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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

平和な盗賊王の財宝

作者: 砂時 ハカリ
掲載日:2025/11/11

ある王国には平和な盗賊王といわれた男がいた.

男は人の1番大切にしている財宝を盗みだし, 代わりに自らが住む屋敷の場所を示す地図を残した.

被害を受けた人間がその場所へ訪れると, 男は門を少し開けて,

「財宝を返して欲しければ, お前の持つ武具を全て置いていけ」と言った.

背に腹はかえられぬと人々は武具を明け渡し, 一家の財宝を持ち帰った. あらゆる家から武具が消え争いが減り, 男は平和をもたらしたと言われた.

しかし, 男はその武器を割高で売り出した. 誰かが武器を持てば, 自分も持たねば生きていけぬと人々は思った. そうして結局せっかく取り返した財宝を売り渡して武具を買い戻す羽目になった.

武器を手に取った人々は思った.

「男を殺せばこんな苦労はいらないはずだ」

ありがたいことに男の住処はみんなが知っている. 人々は団結し, 男の屋敷に乗り込んだ.

しかし, そこは複雑な迷路とたくさんの罠で守られており, 「復讐よりも命が大事だ」とみんなが逃げ帰った.

そして人々は, もはや財宝を争い奪い合っても, 結局あの男に奪われるのだから争う必要などないと悟った. 盗賊王は本当に平和をもたらした.


平和な日々が続いていたある日のこと,

男が王国に現れた. 彼は「もう盗みにも飽きた」と言って抵抗もせず捕まった.

王国で盗みは死刑とされていた. しかし, 男はまだ素晴らしい財宝を隠していると言い, もし死刑を免れることができるならその場所を教えると言った.

男は財宝の場所を告げ, そこには一切罠を仕掛けていないと言い残し王国を追放されてどこかへ消えた.


人々は財宝を求めて隠し場所へと向かった.

「一切罠がないと言われてもあの盗賊王のことだ, きっと何かあるに違いない」と皆が思っていた. あるものは天を貫くとも言われる槍を, またあるものは竜を斬ったと言われる剣を, またあるものは流星を受け止めたと言われる盾を. 皆選りすぐりの武具を身に纏い万全を期して集まっていた.


そうして彼らは財宝の隠し場所に辿り着いた.

そこには石造りの小さな小屋があった.

その扉を誰が開けるのかという話になった.

人々は思った.

「あの男がいないなら, 邪魔者をみんな殺してしまえばいいのでは?」

誰かが扉に手をかけた. 途端にその者は斬り殺された. その1人が引き金となって, 隣の人を, 前を後ろを殺し合った.

大勢が死んだ.

最後に残った1人は死体の山の上を歩き, 小屋の扉を開けた.

一切の家具もない小さな部屋だった.

夕陽が差し込みその部屋を照らすと, 壁になにか殴り書きされているのが見えた.


「振り返れ!お宝が拾い放題だ!」

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