開できない。
後は雷撃で麻痺させ、火魔法で跡形もなく焼き尽くした。
この方法で、第2世代第3世代をあわせて12体を葬った。
しかし、第4世代以降には通用しない。
フェイルノートでもシールドを貫けない。そして飛行しながらの防御、攻撃ができる。
結論としては、第4世代以上には、王国兵だけでの対応は不可能だった。
その成果は絶大なものだったが、新たな課題もでてきた。