東京復帰編 -1-
月曜日
また東京での社会生活が始まった。
会社までのラッシュも、とても懐かしく心地良く感じた。
社長室前
コンコン
悠生「仁藤です。」
社長「入りなさい。」
悠生「失礼します。」
ドアノブが軽く感じた。大阪に行く前は重く感じたのに。
社長「座りたまえ。」
悠生「はい、失礼します。」
ソファーに座る。
悠生「逃げ帰るように戻って来てしまいまして・・・・」
社長「何を言っているんだね。ありがとう、君が上げてくれた功績は大きい。」
悠生「いえ、みんなが頑張ってくれたおかげです。」
社長「いや、君がやる気にさせてくれたんだよ。私の選択は正しかった。」
悠生「はあ。」
社長「今後の事なんだが、所属の部署の希望はあるかね?」
悠生「今は、まだ考えていません。」
社長「そうか。君が考えて思う所へ行きなさい。また大阪へ戻ってもいいし。」
悠生「少し考えさせて下さい。」
社長「ゆっくり考えなさい。君は頑張った。君は有給休暇も使っていないから、数日休んで考えたらいい。」
悠生「明日には答えを出します。」
社長「そうか、君らしいな。1年振りに本社へ帰ってきたんだ、少し会社を見て回ったらどうだ?」
悠生「はい、そうします。では、失礼します。」
社長室を出て会社を回ってみた。
悠生「変わったような、全然変わってないような・・・よくわかんねえわ。」
気が付けば、もう10時になっていた。
悠生「10時か・・・この時間には、いつも幸がコーヒーを入れてくれたっけ・・・」
喉も渇いたので自動販売機でコーヒーを買う事にした。
悠生「幸が入れてくれたコーヒーの方がうまいな・・・」
チャリーン
後ろで小銭が落ちる音がした。
振り返ってみると・・・・
悠生「あっ!!」
幸「あっ!!」
幸「別に寂しくなんてなかったんだからね。」
悠生「何かキャラ変わってないか?」
幸「総務部は女子3人で回してるから、悠さんの戻ってくる場所なんてないんだから。」
悠生「そうか・・・残念だな・・・」
幸「嘘です・・・すごく寂しくて・・・毎日がすごく長くて・・・いつ戻って来るか、ずっと考えてました。」
悠生「・・・・」
幸「私・・・悠さんが好きです。」
幸に思いっきり抱きつかれた。
悠生「結婚しよう。」
幸「えっ!!・・・はい。」
秀秋「ヒューヒュー。」
社員達「おめでとう。」
背後からたくさんの拍手が聞こえた。
結婚という言葉が出た事に自分が驚いた。
でも、間違っていない。
きっと、心の中でずうっと考えていたから言葉に出たんだと思う。




