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短編集

神出鬼没な彼女

作者: たま

新年一発目のお年玉投稿です(笑)

まぁ、苦笑してやってください( ̄▽ ̄;)

 年が開けて幾日か過ぎたある日。


 なんの前触れもなく突然、彼女はやって来た。


 天真爛漫な僕の彼女は神出鬼没だ。


 いつも予期せぬ時に現れて僕をこれでもか振り回し満足するとあっさりと僕の元から去っていく。


 彼女と付き合い始めて何年になるだろう…。


 いつもなら、何となく彼女が来る時期が分かるから早めに準備をして待っているのだけれど、珍しいことに去年は僕の前に姿を現さなかったんだ。


 だから………油断していた。


 うん、たぶんそろそろ来るだろうなって思ってたよ。でもね…突然過ぎやしないかい?


 僕にも心の準備があるんだからさ。


 君を迎えるには覚悟がいるんだよ?


 だって君はいつも僕に強烈な一撃をお見舞いしてくるだろ?えっ?サプライズだって?


 止めてくれよ………サプライズは苦手なんだ。


 どう、反応していいか分からないじゃないか。


 君のサプライズは僕にとって物凄く………。


「久っしぶりぃ~!遊びに来たよぉ~!」


 君の楽しげな声が僕の耳に届く。


 振り返ると彼女は仕事着でにこやかに笑みを浮かべていた。その手には何故か小さな両口ハンマーを手にしている。


 僕はげんなりしながら彼女を見つめる。


 彼女の仕事--それは仕事着を見れば一目瞭然。


 真っ黒なマントに、鍔の広いとんがり帽子……。


 そう、彼女の職業は魔女。


 勘の良い君なら--もう、気づいただろ?


「じゃあ、一年ぶりのぉ?さぷらぁ~いず!」


 笑顔で僕の背中に向かって楽しげな口調で彼女は---両手で握りしめたハンマーを勢いよく、全く躊躇する事なく、無遠慮にフルスイング!!


 グキッ!?


「はぉおう~~~~~~~~!」


 あまりの衝撃に思わず踞る僕を嘲笑うかのように彼女は僕を見下ろしながら満足げな表情を浮かべる。


「大成功!!じゃあ、しばらくよろしくね」


 笑顔の彼女を恨めしげに見つめながら震える手でスマホを取りだし電話をする僕。相手は----。


「おぅ、どうした?こんなに早く…?」


 職場の上司の不思議そうな声。


 そりゃ、そうだ。だって今は朝の五時半。


「すいません……きちゃいました(やっちゃいました)


 激痛を堪えながら謝罪する僕に付き合いの長い上司は直ぐに察してくれた。


「そうか……無理するなよ」


 それ以上の会話はいらない。


「ご迷惑をお掛けします」


 電話越しなのに頭を下げながら通話を切る僕。


 さてと…………。


 僕は彼女に視線を向ける。


 楽しげに笑みを浮かべる彼女が憎らしい。


「何時まで居座るつもりだ……?」


 僕の問いに彼女は頬に両手を添えながら…。


滞在期間(全治)は一週間かな?」


 一週間か………まぁ、しょうがない。


 面倒を見てやるよ。


「じゃあ、よろしくね!」


 天真爛漫な笑顔に苦笑する僕。


 薬箱に痛み止めがあったかな……。


 匍匐前進しながら薬箱へと向かう。


 今日から一週間の神出鬼没な彼女(ぎっくり腰)との同棲生活に深い溜め息をつきながら…………。


ただいま、彼女と同棲中(笑)


そろそろ帰ってほしいと願いつつもネタが出来たと喜ぶ作者、寒い季節で身体も強張りますので皆様も身体を動かす際は十分に注意してくださいね。


神出鬼没な彼女は貴方の直ぐ側で満面の笑みと共にハンマー片手に待機してますよ(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] うわあ、オチにお大事にとしか言えませんでした。健康大事です。
[良い点] なるほど、と楽しませてもらいました。 彼女との同棲はキツそうですね…… 何をするにしても彼女が離れてくれなさそうで…… [一言] お年玉頂きました! ありがとうございます! お疲れ様です!…
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