1. お目覚め暴君王女様
西大陸最大の大国にして、女王が統治する王国
—チベルノシア王国。
チベルノシアの“暴君女王”と謳われるベリンダ女王。
彼女の数々の極悪非道な行いに、痺れを切らした者達によって起きた反乱。
だが、これまでの行いによって彼女に味方する者は国中どこにもいなかった。
死闘の末、ついに彼女は弾頭大へ。
国中が歓喜する中、
あっけなく首を落とされた……。
…。
と、思ったが…
目を開ければそこは、子供の頃に使っていた可愛らしい部屋だった。
「…んへぇ???」
そう、彼女は過去へタイムリープしていたのだ。
そのことに気付いた瞬間、彼女の頭の中に膨大な量の“記憶”が流れ込んでくる。
それは“前世の記憶”。
“チベルノシア王国の女王”としての幾つもの記憶と…“ゲーム、漫画が好きなオタ女子”だった頃の記憶…。
「…なに、これ…?
はぁ??私があの悪役な極悪暴君女王?!
しかも既にめっちゃループしてる??!
って!
なぜ?!どうして?!
わぁ〜っっと??!!」
彼女の幼い声が部屋に響き渡る。
「えぇぇぇ〜〜〜…。」
ベットの上で頭を抱え蹲ると、記憶がどんどんと流れ込んでくる。
自分自身の手で傷付け、痛め付け、殺して、殺して、殺して来た人々…そして推したち。
…いや、推しってなに??
いや、分かる。
分かっちゃうけど!
「ループ&転生って何なのよ!!
こんな最悪なループ…
転生した時に記憶消しとけよ神!!!!
オタク舐めんな!
こちとら、推しが死んだだけで人生終わりくらい絶望する奴らがゴロゴロいる世界からの転生者だぞ!!??
そもそも…
何度もループして自分で推し殺しまくるサイコにオタク転生させるなーー!!!」
そう奇声を上げながら散々暴れまくると、フラフラとベットから降りてバルコニーへと出る。
そこから見える景色は…かつて自分が壊した国の美しかった頃の景色であり、同時に全く別世界の景色でもあった。
「……あぁ、最悪。」
残酷なほど美しいその景色を眺めそう呟きながら、バルコニーの手すりによじ登り身を乗り出す。
「記憶が鮮明なだけに…最悪…。」
込み上げてくる吐き気に口元を押さえ無理やり押し戻すと、スーーッと深く新鮮な空気を吸い込み、そして…
「私っ、何回この手で推し達を殺してんのよーーー!!!!このっ、クソやろーーーー!!!!」
国中で手の付けようがない暴君王女と謳われる、齢6歳の王女。
彼女の奇声が城中に響いた…。




