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護衛

「私は皆様を迎えに来た者です。すでにウォーモンガー様もお待ちいただいております。駐車場までついてきてくださいますか?」


ちょっと想像していなかった展開だ。どうする?と思って二人を見る。二人共困惑しているようだ。無理もない。ここは年長者として頑張らなければならないだろう。


「少し質問していいかな? その、サントノーレ自身が何故来ていないんだ? 俺たちはちょっとしたオフ会のつもりで来ただけなんだが」


「ご疑念はごもっともです。それは、サントノーレ様が我々の護衛対象だからです。迂闊なことはできません。皆様には失礼な物言いであることは承知しておりますが、身元の保証も無い者といきなり会わせるわけにはいかないのです」


え? なにそれ? どういうこと? こんなこと日本でありうるの?

ちょっとあまりにへんな事態に驚いてしまった。


「まあここでずっと立ち話も迷惑なことでしょう。駐車場まで行きながら話をしませんか?」


振り返って二人を見る。二人共困惑はしているが同意するようだ。


「分かりました。案内をお願いします」



駐車場まで案内ということはサントノーレに会わせるつもりがあるということだと思う、ウォーモンガーもそこにいるならなおさら。相手は今のところ女性一人だし、力ずくでどうのこうのもないだろう、と判断してついていくことにした。


実際に駐車場へ向かっている進路だ。そう思いつつ女性についていく。俺の後、少し離れた位置でフライハイト呉くんとネ・ムイ田中さんがついてきている。


「私、武田と申します。以後よろしくです。さてあなたが、ヒジリ様でよろしかったですか? お名前は……、こおりやま、のひじり様、と。はい。32歳の会社員、よろしければお勤め先をお聞きしても? あ、名刺頂きます。ありがとうございます」


対応は丁寧だ。けどこの武田さん、アクセサリに見せかけたインカムとかカメラとかつけているな。まるで特殊工作員みたいな感じだ。けどそんなことに気づいた風は見せないよう振る舞う。


「ありがとうございました、郡山様。他の二人と、そうですね、ネ・ムイ様ともお話させてほしいのですか、声をかけていただけませんか?」


後ろを見てうなずいてから答える。

「はい、わかりました」


「田中さん、先方が少しお話したいようだ。大丈夫だから来てくれるかい?」


道中だけど武田さんは立ち止まって俺たちが入れ替わるのを待ってくれた。すこし心配げな顔をした田中さんが武田さんと合流し、俺は呉くんと一緒に歩くことになった。


「何を話しました? なんで僕たちは刑事ドラマみたいなことになってるんです?」


「まだ俺にも分かんないな。本名と所属を聞かれた。別にやましいところはないから正直に答えたさ」


「そうですか。僕はただの大学生なんだけどなぁ」


「正直に話すといいさ。別に悪いことしてたわけじゃないんだし」


「それもそうですね」


「まーなにもないとは思うが。正常性バイアスだと嫌だしな」


「ですね。せいぜい嫌味にならない程度には気をつけますよ」


俺は前を歩く女性二人に異常は起こっていないか注意しながら歩いていく。

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