第五話
面白かったら、ブクマ、感想、評価等よろしくお願いします。
――オークじゃねえじゃん。
これが最初に抱いた感想だった。いや、だってどう見てもオークより体大きいし、筋肉質なんだよ? あのおっさんは俺を殺したいのか!
いやまあ、今までオークなんて見たこと無かったんだろうけど。
俺が相対しているのはオークではなくハイオークだった。
ちなみにハイオークはオークの上位種である。
「ブモォォォォ!」
「ファストブリーズ!」
こちらに気づいて突進してくるハイオーク。それを俺は風魔法で一定時間瞬発力が上がるバフをかけて、ハイオークの方へと走る。
そしてすれ違い際に、村を出る時に貰った剣で斬りつける。
「はぁっ!」
「ブモッ!」
突進の勢いとこちらのスピードの分ダメージが大きくなるよう斬ったので、ダメージはでかいみたいだ。
剣の方にもダメージが大きいっぽいけど今は気にしない。
そしてハイオークの弱点に魔法を撃ち込む。
「ウィンドカッター!」
「ブヒィィ!」
弱点、つまり胸の辺りにある魔石に魔法があたると、ハイオークは動かなくなった。
少し、いや大分呆気なかったが、俺が魔石のある位置を正確に把握していて、魔法を当てられたのがでかかったんだと思う。
ゲームでは攻撃する部位を選んで攻撃していたからモンスターの魔石の位置は全て把握している。
それに、普通のオークを倒している時に魔石の位置と弱点が同じこともわかった。
そういえば俺がリーン村で狩ってたオークの魔石は家族にあげた。いろいろ使用用途はあるけどオークぐらいの大きさの魔石は使う予定がないからね。
ともあれ、ハイオークを倒した。こいつはザ・中盤のザコ敵って感じのモンスターだから獲得SPは300とまあまあ多い。
これでスコット村にも直ぐにとはいかなくとも活気が戻るだろう。
こいつの肉は食材アイテムだった気がするので解体をする。
――解体をしていたら吐き気がしてきた。ゲームではモンスターはポリゴンになって、アイテムはドロップするだけだったけど、現代人にはやっぱり刺激が強い。
肉を全部持って帰りたかったし、いずれ取ろうと思っていたので収納という超有能なスキルを取った。獲得したSPを全部使ってしまったけどしょうがない……と思う。
収納はアイテムなどを異空間に入れておけるスキルだ。その中では時間は進行しない。最初は入れられる量が多くないが、強化することで相当な量入るようになる。
村に戻って俺に依頼をした人に討伐したと言うとめちゃくちゃ喜ばれた。
ハイオークだったとは言わなかった。言ったら絶対謝られるだろうけど、謝らせたい訳でもないしね。
おっさんの奥さんにハイオークの肉を渡してシチューを調理してもらった。疲れが吹き飛ぶうまさだった。
そして夕飯をご馳走になった後、一晩寝かせてもらってから俺は街へと向かった。
【Tips】
ヴァーレン・オンラインはコマンドゲームには珍しく、空腹度や武器の耐久度などがあった。