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ようやくの目覚め

予定投稿に間に合わなかったので、とりあえずの投稿です。

明日の17時までに再投稿します。→再投稿済み



 助けた女の子は見た目に反して軽かった。いや、見た目もかなり華奢に見えて軽そうなんだが、それよりも軽かった。綿が人の姿になったんじゃないかと思える程だ。

 ただ、すぐに見た目相応の重さが腕にのしかかって来た。なんなんだこれ?

 女の子を観察してみても特別妙な箇所はない。あえて言えば首に奴隷紋が刻まれていることぐらいだ。見るのは初めてだが話ぐらいは聞いたことがある。労働力として奴隷を働かせる為に開発された呪いらしい。

 逆らえば凄まじい痛みがあるとか……。

 奴隷の中には犯罪者が多いが、だからといって見ていて気分が良いものではない。こんな小さな子なら尚更だ。まだ八歳ぐらいにしか見えないが、何をやって奴隷に堕とされたんだか。もしかしたら奴隷同士の子供なのかもしれないな。


「う……うぅん」


 うなされてるな。呼びかけても起きなかったので、女の子を抱えたままワイバーンに襲われたであろう場所に来て見た。奴隷紋がついてるから間違いなく奴隷だし、主人がいるんじゃないかと思ったんだが、そこには誰もいないし何もなかった。

 囮として見捨てられたか?護衛を雇わず代用として囮専用の奴隷を連れているゲスもいるらしい。その方が安く済むって話だが人の命を何だと思ってるんだ……虫唾が走るってのはこういう事を言うんだろうな。

 考えただけで気分が悪くなるが、残留魔力が町から続いていたことに気付き囮にされたわけではないことに気付いた。

 魔力、人が誰でも持っている超常現象を引き起こす力と言われている。その残り香とも、足跡とも言えるのが残留魔力だ。

 だとしたらこの子は町から一人ここまでやって来た所を襲われたことになる。見た感じ小綺麗な格好してるし、ワイバーンに受けた擦り傷以外は怪我の跡もない。主人が嫌になって逃げてきた可能性は低いだろう。

 ますますわからなくなった。この子がここにいる理由が見つからない。とりあえず……この子が起きるのを待つか。囮も逃げてきた件も絶対違うとは言えないしな。話を聞かないことには動きようがない。

 ただ待つにしてももう暗くなってきたから、街道から少し逸れた場所にテントを張る事にした。さすがに街道のど真ん中は他の人の邪魔になる。

 作業は女の子を抱えたままではできないから、地面に布を敷いてから寝かせた。呼吸の乱れもないし、すぐに起きるだろう。寒くないよう焚き火を起こしてから側まで連れて行く。テントを張って水を確保して、とりあえずこれで作業は完了だ。

 後は夕飯用の獲物を仕留めたい。保存食は持ってるが食料は現地調達できればそれが一番良い。というか、メガロディアを食ってみたい。ワイバーンも良いかもな。

 で、俺が動き回る為にも女の子の安全は守らなきゃいけないからテント周りに結界を張る事にした。これまた爺さんが使ってたのを真似したんだが、その効果は折り紙つきだ。

 何か近づけば俺が離れていても感知できるし、攻撃を受けてもビクともしない。少なくとも爺さんの攻撃を一発は耐えれるぐらいの強度はある。

 この辺りで爺さん並みの攻撃力のある魔物なんていないだろうし、安心して狩りに出た。ただ予想外だったのは仕留めたワイバーンの所には既に肉食の魔物が溢れていて俺の取り分はなさそうだったことだ。

 わざわざ横取りしようとは思わないし、残念だがワイバーンは諦めてメガロディア一択にすることにした。幸い近くにいたのでサクッと仕留める。美味い肉を食う為に血抜きも忘れない。

 テントに戻って解体してみると意外に臭みの少ない柔らかい肉質で、何にでも使えそうだった。爺さんに料理当番を押し付けられて十年以上台所に立ってたんだ、美味い料理にしてやるぜ。

 結果、シチューになった。少しだが野菜のストックがあったから良い出来だ。栄養もしっかり取れるし弱った胃にも優しいだろ。この子の胃が弱ってるかはわからないけどな。

 女の子はまだ起きないし、先に食っておくかな。


「う…うぅ。 ここは?」


 と思ったら起きた。匂いにつられたのかもしれないな。

 起きたばかりだからか現状が理解できてないんだろう、自分の手を見たり辺りをキョロキョロしている。あ、顔をペタペタ触ってる。自分が生きてることが信じられないって感じか?


「気分はどうだ?」


「え? あ、大丈夫です」


「そうか、シチュー食うか?」


「……はい、いただきます」


 ラチがあかないから話しかけてみたが、思ったよりは怖がられてないな。警戒心も薄いのか普通にシチュー食べ始めたし。気が付いたら知らない男が近くにいるって結構怖いシチュエーションだと思ったんだが……まだ小さくてそういう感覚はないのか?

 とりあえず、話は食ってからだな。うん、美味い。女の子も黙々と食ってくれているし、作った側としては満足だ。

 結局お代わりを要求されて鍋は空になったのだった。

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