表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/62

ミモザ part16

父さんへの報告を終えてから、自分は3人がいるリビングに降りる。3人は仲良くソファーに座って某レースゲームをしていた。


「ちょっと話があるんだけどいいかな?」


自分がいきなり緊張した面持ちで話かけたので3人に緊張が走った。ゲームを途中で切り上げてもらった。


「何かな?」


母さんが自分に切り返す。


「悪い報告ではないし、父さんにはもう許可は得たから。緊張することじゃないよ。」


自分はソファーに座っている3人の前で正座した。


「今日、母さんたちに会いに行ったんだ。報告も兼ねてね。俺は、渡邉の名前から正式に佐々木家に養子として入ることにしたよ。決心にかなり時間がかかってしまったけど、これからもよろしくお願いします。」


自分は床に手をついて、3人に向けて頭を下げた。


「いいの?寛が今まで嫌がってたことじゃんか。」


真心がいう。自分は顔を上げて、


「いいさ。今までは父さんと母さんとのつながりが薄なってしまうのが嫌だったけど、俺には2人からもらった名前もあるし、一緒にいた時間がなくなるわけではない。今の俺には守りたいものがあるし、一緒にいたい人が目の前にいる。それには佐々木家の人間になった方が都合が良かったんだ。正式に2人の家族になれるしね。」


自分の言葉を聞いて母さんが自分に問いかける。


「2人はいいって言ったの?」


「多分。2人なら理解してくれるはずだよ。」


「なら、私はその決断を止める筋合いはないよ。真心も愛もいいよね?」


2人はうなずく。


「なら、改めてようこそ。佐々木家へ。これからあなたは佐々木寛です。私たちの子供で2人の恋人。ルイのお兄さんでかけがえのない家族です。」


宣言することでもないと思ったが母さんなりのケジメなのだろう。天国で見守ってくれている2人に宣言するように母さんは天をあおいだ。自分は立ち上がり2人の前に跪いた。


「これからも、2人を大切に守ります。これからもよろしくお願いします。」


自分の言葉に2人は顔を見合わせて、自分に飛びかかってきた。2人は自分を強く抱きしめた。愛の方からは笑い声が。真心の方からは鼻を啜る音が聞こえた。自分も2人の背中に手を回して自分の方に強めに寄せた。



数日後、自分は父さんと一緒に役所に行き養子になる手続きをした。その後すぐに、花屋に行き、結さんに報告をした。もともと結さんは自分のことを寛と呼んでいたので問題はないと思う。一緒に報告に行った愛を見て、結さんは「良かったね。」とだけ言った。そのついでと言っては失礼かもしれないが、ちょうど時間の空いていた日向さんにも報告することができた。佐藤さんもその場にいたが、自分には何も言わずに部屋の隅で聞き耳を立てているだけだった。


その夜には久しぶりにルイがうちに来た。


「兄さん。」


「よう。今日からお前とは正式に兄弟になったから。これからもよろしくな。」


ルイとはあの後会っていなかった。ルイはすこしだけ緊張した面持ちだったが、時間が経つに連れてその緊張は取れていった。ルイと一緒にキッチンに立つ。自然な流れで自分は気になっていたことをルイに聞く。


「ありがとうな。お前のおかげで決心がついたよ。」


「俺何もしてないよ?」


「いや、お前たちが結婚っていうワードを出さなかったら多分俺はこのまま決断できていなかったかもしれない。ずっと曖昧な関係で時間を過ごして、そのままズルズルと。決して公表することができることではないけど、俺の中では大きな決断を出すことができたよ。」


「そのことなんだけどね。」


ルイは自分から話し始めた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ