無人機
現れたのは小型のMTA、いやこれMTAか? 小型過ぎて子供でも乗れるか?といったレベルの大きさだ。1メートルないのでは? いや小さく見えるだけか。
腕は武器そのものになっており、頭部はただのセンサー群にしか見えない。足は折りたたんだ逆足でホバー移動のためだけにある、といった感じだ。どう見ても無人機だが、数が多い。それに武器腕もやっかいそうだ。
「なんだこりゃ? めんどくさそうなやつらだなぁ」
ウォーモンガーが愚痴る。
「同感だな。ピクシー型も小さくで素早いから、当てにくくて面倒なのに、それを上回ってる。無人機だろうからまだましだが。あれが有人ならやばいよな」
そろそろ互いに攻撃範囲に入るか、という時にフェアリーから続報が届いた。
「ギガース2らしき機影と、大型MTA一機を見つけた。ギガース2はそのままそっちへ向かっているが、MTAは止まった。MTAはどうもパーソナルフォートレスな気がする。電子戦闘仕様かもしれない」
「無人機とともに来た電子戦闘仕様とか親機にしか思えないな。サントノーレ、排除できそうか?」
小学生一人に頼むことじゃないかも、と一瞬頭をよぎるが、ゲーム内ではあまりそういったことは考えないほうがいいだろう、と開き直る。
「こちら、小型無人機と一戦交える。判断は任せた」
さて、俺達も通信で打ち合わせしている暇はなくなった。マーキングされた機体たちがやってきた。
このゲームの無人機としてはかなりやっかいな動きをしてきている。戦術的に優位な位置を取ろうとしたり、複数で連携をしかけようとしてきていた。
ノーマルな無人機ではしてこないような動きだ。
たぶんギガース2も操ってくると思うし、場合によってはフェアリーへ救援を差し向けてもいいレベルだが、ちょっとその余裕がないな。こちらは大型機ばかりなのに誘導兵器を持っているのがウォーロードだけだし、そのウォーロードもかなりミサイル数を減らしてきているようだし。
「ギガースにはあまりミサイルが有効でなかったから下ろしてきたのが裏目にでちまった。めんどくせえが地道にやるしかねぇな」
ゴールキーパーで標準装備のミサイルは地対空だったと思うし、ジョニーMもミサイルの扱いは得意でなかったはずだから積んできていないだろう。
「対空機は失敗だったかもな。まあなんとかするしかないよな」
ゴールキーパーの手持ち武器は大型ビームキャノンで、小型機に対しては微妙に相性が悪い。
「小型機同伴だなんて思わないよねぇ。わたしもミスってるわ。どうせドローン程度だと思ってたから、ゴールキーパーとパーソナルフォートレスのガーディアンがいたらどうとでもなると思っていたからさ」
ジョニーMもおそらくVSギガース2のための大型無反動砲を持ってきていた。それをあの小型機に当てるのは至難の業だ。標準装備であるはずの腕のマシンキャノンでなんとかするしかないだろう。
ここは俺が踏ん張らないといけないな。これはガーディアンを攻撃のために使わないといけないだろう。ガーディアンの攻撃も一応対空用ではあるが、水平にも撃てるからな。それに追随性も高いし、こういう小型高速の敵に合うはず。その分威力は見た目ほどないが、ストッピングパワーは結構あったはず。
「ガーディアンを設置する。少しだけ線を下げてくれ」
了解、と三人から帰ってくる。
交戦状態に入ったが、敵は小型の割にはそれなりに高威力なビーム砲だった。しかしこちらは防御型と言える機体が多いので、そこまで被害はない。
相手がガーディアンの警戒範囲内に入ってきた。こちらの機体を判別していなかったのか、ガーディアンがいたことに驚いた感じで対応が後手になっていた。
そんな隙を見逃すはずもなく、皆で一気に四機を叩き潰した。当たれば一発に近いんだよな、当たりさえすれば。事前にガーディアンの重ビームガトリングに撹乱されているとはいえ。
それでもまだ四機以上いるな。そろそろギガース2が到達しそうでやばい。
苦戦を予想したが、すぐになんとかなった。急に動きが悪くなったのだ。フェアリーがやってくれたのだろうと思ったらすぐに通信が入った。
「遅くなった。なんとか敵パーソナルフォートレスを撃破した。こちらは弾切れが近い。一旦戻って補給を受けないと役立てない」
「そうか、助かったよ。おかげで雑魚はなんとかなった。ギガース2も弱体化していることを祈るよ」
ピクシー型の偵察機でパーソナルフォートレスを撃破できるのは純粋にすごいと思う。いくら高威力な設置型重ライフルを持っていたとしても。
電子戦闘仕様のパーソナルフォートレスに悟られることなく狙撃とか結構無理だしな。よほど相手が無能でもないと。そんな無能が単機で無人機を操るために前線に降りてくるとも思えないし、そんな甘い設定をする運営開発でもないはずだ。




