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びっくりドンキー

作者: 碇川凧

小樽が自身の中で最も誇れる特性は「ノスタルジー」だ。街全体がノスタルジーの形成に協力的であり、実際それが小樽の紛う事なきアイデンティティを確立させている。そして、このアイデンティティが最もよく表されているのが、株式会社アレフの経営する全国チェーンハンバーグレストラン「びっくりドンキー」である。何事も、その特殊性を伝えたければ、比較対象のある例を提示すべきだ。びっくりドンキーはそれに丁度いい。全国に展開しているびっくりドンキーの最も重要な特徴は、そのオールド・アメリカンを基調としたエスニックな装飾である。家族連れをターゲット層としているびっくりドンキーは、この装飾によって単なるハンバーグレストランではなく、テーマパーク性を孕むことに成功している。いわばこの装飾は「びっくりドンキーの核」なのだ。しかし驚くことに、そんな強烈な「核」がびっくりドンキー小樽運河店には備わっていない。それは何故か。そう、「小樽」全体の醸し出すノスタルジーによって「小樽」自体にテーマパーク性が孕んでいるのである。びっくりドンキーがわざわざ装飾でエスニックなテーマパーク性を持たなくても、そこは既にノスタルジックなテーマパーク性を持っているのだ。添付した写真を見て頂きたい。これはびっくりドンキー小樽運河店入口の装飾である。小樽運河という小樽のランドマークに適応した「樽」の装飾だ。びっくりドンキー本来のテーマである「オールド・アメリカン」に重心を置きながら、驚くほどに最大限「ノスタルジック・小樽」に体重を傾けている。これ以上にびっくりドンキー・小樽の双方に調和できるデザインがあるだろうか。小樽全体のテーマを乱さない奥ゆかしいデザインであるにも関わらず、一度見れば忘れられないほどのインパクトを持ったこの装飾、私はこういう施され方をした装飾を他に知っている。ディズニーランドだ。丁寧に作り上げられた世界観を乱すことなく、慎重に、かつ強烈に自己を主張する。そう、小樽で......いや、北海道で唯一、ここだけがディズニーランドなのである。関東にディズニーランドがあるように、関西にユニバーサルスタジオがあるように、北海道にはびっくりドンキー小樽運河店があるのである。

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