新幹線内での回想1
「進行速度が早い上に、主砲が前とは比べ物にならないほど正確だ。こちらの電子的隠匿が通用していない!」
「下がるわ。何発か当てたけど、バリア自体はそれほど強化されてないっぽい。けどアーマーが相当強化されてるみたいだった」
先に進んだサントノーレとネ・ムイが戻ってきた。
「私達フェアリー型ではあの主砲でも狙われたらおそらく至近弾にも耐えられない。狙いは正確になってるのに。後方からの支援をする」
「よし、では僕がサントノーレの近衛をしよう。一発ぐらいなら耐えられるはずだ。ネ・ムイはヒジリと組んでくれ。ウォーモンガーは引き続きジャミングをお願いしたい」
自然とフライハイトがリーダーになっている。誰も異議を唱えるものはいなかった。妥当だから。
地形の影からギガース改が見えた。主砲の見た目が変わっているが、あれ艦船用の主砲御用達の砲塔じゃないか? 確か76mm速射砲とかじゃなかったっけ? 戦車砲とは違うから威力発射速度自体が段違いだ。ただMTAみたいな小さな標的を目標にしないからそれほど命中精度は高くないとは思うが、砲そのものに照準装置でもついているだろうし、アップデートはされているから命中率は上がっているだろう。
自称戦車だったけど、あれじゃもう完全に陸上戦艦だな。ギガースと同じで前に二門、後方に一門あるし。無限軌道でなくホバーになってるし。それに見た目は似てるけど若干大きくなってる気すらする。
後ろに下がったサントノーレとネ・ムイが早速ギガース改に命中打を与えている。ギガース改のバリアはまだ健在だろうが、だいぶと弱まったはず。
さっそくウォーモンガーがミサイルをばら撒いている。が、一部撃ち落とされているな。ミサイル防衛機構までついてしまったようだ。さすが改良型。
しかし、となるとミサイルではあまりバリアは削らないほうがいいな。ミサイルは特殊なものでないなら対アーマーの方が適正があるしな。
「ウォーモンガー、けっこう撃ち落とされているな。しばらくこらえてくれないか」
「ああ、そのようだ。バリアぶち抜くのは皆に任せた。バリア剥がれたら全力で行く。それまでジャマーしとくわ」
ウォーモンガーの機体ウォーロードは物理特化だったはずだ。
ミサオンでもないし、手持ち武器はアサルトライフルだ。
実際アサルトライフルではギガース改のアーマーは抜けないだろうが、バリアを削る役目は出来る。効率を考えればレーザーかビームだが、物理特化だからジェネーレータの出力はそれほどでもなくそれらはバリアや機動、ジャミングに回しているのだろう。
「ドローンが出てきたぞ。重ドローンだ。今後は空も気をつけてくれ」
サントノーレから忠告だ。だが俺の機体は重ドローンアンチといっていい機体だ。
「ガーディアンを設置する。対空に不安があるならこっちに来てくれ」
そういってネ・ムイの近くにガーディアンを設置した。というかネ・ムイの位置取りが明らかにそれを期待したものだったから。
「ドローンにジャミング効かねぇ。こいつも本体と同じ自立型で、たぶんジェネレータ搭載してる。俺のアサルトライフル程度じゃ落としにくいようだ」
「わかった。ドローンはこっちにいくらか回してくれ」
サントノーレの機体であるフェアリーはピクシー型の完成形と言われている機体で、一撃ごとに場所を移動するから、フライハイトの近衛だけでなんとかなる。
ネ・ムイは定点射撃タイプだからこの状況じゃ護衛は必須だ。ネ・ムイの機体フォックスハウンドもピクシー型だが、度重なる改定でかなり重くなっている機体だ。それに合わせて定点射撃の装備にしているから、すぐに移動するということが難しい。その分威力射程ともにかなり稼いでくれているんだがな。
ネ・ムイの射線を遮らない、ぎりぎりの位置に俺は陣取り、さらにスクリーンシールドをネ・ムイの前方、ギガース改が射線を通してきそうな位置にはっておく。
警戒した途端、ギガース改からの砲撃を受けた。ネ・ムイへの至近弾だったが直撃はなし。スクリーンシールドで防げる場所だったのでネ・ムイへの影響はなし。
至近弾だったから完全にばれてはいないが、見当はつけられているようだ。AI賢い。俺自身を囮にするべく、少しだけ離れてレーザーを溜め始める。こいつも連射するより溜めて当てて行ったほうがいいはずだ。
ミサイルやらドローンやらがこちらに飛んでくるが、半分以上はサントノーレ、フライハイト、ウォーモンガーが引き付けてくれているから対処は間に合っている。やっぱりガーディアンの対空能力は高い。主砲に関しては現状対処の方法がない。回避行動の上、お祈りだ。
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