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妄想彼氏  作者: 滝ノ瀬 紗津
2/5

騙されてませんか?

ゆりこさんに35歳の彼氏ができた。

人には好みってものがある。

だがら、ひょっとしたら、もしかしたら、あるかもしれないそんな事。

どこぞの野球選手が友達のかあちゃんと結婚したじゃないか!


そう思って信じた私たち二人だったけど、ちょっと待ったな出来事が起きた。

仕事中、ゆりこさんが何やらスマホをずっとみているのだ。



あやしい。



どうも、彼ぴっぴとメッセージのやり取りをしているらしい。

なんでそんな時間があるの?

仕事中やぞ?


あやしい。



「相手、IT企業に勤めてるんですよね?

 仕事中にそんな時間ありますか?」




っつうか、そもそもゆりこさん、仕事してくださいよ。という気持ちも込めつつゆりこさんにそう言うと、




「あ、ごめんねぇ。独り身の沙耶さんには酷だったかぁてへぺろ。」




とかえってきた。


うん?

うん?

うmm?

は?

今、なんつった?

今、なんつったぁ?

いろいろツッコミどころはあるけれども。

お前、自分が仕事してねぇ事棚に上げやがった上、心配したこっちの気持ちも無視して嫉妬したから言った風に取りやがったな?

おまけに“てへぺろ”?

は?

リアルで‟てへぺろ”してる人、初めて見たんだが?だが?

お前、年を考えろよ!年を!てへぺろっつう年か?


とは思ったが、年上の先輩に面と向かって言えるわけなく、笑顔を浮かべ仕事に戻った私。

戻った私を待っていたのはめんどくさい仕事。



あれ?この仕事、ゆりこさんのじゃなかったでしたっけ?




「あぁ。ゆりこさんには難しいからミスする前にあなたがやっておいてくれる?」




という上司の無慈悲な声。

え?えぇ?

確かに、これ、ゆりこさんには難しいとは思いますけど、私よりあの方勤続年数長いですよね?

おまけに今しがたサボってましたよね?

できる範囲までやってわからなかったら聞けばできますよね?




「指導する時間がもったいない。こっちも忙しいのよ。」




「あ、はい。わかりました。」




「ごめんね。我慢して。一人辞めて人数少ないから、協力して頑張りましょう。」




「はい。」




くっそう!

ゆりこさんが彼ぴっぴに浮かれてる間、まじめに仕事してたのに!仕事してたのにぃ!!!

惚気プラス見下しプラスてへぺろプラス尻ぬぐい!

くぅうううう!

誰か!

この心のもやもやを吹き飛ばしてぇえええ!

心で泣きながら翌日の週に一回の待ちに待った‟お昼までday”に茉由さんとランチで思いっきり愚痴りあう約束をして、なんとか就業まで必死に仕事をした。

帰宅してからもモヤモヤは晴れてくれない。


こんな日にはそう、推しだ。

推し活しよう。

録画しておいた国民的アイドルの番組を再生して、飼っているにゃんこをもふもふしつつビールを飲む。


そうだ、私には推しと猫がいた!


そうやってなんとかメンタルの回復に努めていた私を突き落としたのは我が妹。



「いい加減、アイドルヲタクとかキモイんだけど。」



白けた目でドアの隙間越しに呟いてアイスクリーム片手に自室へ去っていく。

なんでお前が追い打ちかけるんだよ!!!


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