大阪出張編 -5-
翌日
会社に到着すると、すでに社員達は出社しており、ポスターのサンプルが出来上がっていた。
悠生(この子達は何時に出社してるんだろ・・・)
田丸「こんな感じで刷ってみたんですけど、どうでしょうか?」
悠生「凄くいいと思う。みんなはどう思う?」
社員達「すごくいいです。」
悠生「じゃあ、このポスターで営業してくるわ。」
一真「俺も一緒に行っていいですか?」
悠生「おう、一緒に行くか」
ポスターを持ち展覧会場へ向かった。
まだ、お客さんは増えていないようだ。
カルロス「あっ!!師匠おはよう。」
悠生「ボアノイチ。」
カルロス「師匠・・・それは「こんばんは」だよ。」
悠生「・・・ボケただけだよ・・・ここは大阪だから。」(苦笑)
一真「おはようございます。」
カルロス「おはよう。師匠、彼は?」
悠生「うちの社員で、カルロスの展覧会を俺に教えてくれた子だよ。」
カルロス「そうか、ありがとう。」
そう言うとカルロスは一真を抱きかかえた。
悠生「・・・カルロス・・・それは日本ではあまりやらない方がいいぞ・・・」
カルロス「問題ないよ。」
一真を見ると、頬を赤く染めていた。
悠生 (なんだこいつ・・・)
その後、広告の営業活動に入った。
カルロス「師匠が考えてくれたものなら間違いないよ。これで、お願いします。」
悠生「じゃあ、これで行くから。お客さんの入りはまた確認に来るな。」
その後、ポスターを色々な場所へ貼らせてもらった。
ポスター(書と絵画の融合 表現とは…心とは… 貴方はあの日に帰れますか。)
想像していた以上に反響があり、カルロスは雑誌やテレビ局の取材も受けたらしい。
展覧会への客足は、みるみるうちに増えていった。
嬉しい事に、それと同時にうちの会社の広告の仕事も増えていった。
カルロスが紹介をしてくれたようだ。
1か月が過ぎたある日
女性社員「仁藤所長、カルロスさんからお電話です。」
悠生「うん、まわして。」
女性社員「はい。」
悠生「もしもし。」
カルロス「師匠、今回は本当にありがとう。」
悠生「いや、お礼を言いたいのはこっちの方だよ。仕事を紹介してくれてありがとう。でも、みんなにカルロスの絵を見てもらえて本当に嬉しいよ。」
カルロス「もしよかったら、今夜一緒に飲みに行かないかい?」
悠生「いいねえ、何処にする?」
カルロス「お店と時間は、お師匠に任せるよ。」
悠生「じゃあ、9時に俺の行きつけの店でいいかな、地図はメールで送るよ。」
カルロス「O.K、じゃあまた今夜。」
悠生「おう、また今夜。」
午後8時50分
居酒屋樹到着
カルロスは一見だから、店の前で待ち合わせるようにした。
店の前に立っていると、程なくしてカルロスが現れた。
カルロス「師匠、ここかい?」
悠生「ああ。カルロスは日本食が好きだろ?」
店に入る。
女将「いらっしゃい。」
悠生「おじゃまします。」
カルロス「こんばんわ。」
女将「悠ちゃんお久しぶり。・・・もしかして、カルロスさん?」
カルロス「そうだよ。」
女将「おばちゃん、展覧会を見に行ったのよ。とても良かったわ。うちのお客さんもみんな感動したって言ってたわよ。あなた凄いわ。」
カルロス「ありがとう。」
女将「御2人ともビールでいいかしら?」
悠生、カルロス「うん、生で。」
女将「はいね。」
生ビールとお通しが出てきた。
女将「はいどうぞ。」
悠生「ありがとう。」
カルロス「実は、酔う前に師匠に言いたい事があったんだ。」
悠生「どうした?」
カルロス「昨日、師匠の会社から請求書が届いたんだ。」
悠生「ごめん、どうしても経費が掛かってしまって、タダでやってあげたかったんだけど、高かったかなあ?」
カルロス「違うよ、安いんだよ。」
悠生「良かった。」
カルロス「違うよ・・・これはビジネスなんだよ。友人だからって利益を減らす必要なんてないんだよ。師匠は優しすぎるんだよ。」
悠生「・・・・」
カルロス「これじゃあ次の仕事は頼みにくくなってしまう。師匠、プライベートとビジネスは分けてほしい・・・」
悠生「カルロスごめん・・・俺、勘違いしていたのかもしれない。」
カルロス「飲む前にこんな話をしてごめん。」
悠生「いや、むしろ感謝するよ、カルロスありがとう。」
カルロス「これで、本当のビジネスパートナーになれるよ。師匠、これからもよろしく。」
悠生「こちらこそ、これからもよろしく。乾杯。」
カルロス「乾杯。」
その日は昔話に花が咲き、とても気持ち良く酔う事ができた。
しかし、飲み過ぎてしまい、家に帰ると直ぐに睡魔が訪れた。




