ep.3 初デート
週末、私は坂下君と待ち合わせした西宮北口駅の時計台に向かった。
「あっ!坂下君、もう着いてたん?」
「うん、さっき着いたばかりやけど」
「えらい早いやん、さては、私に会うの楽しみにしてたんとちゃう?」
「うん、そうやね」
真顔で返してくる坂下君にこっちのほうが緊張してくる。
「じゃ、行こうか」
私たち二人はショッピングモールのほうに向かった。
「坂下君、何かみたいものとかある?」
「いや、特にはないから合わせるよ」
(合わせるか・・・こういう時どういう場所がいいのかよく分からんから、とりあえず普段行く雑貨屋巡りとかにするか・・・)
「じゃあ、雑貨屋巡りでもしようか」
「うん、ええよ」
一通り雑貨屋巡りを終えて、少し疲れたので、喫茶店で一息入れることにした。
坂下君はアイスコーヒーを、私はオレンジジュースを注文した。
「ごめんな。なんか私の行きたい店ばかりに連れまわして」
「いや、普段見ないものが見れて楽しかったよ」
「そう言ってもらえると良かった」
「そう言えば、この前、野田と一緒にいった映画なんやけど、これがすごく泣ける話で・・・」
・・・・・・
私たちはとりとめのないの話をしていた、ほとんど私がしゃべっていた気もするが・・・
(坂下君は、口数は少ないけど、一緒にいてこちらに色々と気遣ってくれる優しい人だ
、相性もそんなに悪くないんじゃないか、私たち意外にお似合いだったりして・・・)
「坂下君・・・」
私が話しかけようとした時、坂下君は別の方向を見ていた。
私もその先を目で追いかけた、そこにはワンピースを着た長い黒髪の華奢な女性がいた、氷姫こと涼川凛だ。
私の目と涼川の目が合ったが、すぐに涼川は視線を自分の手にもつコーヒーに戻した。
(同じ学校の人に見られた!)
私は少し慌てたが、涼川はいつも一人でおり、ゴシップ話を好むような感じではないので、心配する必要はないと自分に言い聞かせ、すぐに落ち着いた。
「坂下君、涼川さんとは知り合い?」
「知り合いではないけど有名人やからね、知ってはいるよ」
「すごい美人やね」
「うん、すごく綺麗な人やと思う」
(坂下君は正直だ。涼川さんと比べると私は正直見劣りする、坂下君と私、さっきはお似合いかもとか思ったけど、涼川さんを見た後だと、自信喪失・・・)
「村中さんは、明るくて、かわいい人だと思う」
「えっ!」
(私の気持ちをフォローしてくれた・・・?)
「また、良かったら遊びにいけたらと思うけど、どうかな?」
「う、うん、そうやね」
(たった一日、答えは焦らずか・・・)
家に着いた、母が声を掛けてくる。
「食事まだやから先にお風呂入って~」
「ちょっと、横になってから~」
私は自分の部屋に行くとベッドに横たわった。
(今日ってどうなんやろう、坂下君、私のことどう思ってるんやろう?
いや、そもそも私自身、坂下君のことどうなんやろう?)
訳も分からず胸が締め付けられるような気がした。




