物味遊山
「迷惑かけた。戻ってきた」
ウォーモンガーが帰ってきた。もう五分以上経ったのか。
皆がおかえりと言っているところ、いない間の概略をフライハイトが説明していた。フライハイトにはリーダーの資質がありまくりだな。俺は仕切りたくないし、他の皆もそうみたいだからこの会合も、このグループも仕切るのはフライハイトにしてもらうのがいいようだ。
「他人のマイルームで落ちると、マイルーム選択になるんだな。びっくりしたぜ、幸い直前までいた場所の選択があったから無事戻ってきてこれたが。今後がありそうなら、今のうちに登録しておいたほうが良いと思うぜ」
「そうだな。僕のマイルームを登録してくれ。眼の前のテーブルに手のひらを置けばその選択が出てくるはずだ。自由に出入りしてくれて結構だ。いちいちメッセチェクして来るのも面倒臭いだろう。それにここにはマイショップも置いているからな、良ければ見て、買ってくれ」
フライハイトがそういってマイショップの宣伝をしながらマイルームの開放をしてくれた。
「今は閉じているが、普段は開いているから知らないやつがいる可能性もある。それは気をつけてくれ。ただの客だしな」
あーそういうシステムなのね。俺はフレ0のソロ派だったから興味なくてやったことなかった。
「で、だ。私はオーガシリーズとかのタイタン火力系を主に使っている。あと私は京都の中枢近くに住んでいるから大阪に出向くのは容易だ」
「京都の中枢ってなんなんだよ?」
「京都って意外と斜めに縦長でな。結構アクセスレベルが違うんよ。お、私は京都で一番アクセスの良いところら辺に住んでるから、けっこうどこでもいける、ってこと。北に住んでいたら中枢に行くにも一苦労だからな。東京だって横に長いし、奥多摩とまではいかんでも東京の中枢には遠いところもあるだろ、そのつもりで言った」
「地元有利だな。まあいいや。大阪に集まるということは同意が取れたようだ。次はいつ?だが、いつにするかねぇ?」
現地組が京都のウォーモンガー、大阪のサントノーレで、東京組が俺とネ・ムイか、そんで亜種として横浜にフライハイトか。
時間を合わせるなら同じ便の新幹線に乗るのが正しいな。
「ネ・ムイさん、俺と一緒に行動します? するなら予約で新幹線のチケット取るけど」
ネ・ムイがフライハイトが調整のため離席した隙に俺の隣であったフライハイトの席に変わってしまった。そしてお互いにしか聞こえない【ささやき】で話しかけてきた。
「ねぇ、このままならどうせリアルで合うことになるし、【中の人】はどんななの?」
「お互い様になってしまうし、一緒に行動するつもりなら事前に知っておいていいよな。俺は三十過ぎの会社員さ。その日も会社員スタイルになると思う」
【ささやき】返す。
「そうなのね、わたしはは見た目今こんなだけど、さすがにこんなに若くなくて、二十四才の女でちょっと特殊な環境にいるから結構時間は融通聞くのよね」
うお、【中の人】女性だったのか。少女のアバター使うなんて野郎とばかり思い込んでた。イベントだと俺もそうなってしまうしな。しまったな、しかも若いぞ。変なふうに捉えられてなければいいんだが。
「俺も期間限定で時間に融通聞くから、今の話に乗ってるって感じだ。それでせっかく大阪に行くんだから観光も兼ねようかと目算してるところだ」
「観光、いいね。大阪の名所とか知らないけど京都に住んでるってのもいたし、案内頼んでもいいかもね。時間があるなら、になっちゃうけどさ」
「おっさんと少女が何内緒話してるんだ。企むのは良いが今は大筋を決めようじゃないか」
フライハイトにたしなめられた。確かに骨格も決まってないところで肉付けを考えても仕方がない。




