声
「こういうミッションでまさかバリアミサイルを使いたくなるとは思わないよなぁ」
バリアミサイルとはその名の通り、自らにバリアをはれるミサイルである。バリアとしては最低限ではあるが、迎撃攻撃を防ぐ程度にはあるものだ。もちろん大型化してしまう割に威力は落ちるし、とても値段が高い。相手の対空能力が高い場合を予測して持ち込むかどうか検討する、というレベルのものだ。ささったら強いのだが費用対効果が悪いので有名だからなぁ。
「まあたぶん、ザボスのグレネードでいけると思うわ。俺のじゃいまいち相性が悪いようだし」
「どうした、攻撃力の高い三機がたばになって敵わない相手に僕のザボスでいけるのか?」
ザボスも駆けつけてくれた。推定ドラゴンはこちらの攻撃のことごとくを防ぎ続けている。こんな敵、今までいなかったよなぁ。しかし破れないバリアを持った敵はいない、はずだ。
「ザボスが、というより、無誘導の爆発系が有効なようなんだ」
ミッションブレイク2でも爆発系は一つの属性となっている。物理、熱、「爆発、の大体三つだ。なぜ大体かというと、混合も多く、物理と言っても基本貫通に限り、打撃や斬撃などは別処理されているみたいなのだが、属性として考慮するほどに影響力が高いのがこの三つということらしい。そもそもキックとかあるから打撃はともかく、斬撃自体ほとんどないしな。
「あいつか。念の為全力で行く」
「ドラゴンにはエクスブローションの魔法が効きやすい、だってさー」
俺達の会話をそれとなく聞いていたであろうネ・ムイが忠告してくれる。魔法の爆発とは違うかもしれないが、これでいけそうなのはほぼ確定だな。
ザボスのグレネードランチャーはフルオートでも撃てるものなので発射数は多い。一発でも生き物に当たったらそれがミンチになるレベルのもので、装甲相手にも十分に役立つものを連射できる。……調子に乗って撃ちまくると、あっという間に弾切れになってしまうけどな。実際道中でもだいぶとそうしてき、た……、あれ?
サンダルフォンが放つミサイルと、フェアリーが撃ち込む弾丸の処理に追われていたドラゴンにグレネードの飽和攻撃に対応できるはずもなく、無惨なことになってしまった。
このグラフィック、小学生に見せていいのか? 文字通り吹き飛んだぞ。
いや逆にマシか。ほとんど原型も残らず、消滅してしまったレベルだしな、尻尾だけが爆発から逃れて残った、という感じだ。
「ちょっとゴア表現がきつくない?」
そういえば……ちょっとおかしいぞ。あまり良くないことに気づいてしまった。
「待った、ヒジリよ。今は飲み込んでくれ。自分で気づくのが一番だからな」
唐突に聖王長の声が聞こえ、眼の前に現れた。……なんだこれは?
「わしの存在は気にするな。今はお前にだけ見えておる。VRシステムが皆にいろいろと見せているのと同じ仕組みじゃ。声のみでも良かったんじゃが、重要なのでな。印象に残るようにした」




