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努力嫌いな俺のラブコメ  作者: 魂夢
第二章 ゆっくりと彼と彼女らの関係は移りゆく
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第21話 彼女は自分を役立たずだと考える

こんにちは魂夢です。今回は急遽作ったほとんど番外編に近いので、文字数少なめです。


 恋綺檄さんが話題を途切らせないよう、必死に話題を変えたり私たちに質問をしたりしている。


 私は今まで通りを装って、質問をし返したり、松葉君にも話をしてもらったりして、恋綺檄さんをフォローしている。


 もしも話題が途切れて、会話が消えれば嫌でも私たちのぎこちなさが突き付けられてしまうから。だから、恋綺檄さんは今必死に頑張っているのだ。


 …………ならば、私に何が出来たのだろうか、と自分で自分に問いかける。田中君を助けたいのは自分なのだ、なら行動するべきなのは私のはずなのに、それなのに……私は何もできず、否、何もせず、松葉君が田中君を助けた。自らを犠牲にして。


 残念ながら、私は大倉君が松葉君を殴っているところを見てしまった。見てしまったから……知らんぷりできる気がしない。


 震える息を押し殺すように吐き出す。そして少しだけ歯を食いしばった。誰にも悟られないようにと思いながら。


 恋綺檄さんが会話を続けてくれれば、私たちを取り巻く空気感はじきに薄れていくと思う。けれど、いくら空気感は薄れようと、私が何もできない役立たずなことには変わりない。


 今の今まで何とも思っていなかったはずなのに、松葉君が殴られているのを見て、胸が締め付けられるようだった。


 心が、ひどく痛んだ。


 松葉君は心配するのが鬱陶しいと言った、ならば勝手に同情して心配するのは彼の迷惑になるし、きっとそれは彼に同情しているという自分に酔っているだけな気がする。

 でも、彼を助けなくちゃいけないのは私だ。私が責任を持って彼を救い出さなければならないと、そう思う。


 こうなったのは全部、私のせいだから。私の問題なのにそれをこの部活に持ち込んだしまった。


 そんな私が、なりよりも悪い。



 そして数日が経過し、七月に入った。表面上私たちは今まで通り部活に行き、話をしたりゲームをしたりして生活している。


 ゆっくりと、氷が溶けるように空気感は薄れていっている。けれど、私たちの胸の内に残った蟠りはなくなってはくれない。


 たぶん、それは私たちの関係が自然消滅するか、もしくは宙に浮いたまま放置されていることをキチンと終わらせれば、きっと無くなってくれるだろう。


 ならば、私がやるべきことは今の境遇から彼を救い出し、今の問題に区切りをつけることだ。

 私に何が出来るかと訊かれれば、私はわからないと答えるだろう。それでも、やるしか無いのだ。


 そのためなら、どんな努力だって(いと)わない。

会話文? なーにそれ(^O^)

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