表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マイルーム  作者: 雨世界
6/13

 あゆみは十五歳になる中学三年生だった。

 通っている中学校は二子山東中学校で、それもいろはの思っていた通りのことだった。

「あゆみさん。あゆみさんはこんなところでなにしているの?」といろは言った。

「……わかりません」とあゆみは言った。(それはきっと、あゆみの本心なんだろうといろはは思った)

「大家先生はなにをしているですか?」とあゆみは言った。

「私? 私はえっと」といろはは言った。

 ……実は家族と喧嘩をして家出をしています、とは言いずらかったし、それに家出はきっかけであり、いろはが今、こうして旅をしている理由はなんだろう? とあらためて考えてみると、その答えに困ってしまった。(もしかしたら、答えなんて初めてからなかったのかもしれないけれど……)

 さて、困ったぞ。

 私はここでいったいなにをしているんだろう? いろはは、うーんと難しい顔をして、ベンチの椅子の上で、そのことについて悩み混んでしまった。(こうしてなにかについて、深く悩んでしまうことはいろはの子供のころからの悪い癖だった)

 そうやっていろはが悩んでいると、隣でくすくすと笑う声が聞こえた。

 いろはがその声を聞いて顔を上げると、いろはの隣であゆみがとてもおかしそうな顔をして、口元を綺麗な白い手で押さえながら、小さな声を出して笑っていた。

「ごめんなさい、でも」

 といろはを見て、あゆみは言った。

 そんなとても楽しそうなあゆみを見て、いろはもなんだかすごくおかしくなって、あゆみと同じように(声を出して)いろはは笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ