サブ機
フライハイトのマイルームで俺達はミッション後に次どうするのかを考えている途中だったが。
「ああ、ウォーターキャノンの対バリアとしての性能が高すぎたんだ。今のパーソナルフォートレスのスクリーンバリアであっても3秒ぐらいの照射でバリアを粉砕できるはずだ」
俺の持ち機に標準装備されていた武器なので解説できる程度には理解している。
「水なのに照射なのか? まあそれはいいとして、今のレーザーではどれぐらいになりそう?」
サントノーレがおっさんアバターで好奇心旺盛に聞いてくる。中身が女子小学生と知っていなければ鬱陶しく感じたかもな。
「俺のサブジェネレータ直結のレーザーライフルの照射でも5秒以上はかかると思うぜ。バリアって基本対レーザー能力が高く、逆にキネティックに弱いんだが、ウォーターキャノンはキネティック扱いで照射だからな」
あまり考慮されることはないが、けっこう相性の数字バランスはきつかったはず。かといって相手がバリアだからアーマーだけだからと武器を変える暇も余裕もないことが多いからだが。
「なるほどそういうことか」
俺の説明にサントノーレは納得してくれたらしい。
「レーザーと違って即着弾どころか弾速は遅いから、当てるの難しいんだけどな。当時はピクシー型にもようやくバリアがつき始めた頃だったからな。ピクシーのなけなしのバリアがかすっただけで砕け散ってしまったわけでな……しかも水辺なら簡単に水が補充できるから、弾幕がすごくてな」
フライハイトが俺の話を継いでくれる。そうそう、当時ウンディーネを使って上陸ミッションで稼がせてもらったよ。ピクシー型とかまさに鎧袖一触とか出来たしな。
「当時の上陸ミッションや上陸阻止ミッションとか阿鼻叫喚だったな。それが逆に面白かったが」
ウォーモンガーも知っていたか。大学生組はだいたい2からって感じかね。
「基本水中用と理解されているけど、地上だとホバーで移動できて、元々装甲が厚く、水冷式サブジェネレータまで付いてるから、水辺だとめちゃくちゃ硬いしで、地上での方が強かったと思う。もちろん水辺だけだけどな。それがどこでもってなったのがパーソナルフォートレスだと理解している」
「クニヒロは今ピクシー型で一番採用率が高い機体だな。ヒジリのイメージはパーソナルフォートレスだからウンディーネの方がいいかも」
「そうだな。旧型でもカスタムと戦い方でなんとでもなることを見せてやるぞ」
少しイキってしまったが、結構本心だ。性能だけで戦っているつもりはないし、クニヒロやパーソナルフォートレスみたいに最新にも手を出しているが、元々旧式をカスタムして遊んでいた時間の方が長いからな。
結局俺はウンディーネに乗り換え、ネ・ムイは話題に出たクニヒロに乗り換えることにした。他の皆もイベント直前でメイン機体にストラクチャーにダメージが入って使用不可になることを避けるためにサブ機に変えて、パーティーミッションをやった。
その際は明らかにメイン機に比べて弱体化しているので厳しくないミッションを選んでもらって、割と和気あいあいとプレイすることが出来た。
ソロで慣れているし、一回り年上の俺には皆が少し眩しく感じたけど、まあなんとかついていくことが出来たと思う。ゲームの中でリアル年齢のことを引け目に考えても仕方ない、とサントノーレの振る舞いを見て、反省もする。中の人の彼女は本当に小学生なのか?と思えるレベルで、振る舞いも態度も完璧に近かった。完璧でない部分ももちろんあったが、リアルを知っていると微笑ましいものであったし。




