表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/47

 俺は、なにごともほどよく、平凡なる人生を送ってきていた……はずだった。


 遠くでマイク越しのざらざらとしたアナウンスが聞こえる。

 視界の奥では、波のように人の往来が繰り返され、ひとつとして同じ表情はない。

 生まれてはじめて感じるザクザクと突き刺さる、抜けることのない痛み。それは遠慮なく刺さる視線だ。行き交う人々の視線がじわじわと精神メンタルを削っていく。

 瞬きを忘れた瞳は、その原因をとらえている。


「良ちゃん、久しぶりだねぇ」


 自分の視界、数十センチ下から出される、少し舌足らずさを感じるとろみの混じった甘い声。

 数年振りに再会した幼馴染みであり、ご近所だったお姉さんがーーー



 記憶と寸分変わらぬ少女すがたのまま、目の前にいるのだから。



 何も知らない人から見れば、家族とは言いがたい”青年おとな少女こども”のいびつな組み合わせ。それは違和感でしかないことは確かで……俺は、ちゅうを仰いで1ヶ月前の出来事を思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ