表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/62

ミモザ part23


2日後。


結さんにルイ達の結婚式の装飾のお願いをした。快くオッケーをいただいた。後日、ルイたちとどんなイメージの式にするのか相談をするらしい。ルイもひかるも結さんとは面識がないので、その相談には母さんが入ってくれるということだった。お金のことを聞くと、「お母さんの絵が欲しい。」ということだったので、それも母さんに相談すると早速、ペンを持って創作に取り掛かっていた。完成は3ヶ月後らしい。


次の出勤日には、すでに場所と誰を呼ぶのかが決まっていた。毎日勤務時間外で恵さんが相談に乗ってくれていたらしい。ほんとに今回の件に関しては、恵さんに頭が上がらない。個人的にお礼をしようとしたが断られてしまった。

結婚式にはひかる、ルイのお世話になった人から、孤児院の先生、日向さん、結さんといった、自分の関係者の方にもきてもらえることになった。ひかる曰く、日向さんを呼んでおけば、子供ができたときに楽だかららしい。


ルイの学業のほうも問題なく、最終的には学年一位の成績で高校を卒業できるらしい。大学にも推薦で合格して、何も心配事がない状態で準備が進んでいった。


父さんが手がけるひかるのためだけのウェディングドレスは、ひかると父さん、真心が中心になってギリギリまでかかるらしい。ひかるがダイエットしようかなと呟くと2人が全力で止めたという。採寸からやり直さなきゃいけなくなるから。体型のキープが痩せるよりも辛かったと、後日、ひかるが言っていた。ひかるに合わせてルイの衣装も1から父さんと自分で作る。2人のバランスのことも考えてルイの衣装は少し、抑え目にした。当日までお互いの姿は見ないという約束をしていたらしく、ルイもひかるもお互いの姿を楽しみにしていた。


結婚式といえばお色直しもあるということで、会社のデザイナー総動員で他の衣装も作った。モデルの仕事をお願いしているみんなも面白がって色々と意見してくれたのでこっちは意外とスムーズに進んだらしい。そんなこんなで、結婚式にデザイナーが拘束されていたため数ヶ月ウチからは新作の服が出なかった。


結さんとひかるの相談も順調進んでいるらしく、楽しみにしておいと無駄にハードルを自ら上げていた。知らない間に連絡先の交換も済ませていて、結さんとひかる、真心、愛のグループができているらしい。結さんは可愛い妹がたくさんできたみたいだと喜んでいた。


ひかるとルイの結婚の報告を自分とルイで、ルイ達と出会った孤児院に行くことになった。


「お久しぶりです。報告があってここに来ました。」


「ルイくんかい?大きくなったね。男前にもなって、表情も明るくなった気がするよ。」


「先生、お久しぶりです。」


「寛くんも来ていたのか。こっちも男前になったね。ひかるは元気かい?」


「はい。元気にウチで働いてもらってます。」


自分たちは孤児院の中に招かれて、子供用の椅子に3人で座った。


「時間もないので単刀直入に、ルイから報告があります。」


自分は隣に座っているルイの背中を押して、自分から話すように促した。その表情は少し緊張したような感じだった。


「今回ひかると結婚することになりました。それで結婚式の招待を先生に・・・。」


先生は結婚という言葉が出たときに、すでに席を立ってルイの近くにいた。ルイが話している途中だったがたまらず、ルイの肩を抱いていた。


「そうか、そうか。2人はここにいた時から本当に仲が良かったから。結婚か。こんな嬉しいことがあるんだね。預かっているとはいえ、自分の子供たちが結婚するんだ。ありがとう。」


ルイの肩を抱いたまま、右手でルイの頭を撫でていた。先生は言葉にできない喜びが口から無理やり言葉にして発せられたように喜びを表現していた。


「結婚式、出席していただけますよね?」


「もちろんだよ。無理にでも予定を開けて、出席するさ。」


「わかりました。それでは自分はこの辺で。ルイと話したいこともあるでしょうから、次の予定のある自分はここで。」


「寛くん。ありがとう。ここまでルイを育ててくれて。」


自分はその言葉を聞いてから、孤児院を後にした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ