表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

白と黒の出会い

「俺は、クロカゲ」


「……え?」


 突然言われて、間抜けな声を漏らしてしまった。

 無理もない。彼女は戦いに負けてきて、この町に強制ワープされてきたばかりなのだから。

 自身の拠点に指定した、白い煉瓦造りが基調の家が建ち並ぶ見慣れた町並み。目の前に人がいて、しかもその人が、先ほど一騎討ちで負かされたプレイヤーなのだから。悔しがる時間をくれずになにしに来た。


「あんた、強いね。パーティ組んでる?」


「え、ううん。ソロだけど」


「ふぅん、そう」


 こいつ、質問しといて話を聞いていたのか怪しい。少女に近い姿の黒い和服の彼は、私ではなく遠くの黒い旗が目印の砦を眺めている。


「ね、ねぇ。さっきの」


「クロカゲは俺の名前。あんたは?」


 さっきから腑に落ちなかったことをぶっきらぼうに答えられ、彼女はむっとした。「あんた」という呼び方も気に入らない。


「私はシロガネ。で、私になんの用?」


 言ってからしまったと、シロガネは肩を強張らせた。この世界において、棘のある言葉遣いはマナー違反の代表である。その他にセクシャルハラスメントやアイテム、装備などのフェアトレードなどがある。

 いや待て。こいつこそ言葉遣いではマナー違反なのでは。まあ、言葉遣いのマナーなんて運営が違反として決めているわけではないのだが。


「俺とパーティを組まない?」


 しかしクロカゲはなんら気にした様子もなく、脈絡のないことを言った。

 それが上泉凛咲(かみいずみ りんさ)ことシロガネと、黒薙雛斗(くろなぎ ひなと)ことクロカゲの最初の出会いであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ