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2.ステータス

 ステータス画面を見るために、俺は女神に言われたとおりにカーナビを操作することにする。


 ちなみに愛車のカーナビは埋め込み型ではなく設置型である。


「どこを押せばステータス画面を開けるんですかね?」

「色々触って自分で探してみてください。教えられて従うだけでは、なかなか身につきませんよ!」

「・・・。」


 最初はテンションが高いだけの女神だと思っていたが、あおるような口調で言われイラっとしてしまう。

 そもそも誰のせいでこんな風になったんだと文句の一つでも言ってやりたくなるが、言っていることはあながち間違ってもいないので我慢することにしよう。


「冬樹さん?覚えていますか?私は冬樹さんの思考が読めるんですよ?何ですかテンションが高いだけって!」


 よく見ると少しアホっぽい顔をしている女神が何か言っている。


「それも読めてるんですってば!女神に対してなんてことを!」

「ごめんなさい、今のはわざとです。」

「もう・・・!」


 冗談はここらにして、ステータス画面を開くために試行錯誤する。


「そもそも私も暇ではないので、冬樹さんに直接教えることができる時間はそう長くはありません。冬樹さんの補助としてAI機能を付けはしましたが。」

「AI機能?」

「そこら辺の話も後ですることにしましょう。」


 そんなことを話しながら色々なところを押していると、メニュー画面のいくつかの見慣れぬ文字列の中に『ステータス』という文字を発見したので開いて確認してみる。


【アイテム名】愛車キャンピングカー

【レアリティ】unknown

【レベル】1

【体力】1000000/1000000

【魔力】1000/1000

【攻撃力】1000

【防御力】1000000

【器用さ】-

【知力】1000

【素早さ】-

【スキル】

戦闘支援LV.1(半径10メートル以内で戦闘する際、味方の全ステータスが50%アップする。なお、効果は常に発動される。)

範囲回復LV.1(半径10メートル以内にいる味方の体力と魔力を少しずつ回復する。なお、効果は常に発動される。)

範囲索敵LV.1(半径5キロメートル以内の敵をマップ上に表示する。)

【機能】

AI(様々な事柄の補助を行う。車本体のレベルアップとともに成長することがある。)

マップ(周辺の地図が表示される。)

アイテムボックス(棚などの収納スペースが広くなる。車本体の成長とともに拡張される。)

保存(車の状態は常に維持され、ダメージを負うと少しずつ回復する。清水タンクの水も時間経過とともに回復し、汚水も処理される。)

【残りスキルポイント】10


【名前】大内冬樹おおうちふゆき

【種族】人

【レベル】1

【体力】54/54

【魔力】1/1

【攻撃力】8

【防御力】12

【器用さ】20

【知力】(魔法の適正)1

【素早さ】10

【スキル】なし

【残りスキルポイント】5


 ステータス画面を開いてみると、愛車と俺のステータスが表示された。


(おおぅ、色々突っ込みたいところがあるなぁ・・・)


 愛車であるキャンピングカーは、この世界での標準を知らない俺でもとてつもなく強いのが分かる。

 体力と防御力は目を疑うような数値だし、スキルは3つともこれから必ず役に立ちそうだと思えるものだ。

 機能に関しても、どれも便利そうである。特に水回りに関してはありがたいな。


 それに対して俺のステータスはというと・・・

 他人のステータスがどれくらいなのか分からないのだが、強くはないことだけは分かる。

 愛車と比較してみると寂しくなるような数値だ。


 しかし異世界系の小説やアニメをたしなんでいた俺からすると、すでに女神から魔法の適正は低いと聞いていたとはいえ、魔力と知力の1という数字を見てしまうと残念で仕方ない。


「俺のステータスは、この世界の人たちと比べてどうなんでしょうか?」

「う~ん。一般的という言葉が正しいでしょうね。冬樹さんはまだレベル1ですし、魔法が存在する世界とはいえ全員が魔法を得意にしているわけではないですからね。」


 女神の言葉に多少安心することができた。特別弱いのでないならば異世界で生きて行くこともできるだろう。


「なるほど。ではキャンピングカーはどうなんでしょう?」

「キャンピングカーに関しては、明らかにアースランドではオーバーテクノロジーなので強い存在であることは間違いないのですが、ステータス的にもレベル1の現時点でも最強装備と言えるでしょうね。」

「装備・・・。」


 小説などの中では主人公がいつも使う武器を相棒と言っていたりもしたし、地球で相棒ともいえる存在だった俺の愛車はアースランドでは装備という認識にしてしまってもいいのだろうか。


「というのも、そもそも魔力のない、その上生きている人間を強化するのは女神の力でも非常に困難で、かなり限定的なものになってしまうんです。その点、冬樹さんは車との転移でしたから、冬樹さん自身ではないとはいえ大幅に強化ができたのは幸運でした。」

「そうなんですね。ということは今までもこんなことがあったんですか?」

「はい。状況は異なりますが数回こういうことがありましたよ。最近では100年ほど前でしたかね。今までは着のみ着のままの方ばかりでしたので、最大限の強化は行いましたが、やはり限定的なものでしたので目立った活躍をした方は居ませんでしたね。」


 幸運というか不幸中の幸いといった感じではあるが、愛車とともにアースランドに来ることができてよかったな。


 自分がそうありたかった訳ではないが、勝手なイメージで異世界転移において、神に準ずる存在は、万能な能力や最終的には最強に至れるように強化することができるのだと思っていたが、どうやら違うらしい。


 こういうことがあるなら今持っている固定観念は捨てた方がいいのかもしれないな。



「ステータスも確認できたところで、先ほど言っていたAIを紹介しますね!」


 ステータス画面から切り替わり、画面に再び女神が登場したかと思うと、女神の隣に黒髪のメイド服姿をした美少女が現れた。


『初めまして、マスター。』

「この子がキャンピングカーに搭載したAI。名前はまだないから、冬樹さんに付けてもらいましょう。」


 AIから聞こえてきたのは、容姿通りの透き通った声だった。

 俺のことはマスター呼びなのか。


 それにしても名前・・・。いきなり言われても思いつくわけがない。


「アイという名前はどうでしょうか?」

「また単純ですね。ローマ字読みしただけじゃないですか!」

『いえ。うれしいです。アイ・・・。マスター、ありがとうございます。』


 結局俺は女神の言う通り至極単純な名前を付けてしまった。

 変に凝った名前よりは、なじみやすくていいのかもしれないと、納得することにしよう。


「少し話して冬樹さんも分かるでしょうが、アイちゃんは冬樹さんが地球に居た頃のAIより格段に成長した存在です。もちろん車の管理など機能的なことも行ってくれますが、この世界に関する知識も持っていますので、それに限らず戦闘や生活面でも必ず助けとなり得るでしょう。」


 少しの間、女神からアイに関する説明を受ける。


『これからよろしくお願いしますね、マスター。それと敬語は止めてくださいね。』

「あ、あぁ。こちらこそよろしくお願いする。」


「では、アイちゃんと一緒に他のことについても簡単に説明していきましょうか!」



 ---



「おい、フローラ。いつまでそこに居るのだ。今日の仕事はまだまだ終わっておらぬぞ。」


 愛車のスキルや機能、ポイントの使い方などの説明を受けていると、カーナビから突然男の声が聞こえてくる。

 びっくりした・・・。


「いけない!もうそんな時間ですか。冬樹さん、そろそろ時間のようです。頻繁に、ということは難しいですが、心配ですから、これからも定期的に連絡を取りたいと思います。あとはアイちゃんにお任せしますね!」

『了解しました、フローラ様。』

「では、さらば!」


 女神は、俺の返事を聞くことなく嵐のように立ち去って行った。

 知らない土地にAIと二人。心細いことは間違いないので、また連絡をくれるのは素直にうれしい。

 多少テンションの上げ下げが激しいところはあるが、頼れる存在である。


『マスター、いかがしましょうか。』

「とりあえず、この車を確認してみようか。」


 ステータス画面を見ただけで、中も外も確認できていない。

 これからも相棒となる愛車をしっかり見ておかなければ。



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