合流
俺達は森の中を戻っていく。きた道とは若干ずれているので見覚えはないが、マップが開いているので迷うことはない。
森の中には巨大な魔物はほとんどいないため、だいぶと楽だ。襲ってくる魔物は八本足のとかげを優先しつつ倒しながら進んでいく。今はグレイキャバリアがいるので雑魚は任せてもいいのだが、もうすぐ補給できるし、彼らだとワーラットにでも傷つけられるようなので、倒していったほうがあとあと楽になるだろうし。
「よお、戻ってきたみたいだな。こっちは暇だったぜ」
パーティーチャットが開かれた。ウォーモンガーからだ。パーティーチャットが届く範囲で向こうはこちらを認識できているということは、もうすぐだな。
「もうすぐ休憩できる場所に出ます」
ブラックキャバリアのフォードさんへそう伝える。彼らにも何らかの通信手段があるようで、エマさんやグレイキャバリアにもそれが伝わるはずだ。
「戻った。大丈夫だったか?」
俺が一番だったようだ。ウォーモンガーに話しかける。
「何度かめっちゃ大きな蛇、一度だけドラゴンが来たぜ。蛇はサントノーレが頭打ち抜いてて、俺のやることなかったわ。ドラゴンは早々にミサイルで撃ち落とした。ばらばらになってなきゃ前の方に落ちてると思うぜ」
「大きな蛇か。たぶんマンイーターだな。あっちにうじゃうじゃいたぞ」
「えー、俺蛇苦手なんだよ。蛇は無視するからなんとかしてくれよ」
「大人でも蛇が苦手、とかあるのね」
「ああいうヌメっとしてて手足がないってなんか生理的に受け付けないんだよ。サントノーレは大丈夫なのか?」
「私は好きです。ペットとして買いたいと両親にお願いしましたが、ダメだと言われました」
「好きなのに頭撃ち抜くってヤバくない?」
おどけた感じでウォーモンガーがサントノーレをいじる。
「それとこれとは話は別です。ずっとこんな感じなんですよ、ウォーモンガーさん。ヒジリさん、なんとかしてください」
内心苦笑しながら、ウォーモンガーをたしなめる。
「ウォーモンガーさ、小学校男子じゃあるまいし。なんかトラウマでもあるのか?」
「な、なんもねぇよ。ヒジリさん、今あんた、その小学校女子みたいなもんだからさ、ぐさーっとくるものがあるからやめてくれよ」
「まあ、ウォーモンガーは降りてきてくれ。ダティーズの案内はサントノーレがやってくれるよな? ウォーモンガーは向いてないだろうから入口の警戒を頼む」
「こっちだ、フォードさん、ここから中に入ってくれ。中は安全だ。そのキャバリアの簡単な修理ぐらいはできるかもしれんし、脱いで休憩もできるはずだ。まあ二十人ぐらいが限度だが。エマさん優先でもいい。個室はないが仕切りぐらいは用意できる」
「おお、それはありがたいです。遠慮なく入らせていただきます」
エマとフォードさん、グレイキャバリアの兵士たちで負傷したものを優先して中に入っていくようだ。ブルーキャバリアの人が中の人達に癒やしを施しているのが見えた。グレイキャバリアの中の人の何人かがキャバリア自体の修理も行っているようだ。
そうこうしているうちにネ・ムイとフライハイトたちも戻ってきた。こちらも冒険者や戦士団の負傷者優先で受け入れていく。ミッションブレイク2にはアバターの負傷という概念はないけど、フレーバーとして治療用カプセルみたいなのがダティーズに設置されていたので、特に傷が深い人にはそこに入ってもらう。たぶん効くと思う。民間人救出ミッションでこういうのを使うっていうシーンがあったはずだから。




