第三話
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「本当に行っちゃうの? お兄ちゃん?」
妹のレーナが心配そうな目で見上げてくる。
「うん。けど絶対に帰ってくるから安心して待ってて」
俺はそう言ってレーナの頭を撫でると、照れながら笑った。
そう、今日俺は今まで育ってきたリーン村を旅立つ。
なぜならここの周辺にいるオークじゃ獲得出来るSPが少なすぎるからだ。一匹あたり10SP。できるだけ早く強くなりたい俺にとってこのSPの量は少なすぎる。
「リアルド。止めはしないが、絶対に生きて帰ってこいよ。なんたってお前は俺たちの大事な家族なんだから」
「そうよ。それに私も父さんも冒険者だったから分かるけど、冒険者はとても危険な仕事だから気をつけてね」
「分かってるよ。父さん、母さん」
前世では家族にあまり愛されなかった俺だけど、この世界の家族には本当に良くしてもらった。正直今にも涙が出そうだ。
「それじゃ、行ってくる」
「「「行ってらっしゃい」」」
こうして俺はリーン村を旅立った。次の目的地はここよりも街に近いスコット村だ。
【Tips】
慎也は親のスパルタ教育の賜物で最初は優等生だったが、大学受験に失敗し、親に縁を切られた過去がある。