膠着
こちらの牽制射はすべてUAがはったスクリーンバリアで防がれてしまった。UAはだいたいこれがあるから厄介なんだよなぁ。止まっている時にはだいたいこれだ。大型なだけあってジェネレータもMTAの比じゃないんだよな。
武装は二十ミリ程度のオート機銃座が複数、それにマルチレーザー、ミサイルか。
「うおっ、あぶね」
不意にUAがウォーロードに近づいてきて、マルチレーザーで焼かれ、オート機銃座で撃ち込まれた。
幸いウォーロードはとっさに下がって事なきを得ることが出来た。
「こいつは不用意に近づいたらダメなやつだったね、そういえば」
ジョニーMも突撃しようとして急停止した。
「あっちが急に近づいてきただけだって」
マルチレーザーやっかいなんだよな。一発で撃破されることはないけど、とにかく避けれない。
一定範囲に近づくと自機を中心として円を描くようになぞられるレーザーで、狙いをつけてくることがなく、そして高出力だから一瞬当たるだけでも結構痛いのよね。
近づかなければいいかと言えば、かなり遠い円にしていることもあるから一概に言えないし、これでバリアを削られては機銃でもやられてしまいかねない。
特に装甲の薄いピクシー型には致命的とも言える。だからタイタン型が優勢になっていったんだよな。
「下がれ下がれ。まともに相手にしてはいけないやつだ。堅実に削っていこう」
確かに今は本体のバリアが停止しているから、パーソナルフォートレスでも突っ込んでいったらアウトだしな。
今まで気にしたことなかったが本当にずいぶんバリア再起動に時間がかかるんだな。敵出現パートで助かったってところか。
「こいつもたぶん無人だよ。私が戦った有人型とは動きが違いすぎるもの」
ネ・ムイの言う通り、人が乗っているとは思えない機動をしている。あんな機動を繰り返していては中の人が反動で死んでしまいかねない無茶な動きをしている。正直これ機械にもダメージあるだろってレベルのキモい動きだ。
「 パーソナルフォートレスとフェアリーは後ろで待機だ。バリアがない状態とピクシー型ではキツすぎるだろう」
「分かった。隙を見て補給させてもらっておく」
「ああ、下がらせてもらう。牽制射ぐらいはするけどな」
探査基地の近くまで下がると、俺の方にも補給機が近づいてきた。
ん? 今補給したら再起動早くなるとかあるのかな?
補給を受けてみたら、すぐにスクリーンバリアの方は再起動が完了した。こっちは割られるの前提だから再起動時間は気にしているから本体よりはずいぶん早いはずだが、それにしても早すぎる。補給の効果かもしれない。ありがたい。
俺がここにいることでUAがこちらに撃ってくる可能性はある。なのでUAと探査基地の間にスクリーンバリアをはり、その後ろにいることにした。
「これが中ボスだったのか? ネ・ムイ。こいつ、めちゃくちゃ強ぇんだが?」
たまに撃ってくるミサイルにジャミングをかけながらウォーモンガーが雑談をネ・ムイにしかけてる。いや雑談ではないか? 攻略情報かな?
「私が会った時はただの中ボスだったね。ただしさっきも言ったけど私が会ったのは有人機でこんなへんな動きはしてなかったし、もう少しバリアも薄かった気がする」
「無人機だからパイロットを保護する必要もなくなってスペースも出来て、ジェネレータでも強化してるのかもな」
俺もつい会話に乗っかってから、気付いた。なんだ、戦闘中でも話せるじゃん。まあ今はあまり動いてないからいけるだけか……。
「そんな感じかもね。AIのレベルも高いみたいだし。MTAでこんな動けるAIとか見たことないしね」
それのせいなのか、離れたせいかこちらはロックオンすらなかなか出来ない。火器管制システムが惑わされる動きをしているのだろう。だからキモいんだろうが、人間でもその動きは掴みづらい。
たまに味方に唐突に突撃してきてハサミでつかもうとしてくるからやっかいだ。あんな重機みたいなハサミで挟まれたらタイタン型でも無事では済まないのは容易に想像が出来るぐらいのものだ。まあ今ここにいる連中にそんな間抜けはいないようだが。
そういった動きをしているから向こうもこちらをロックできていないのは助かるけど、だからこそのオート機銃座とマルチレーザーなのだろう。バリアもアーマーも分厚いのがうっとおしい。
「無人機でも、じれるのかな? 動きが単純で大雑把になってきているようだ」
「無人機でも彼我戦力差や継戦力とか気にするんじゃないかな? こんな前線に単機で降ろされて弾切れとか起こしたらどうしようもないしな」
「ははっ、かもしれないな」
しかも、たまにホバーの域を超えている高度に飛ぶのが災いしたようで、ゴールキーパーの対空システムならロックできたようで、対空ミサイルも手持ち武器もガンガン当てていく。
「ゴールキーパーは相性があってるようだ。僕がバリアを削り切るから、なんとかトドメを当ててくれ」
UAがランダムに使ってくるように見えるスクリーンバリアをかいくぐりながら、ゴールキーパーが着実にUA本体のバリアを削っていってくれる。




