違和感のある人物
掲載日:2022/05/28
温泉の脱衣所で服を脱ごうとしたとき、私は何かに違和感を感じた。
おかしい。
確かに何かがおかしい。
けれど、それをはっきり形にする事ができない。
首をひねって、考えてみるが、特に変な事は見つからない。
脱衣所にはほかに一人の女性客がいるだけだ。
景色にもおかしい所はない。
きちんと清掃されていて、清潔な室内だった。
私は気のせいだったか、と思いながら服を脱ごうとした。
しかし、その瞬間なぜか嫌な予感を感じた。
なぜか強く、服を脱いではいけない、とそう思ったのだ。
慌てて周囲をきょろきょろ、視線を向けてみるが、もう一人の女性はこちらを見ていなかった。
ただ歩いて、室内に落ちていたゴミを拾ってゴミ箱に捨てただけだ。
なんだろう?
もやもやとした気持ちを抱えていた私は、あちこち視線を向けているうちに気が付いた
脱衣所にいるもう一人の女性客。
その女性が、ゴミ箱に足をぶつけた時の声の違和感に。
私はあわてて脱衣所を出て、お店の人に伝えた。
「男の人が女装して入ってきてるかもしれません」




