強襲揚陸
「着陸予想地点に大量の敵がいるようだ。着陸直後に気をつけてくれ。申請通りチューニングは防衛に振っておいたぜ」
有料のメンテナンスマンであるグッドマンが俺に話しかける。彼がいるとパラメータが若干上がり、望みの方向にさらにパラメータを偏らせることが出来る。今回の敵は柔らかいと見て、防衛、すなわちアーマーとバリア、そして機動力に振った構成にしてもらっている。
ガーディアンは前に使った重ビームガトリングではなく、ガーディアン標準装備の二連装レーザーキャノンにした。普段だと火力がいまいちだが、索敵能力が高く、レーザーの照射でどこに敵がいるのが分かりやすいのと、ほぼ無限に撃てるのが強みだ。ちなみに二連装である意味はほとんどない。かっこいいからなのだろう。バリアもそれなりにあるので良い囮になってくれるやつだ。
周りを見ると皆MTAの装備が完了しているようだ。
「OKだ。ヒジリ、いつでも出られる」
いつもの最終確認を行う。デッキ内に警告音が発せられ、暗くなる。着陸後に開くはずの扉のところにだけ両端に青い回転灯が設置されている。メンテナンスマンは退避し、残るは出撃する俺達と、最前線で補給を手伝ってくれる、メンナンスロボだけになる。俺達のMTAはデッキにしっかりと固定されており、このデッキ自体が移動している感触が分かる。
今の俺達の視界は大型上陸機ダティーズのカメラのものとなっており、揚陸艦から切り離されたダティーズが大気圏突入し、グライダーのように滑空していくのが見られた。
じきに高度が下がっていき、地上が見えるようになってきた。なんかドラゴンらしいのが飛んでいる。その一部はダティーズに反応したけど、こちらが早すぎて対応できなかったようだ。そのままぐっと高度が下がる。下は森が広がっており、その向こうは草原となっているようだが、そこで戦闘が行われているように見えた。森の中には魔物がたくさん潜んでいるようだ。
無人機であるダティーズが森に構わず強行着陸を行った。木々を薙ぎ倒しながら着陸する。装甲は分厚いしバリアもあるのでダメージはほとんど受けていないはずだ。
ダティーズの本体に格納されていた砲台が出て、周りを攻撃し始めた。すぐ近くにも魔物がいたようだ。
扉付近の青い回転灯が回り始め、警告音が発せられる。
「間もなくメインドアが開きます」
俺達のMTAの固定も解除され動けるようになっている。
「どうする?」
「メインドアの方が進行方向だが、一旦後ろに下がろうと思う。僕とネ・ムイ、ヒジリだ。サントノーレとウォーモンガーにはダティーズの防衛を行っていてほしい。うまく行けばここの人類と共同戦線がはれると思う」
「ガーディアンを二機とも設置しておこう。メインドア付近の両側に置く」
「ありがてぇ。俺はドアが開いたらダティーズの上に乗る。サントノーレは中から狙撃で見える範囲を処理してくれ」
「わかった」
「ネ・ムイは先行して僕とヒジリのルートを算定してくれ。脅威は僕たちが排除しながら進むからそちらは速度と安全重視で」
「了解したわ」
フェアリーがいきなり発砲した。開きかけのメインドアの真正面にかなり大きな八本足のとかげが待ち構えていたからだ。もちろん一瞬でそいつは倒された。
「そういやBGMないな。環境音だけだ」
「なかったらなかったでなんかさみしいよなぁ」
「無駄口叩かないの。もうすぐ出発するんだから」
ネ・ムイが諌めてから、動いた。
「行くわ!」
フォックスハウンドがそう言って飛び出す。俺のパーソナルフォートレスとザボスがそれについていく。
「任せたぞ。ウォーモンガー、サントノーレ」
俺達と一緒に飛び出したサンダルフォンは俺等に親指を立てて返してきた。見るとサントノーレもこちらに親指を立てていた。




