ミモザ part8
長編の更新になります。
評価、ブックマークよろしくお願いします。
もう、この作品も30後半まできました。
これからも頑張っていきます。
まずは、自室には行かずにスタジオに向かった。ひかるが心配だったから。スタジオではいつも通りに撮影が進んでいた。今日のモデルは恵さんだったらしく、偶然、あのときのメンバーだった。
「あら、寛くん。今日は出勤日ではないでしょ?」
自分に気づいた恵さんが撮影の合間に話しかけてきた。ひかるもその時に自分に気づいたみたいですこし驚いた感じだった。
「そうですね。今月のノルマも終わってますから、基本的にくる意味はないですね。でも、今日はルイにようがあってきたんです。」
自分の口からルイという名前が出てきたことにひかるが反応した。
「2人とも少しいいですか?」
「いいよ。ルイはまだ学校だし。」
撮影を一通り終わらせた後、3人で机を囲んで座った。ひかるがもじもじしてなかなか話してくれない。
「ひかる。相談があるんだろ?」
自分が問いかけると、覚悟を決めたようで話し始めた。
「実はルイから早く結婚しようって言われたんです。正直とっても嬉しかったです。ルイとは小さい頃から一緒にいたし、私の居場所を作ってくれた人で、結婚するならこの人がいいって思ってます。でも・・・。」
ひかるの顔は晴れやかではない。言葉をつまらせていて、辛そうにしてる。
「いいよ。無理せずに、ゆっくりで。」
ひかるに寄り添い、背中をさする。恵さんに飲み物を頼み、ひかるが落ち着くのを待つ。恵さんが持ってきた水を飲み、少し落ち着いたところで自分が話し始める。
「実はな、ルイが倒れた時に相談されたんだ。早めに結婚したいって。そのときは俺自身はいいことだと思ったけど、話を聞くとひかるの意見が入っていなくてな。だから、まずは、話し合ってからにしろって言ったんだ。その様子だとあまりいい返事はしなかったんだろ?」
ひかるは少しだけうなずいた。
「やっぱりな。俺にミスを隠そうとするなんて今までのあいつだったら考えられなかった。真心に隠させようとしたり、何かおかしかった。隼人から聞くまでわからなかった。」
恵さんは自分の話を聞き驚きながらもひかるの背中をさすっていた。この場に恵さんがいたことをすっかり忘れていた自分は恵さんに少しだけ水をさした。
「恵さん、ここで話したことは誰にも言わないでください。お願いします。家のことで会社に迷惑はかけられません。」
「わかってるわ。もちろんよ。」
「ありがとうございます。何か言いたいことあったら言ってください。自分じゃあまだ、力不足な部分があるので、実際にご結婚されている恵さんの意見が1番必要なんだと思います。」
恵さんは少し考えた後に、ひかるに問いかけた。
「ひかるちゃんの意見が聞きたいかな。結婚っていう大きなテーマだし、その年齢ってこともあるから即答できなかったのはわかるし、私が結婚するって決めた時よりも、大きな不安があることも容易に想像できる。ここまで来たら私たちの意見はあまり関係ないのかもしれない。下手したら、私たちのアドバイスが余計に迷う原因になるかもしれない。そんなことになるなら私は、今のひかるちゃんの意見が聞きたいな。」
ひかるは黙ったままだ。
「ルイに直接言いづらいこともあると思う。でも、こればかりは2人で話し合って決めないといけないと思うんだ。もし、ひかるがオッケーを出しても、すぐに結婚とはならないとは思う。家のことだったり、式のことだったり。いろいろな準備があって、それなりに時間がかかる。でも、そうなってしまったら引き返すことはなかなかできなくなってしまうから、その前にしっかりと2人で話して欲しいんだ。お互いの意見だったり、不安な思いもあるでしょ?ルイは自分に似て、集中してしまうと周りが見えなくなったりするところがあるけど、ひかるのことを一番に思っていると思うよ。どんな不安も意見も受け止められる男だと思う。真心と愛によく言われるんだ。言わないと伝わらないよって。大きな決断だからこそ、言っていかないといけない。もうお互い気の知れた仲かも知れないけど結婚って今までの関係では入れなくなるって思うんだ。少なからずいろいろと変わる。婿入りするのか、嫁入りするのかでも一族間での話し合いが必要だから。2人だけの問題じゃないんだ。俺たちは2人が決断したことを信じるから、まずは本当に2人の問題だ。時間をいくらかけてもいい。しっかり話し合いなさい。もし、何かあったらなんでも相談に乗れるようにする。自分には話に気こともあるだろうから、真心だったり、もっと年齢の近い愛にも頼んでおくよ。難しいことは考えなくていいから、しっかりと自分の意見を伝えておいで。」
そろそろ、ルイが帰ってくる時間になったので、自分はひかるのことを恵さんに任せて自室に向かう。結局、ひかるの意見は聞くことは叶わなかった。
自室に行く途中、真心とあった。特に会話もなかったし、目線も合わす事がなかった。自分が会社にいることには驚いていた感じだったが、ある程度自分が何をしたいか察しがついたのか何も言わずに仕事に戻った。周りには他の社員がいたので、いつもと違う自分たちの雰囲気に戸惑っていた。
「何かあったんですか?」
真心の下についてくれている女性社員が話しかけてきた。
「まあ、少しね。言い合いしちゃって、数日間口を聞いてないんだ。嫌われちゃったかな?」
自分がすこししょんぼりしたように喋っているとその女性社員が、
「大丈夫だと思いますよ。最近、真心さん元気がなくて、ずっとため息ばかりしてますもん。何かきっかけが欲しいだけだと思いますよ。仲直りの。」
「そっか。ありがとう。みんなに心配かけないように頑張るね。」
「そうですよ。2人に元気がないと、私たちも元気が出ないです。いつも通りの仲良しな姿見せてくださいね。何かあったら、みんな力になると思いますよ。2人には助けられてばかりなので、元気がないときは頼ってくれていいんですからね。」
「助かるよ。」
一応、自分が上司にあたるので敬語だが、年はこの人の方が上。去り際に背中を思いっきり叩かれた。自分のことを親戚の弟のように思っている人も少なくない。真心も愛に対してもそう。基本的に距離が近い。それがこの会社のいいところでもある。
背中に痛みを感じながら自室に入る。まだ、ルイは帰ってきていないみたいだ。きれい好きのルイには想像できないくらい、自室は散らかっていた。書類は山積みになっていたり、パソコンの電源も付けっぱなしだった。床には、調べ物に使ったであろう本が散乱していた。その中には、有名な結婚雑誌もあった。この部屋は基本的にルイしか使っていない為、ここ最近のルイが随分と荒れていたのがわかる。ルイが来るまでに、少しでも片付けてやろうと思い、散乱している本に手をかけると、タイミングが悪いのか良いのかわからないがルイがちょうど帰ってきた。
「なんでいるの?」
自分が出勤日以外に会社にいることに驚いていた。
「お前に話があってな。この状態だと話も入ってこないから部屋の片付けでもしようと思っていたんだ。」
何かを察したルイは、自分のデスクに荷物を置いて、自分と一緒に片付けを始めた。
「聞いたんだ。」
片付けながらルイは自分に話しかけてきた。
最後までありがとうございます。
来週の続きも楽しみにしていてください。




