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東京復帰編 -2-

結婚式当日

新婦控室

光志「髪型はこんな感じでいかかでしょうか新婦様?」

幸「君、腕上げたねえ。」

光志「ありがとうございます。では、今後は散髪代も上げさせていただきますね。」

幸「そこは、なんとかならないかなあ・・・」

光志「冗談だよ、でも本当に綺麗だ。」

幸「ありがとう。」



新郎控室

一真「師匠、カルロスさんから届いた絵はどこに飾りますか?」

悠生「師匠はやめろよ。俺と幸の笑顔の間に『愛』か・・・良い絵だな。君のセンスに任せるよ山上所長。」

一真「へい、任せて下さい師匠。」

悠生「だから、師匠じゃねえっての。」



チャペル前

村上「秀秋さん落ち着いてくださいよ。自分の結婚式でもあるまいし。」

秀秋「すまん、こういう場所に慣れてないものだから・・・」

村上「秀秋さん友達少ないですもんね。」

秀秋「そうそう、ってオイ!」

村上「秀秋さんもそろそろ結婚したらどうですか?例えばわたっ」

秀秋「嫁に~~来ないか~~」

村上「ってコラ!来賓に絡むな。どこからギター持ってきたんだ!」

秀秋「あの娘可愛いな。」

村上「あの人たしか大阪支所の副所長ですよ。」

秀秋「俺も大阪行こうかなあ。」

村上「いい加減にしろっ。」

ドスッ

村上の正拳突きが秀秋のみぞおちをえぐった。

秀秋「おうぇ~、こんな技いつのまに・・・」

村上「佐倉さんに教わりました。」

秀秋「あの女~」パタッ



新婦控室

コンコン

女将「入ってもいいですか?」

幸「はい、どうぞ。」

女将「ほな、失礼しますね。」

幸「あの・・・失礼ですがどちら様でしょうか?」

女将「おばちゃんは、悠生君が大阪でよく来てたお店の者です。」

幸「あっ、あなたが!悠生が大阪ではお世話になりました。」

女将「思ってた通りのいい子や。」

幸「?」

女将「実はな、昨日ホテルに泊まっててんけど、夢枕にあんたのお父さんが立ってなあ、色々頼まれごとしててん。」

幸「お父さんが!?」

女将「うん。メモしてきたから、今から言うな。」

幸「はい。」

女将「どうしても、今日は来られないねんて。バージンロードを一緒に歩けなくてごめんなと言っとったわ。あっちの世界も色々あるんやろ、許してやりいや。」

幸「はい・・・」

女将「幸が生まれてきた日の事を今でも覚えている。私の人生で一番幸せな瞬間だった。小学校5年生の時に母親が亡くなり辛い思いをさせてしまった。家事を幸が全て引き受けてくれた事、今でも本当に感謝をしている。私は幸を立派な大人に育て上げようと必死になっていた。でも、いつからか幸の気持ちを考えなくなってしまったのかもしれない。立派な大人に育てようとすればするほど2人の距離はひらいていってしまった。中学3年生の卒業式の事、どうしても仕事で行く事が出来なくて申し訳なかった。」

幸「そんな昔の事・・・」

女将「そりゃ1人娘の事や、覚えてるやろな。あんたが思っているほどお父さん、悪い人には見えなかったで。」

幸「・・・・」

女将「いつからか、酒に逃げ、体を壊し、幸を1人残して先に死んだ事、不安で寂しい思いをさせてしまった事、本当に申し訳なかった。こちらの世界に来て思う事は幸のしあわせの事ばかりです。どうか、幸せになってください。 父 拓郎より 」

幸「・・・・」

女将「泣いてんのか?おばちゃんの胸で、思いっきり泣いてええよ。」

幸が女将の胸にしがみつく。

女将「お化粧の前に来れて良かったわ。幸ちゃんな、お父さんの事は、もう許してやり。そしてな、これからは悠ちゃんとの自分の幸せの事を考えや。おばちゃん色んな人を見てきたけど、幸ちゃんと悠ちゃんは繋がっとるんよ。結ばれるべくして結ばれたんよ。悠ちゃんは、あんたが選んだ人や、絶対に幸せになるんよ。」


コンコン

光志の姉「幸ちゃんいいですか?」

女将「じゃあ、おばちゃんは行くから、お化粧していっぱいいっぱい綺麗になりや。」

幸「ありがとうございました。」


入口で女将と光志の姉が会釈を交わす。


光志の姉「あれっ、幸ちゃん泣いたの?」

幸「・・・うん。」

光志の姉「大丈夫、お姉さんに任せなさい。」

幸「お願いします。」


光志の姉「幸ちゃんね、結婚すると色んな事があるんだよ。」

幸「うん。」

光志の姉「楽しい事、嬉しい事、悲しい事、苦しい事。」

幸「うん。」

光志の姉「でもね、その全ての時に自分の選んだ人と一緒に居られるのって、幸せなんだよ。」

幸「うん。」


光志の姉「幸ちゃん、どっちが先に子供できるか競争しようか?」

幸「やだっ、お姉さんたら。」

光志の姉「やっぱり幸ちゃんは笑顔が似合うわ。悠生君はいい子だから、絶対幸せになれるよ。だって、幸ちゃんが選んだ人だもの。」




チャペルの外では居酒屋 慧樹の大将が見事な料理の腕前を披露していた。

その周りには人だかりができていた。


女将「いい腕前ですねえ?」

大将「おっ、お姉さん大阪の人かい?」

女将「よくわかりましたねえ?」

大将「おじさん、こう見えて勘は鋭いんだ。」


女将「手伝ってもいいですか?」

大将「いいけど、汚れちゃうよ?」

女将「大丈夫、ちょっとこのさらしを拝借。」


そう言うと女将はさらしで着物の袖をくくってみせた。

大将「おっ!!やるねえ。」

女将「お父さんこそ。」




写真屋「さあ、みなさん写真撮りますよ~」

悠生「はい、お願いします。」

写真屋「はい、1+1は?」

秀秋「古っ。」

村上「コラァ。」


カシャッ



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