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マイルーム

「もう一つは、プレイヤーIDの公開だ。幾名かがこのコラボミッションを受けておるが、クリアした者同士の交流を可能とするため、第一ミッションをクリアしたもののプレイヤーIDを相互に閲覧できるようにしたい。こちらもIDに関することなので強要は出来ない、がもちろん監視するのでトラブルになることはないと思う。IDを知られるということは接触、交流を申し込まれるかもしれないということだ。こちらとしてはそれを推奨したいのだが、個人情報じゃからな。同意がいる」


あー、うん。いろいろあって俺はソロ派だからなぁ。まったく知らない人とゲーム内でも交流するのには抵抗がある。デスマーチがいつ発生するか分からないから、持続的に付き合うのも厳しいし、説明しづらいし、それで納得して付き合ってくれる人がいるとも思えないし。けどコラボとしてのものならいけるか? しばらくはゆっくりしてくれと言われているし。


「どうされましたか? 装甲勇者(アーマーヒーロー)様?」


「ああ、すまない。たぶんわたしはこのまま消えると思う。次はあると思うから、また会えると良いな」


「そうなのですか。いろいろと相談したいこともありましたが、次に機会があるなら残念ではありますが。ありがとうございました」


王女様だってのに俺に頭を下げてくれた。NPCでもちゃんと感謝してくれるキャラは癒やされるよなぁ。この辺ここの運営開発はうまいとよく聞く。



「聖王長、さっきの話一応同意しとくぜ。その代わり今度さっきの王女様、エマと会わせてくれ。不幸な目にあわせんなよ」


「ありがたい。エマとの交流は、約束はできんが考慮しよう。悪いようにはしないことは約束するぞ」



その聖王長の言葉を聞きながら暗転していく。たぶんエマからは俺と機体がフェードアウトして消えていくのが見えただろう。


最初の、ゲームの世界には入っているが、MTAにはまだ乗っていないという状態に戻った。感覚的には限定空間に閉じ込められた幽霊、という感じだ。不安定で気持ち悪く感じるが、今のシステムだとこの段階をなくすことができないらしい。


まあいいや。時間はまだまだ残っている。続きはあるかな?


……ミッションをいろいろと眺めてみたが、コラボイベントらしいものはなかった。時限式なのかな? あ、そうだ。


俺は珍しくマイルームに入ってみることにした。ここは【ミッションブレイク2】が運営開始されることになったときの目玉として実装された場所で、それまでの【ミッションブレイク】にはアバターの概念がなかった。

アバターは2になった時に実装されたものだったので確認しようと思わなければアバターの確認が出来ない仕様なんだよな。俺も基本はここ使わないしな。


ん、実体化した。現実の俺と同じ背格好だが顔と体つきはだいぶと理想が入っている、渋めのおっさんアバターになった。俺がデフォルトにしているはずの姿だ。


「あーあー、うん」


声も設定通り。自分で細かく調整して自分の声そっくりに、ちょっと加齢した感じにデザインした声だ。これらが破棄されたわけじゃなくてよかった。ということは、おそらくイベントタブに設定されたんだろうな、あの子は。


マイルームにデフォルトで設置された立ったまま入ることが出来るカプセルの中に入って目をつぶる。すると頭の中に画面が浮かび上がり、今のおっさん俺が表示されているタブ以外にもうひとつタブがあることを確認できたので、それを選択した。


やっぱりか。


課金すればここで買った数だけタブが増えて、その時の気分次第でタブを切り替えることでアバターを変える機能があるのだが、イベント時にはイベント用として無料でタブが一箇所開放されることがある。これを選択することで、毎回例えばサンタコスとかに着替える必要もなく、すでに着ているアバターを呼び出すことが出来るわけだ。普段はイベントタブでアバター自体を切り替えるのは運営指定のものだけだったはずだが、ここにさっきの少女アバターが格納されていた。


でかでかとイベント限定、と主張していてこのタブの内容に触れることはできないようだ。けど詳細は見ることが出来る。先程王女から受け取ったイヤリングもちゃんと装備してたし、ちゃんと反映されているようだ。

身体に関することは髪型以外いじれないようだ。いくつか変更してみたが改めて変える必要はないなと思ったので、そのままにした。化粧とかもいじれたようだが、しっくりくるものはない。


「メッセージが一件、届いております」


サポートAIがそんなことを伝えてくる。普段は滅多にない。交流してないからな。


「再生してくれ」

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