マギロイドの能力
休みが明け、二人で軍本部に向かった。
情報局のデルタの部屋に入ると、そこには魔術研究所の所長のアルファも来ていた。
「遅かったじゃないか」
「情報局は勤務時間ないから、いつ来てもいいのでは」
「まあ、そうだけど……。アルファとも彼の話をしていたところだ。面倒だけど、彼とのことをもう一度話してくれるかな」
「わかりました」
エムとセンはソファに腰掛けて、帝国の製造工場のことから話を始めた。
「なるほど、それで君が気づいたこととは?」
「ええ、まずマギロイドには、旧型、新型があるそうです。セン、説明して」
「僕たちは、約100体ごとに性能が更新されています。僕が第10世代で、それは僕だけです」
「何が違うのだ」
「魔力の量、使える魔法の数、スキル、身体能力などです。第1世代は10体でしたが、実用的ではなくて、実験段階ですべて壊れてしまったそうです。次の第2世代から実用が可能になりました。この間、破壊したのは第2世代で、攻撃力も魔力量も格段に下です」
「君だと、どれくらいのことができるのだ」
「この国の結界ならば、一週間あれば破壊できます」
「なんと!それならば第9世代だとどうだ」
「第9世代ならば、30体で一週間でしょうか」
「そんなに違うのか……」
「それでは、君は第9世代を30体を相手にして勝てるのか?」
「1体ずつなら問題ありませんが、数が多いと、攻撃と防御を同時にすることになるので、難しくなります。それはもっと下の世代相手でも同じです」
「つまりは、1体に向けて攻撃をしているときに、他から攻められると防ぎきれないということか」
「そうです。シールドを展開すると、攻撃ができませんから」
それから、各世代ごとの特徴などを詳しく話していった。
「恐ろしいな、よくこんなものを作ったな」
「ええ、今は北方の国々との戦争に動員されているようですが、そこが終われば次はこちらですね」
「ああ、一月後か、二月後か、それとも一年後か……。そう遠くはないだろうな」
「それから、彼とも生活をしていて気づいたのですが、彼等は恐怖を感じることがありません」
「どういうことだ」
「この間の戦闘で第2世代を撃破したときも、確実に負けそうでも逃げるということはしません。センと暮らしていても、それを感じます」
「そうなのか」
「僕たちは、命令を実行することしかできません。怖いということもわかりません。死ということもよくわかっていません。死ぬことよりも命令を優先します。」
「なるほど、そこに判断のミスができるかもしれないということだな」
「はい、センを見ていても、それはあると思います」
「罠をしかけることもできるか……」