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case.4~人魚姫~

まさかこの小説がお気に入り登録されるとは…! ありがとうございます



ある深い深い海の底。

そこには半分人間、半分魚の生物「人魚」の国がありました。

人魚は美しい鱗、流れる髪がキラキラと輝く神秘的な姿をしており、

人間にとって人魚は収集物であり乱獲が大変な問題になっていました。


人間に捕まることを恐れた人魚たちは、人間がいる海の上に行くことを禁じ、海の底で他の魚たちと仲良く暮らしてきました。


そしてこの国を治める長である人魚の王様には7人の子どもがおりました。

上から6番目までは息子でしたが、中世的な容姿や男らしい容姿など様々でしたが、どの息子も美しく、人魚たちの憧れの的でした。

そして末っ子の人魚姫はというと、

「真珠姫」という通り名で呼ばれるほど輝く髪と白魚のような肌、空を鏡で映したかのような青い瞳が印象的なそれはそれは美しい姫でした。


そんな容姿のためか、父親や上の兄たちからは溺愛されており、外は危険が多いからと幼少期から城の中でずっと過ごしてきました。


しかしこの末の姫には困った趣味がありました。




「おい、人魚姫を知らないか?」



「これは、第3の王子。姫は見ておりませんが。 どうなさいました?」



赤い髪をした美しい人魚が執事らしき人魚を呼び止めた。

赤い人魚は人魚の王様の3番目の息子らしい。かなり焦った様子だ。



「それが、姫の好きな人間の食べるクッキーとやらを手に入れたからあの子に食べさせてあげようと部屋に行ったのだが、どこにも居ないんだ」



「そうですか、もしかしたらアソコかもしれませんね」



「またか…。何度注意すれば大人しくしてくるんだ。 はぁー」



美しい柳眉を下げ溜息をつく王子。


そう、末の人魚姫には

人間にとても興味を持っており、彼女だけの秘密基地に多くのコレクションを隠していた。



***

「ふっふふーん♪」


所変わって、大きな貝殻の中。

そこは貝の中だというのに、あんこう提灯のお陰で明るく、また一つの部屋のように錯覚してしまうほど広い空間だ。


その貝殻の中には、

青い鱗とプラチナの長い髪を揺らす美しい人魚姫と多くの物があった。


スプーン、人間の女の子の人形、

ポスター


様々なものがあった。



「やっぱり、セイラちゃんは緑色のセーラー服よね!」



人魚姫は一つの人形を手に取り、そして微笑んだ。

それだけで一枚の絵画となるほどの美しい微笑みだった。



彼女が手に持つ、「セイラ」とは

「魔導戦士シスター☆セイラ・ライラ」の姉セイラの人形もといフィギュアである。



そう彼女は、いわゆるアニメ系美少女オタクであり、

彼らの兄はその事実を知らずいもうとが喜ぶならと、せっせと人間界のフィギュアやらポスターやらDVDやら。

とにかく彼女が喜びそうな物を集め、そして妹へプレゼントしている。



もちろんそんな彼女は


「人間界の王子様? あー、二次元だったらいいけど三次元(実物)とか無理無理!」




そんなこんなで、人魚姫は大量のフィギュアに

囲まれ幸せな時を過ごしたのでした。






人間の王子様の出番なし、という残念な結果に…

お粗末様でした

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