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4.アレク様はどこに?


目が覚めると、お城にいた。

「えっ、なんで…? ここどこぉ!?」


あまりにも上等な寝台に驚いていると、昨日の記憶が蘇ってきた。


(あれは夢ではなかったのね…)


「いけない! 日が昇ってしまっているわ!」

普段はまだ空が群青色の時間には起きているから、大急ぎで身支度を始める。

アレク様が『詳しい話は明日』とおっしゃっていたから、早めに向かわなければ…!


ドレスやアクセサリーは持ってきていないので、仕方なく昨日の暗殺用ドレスと手櫛で身なりを整える。

「上等なものじゃないし、そもそもドレスでもないけれど、まあ大丈夫よね!」


大きな扉をそっと開け、廊下に出て気づいた。 私はどこに向かえば良いのでしょうか?

昨日はアレク様の寝室で話してしまったから、寝室…?

そっそんな破廉恥なことできませんわ! 逆になぜ昨日はできてしまっていたのでしょう!


(仮にも淑女としてあるまじき行為…)


「フェリシティ様、申し訳ございません。もうお目覚めになっているとは思わず。 どうかされましたか?」


考えていることが声や態度に出てしまうのが、私の悪い癖。

今来たらしいツンとした印象のある使用人の方が、こちらを探るような視線を向けてくる。

どうやら頭を抱えて眉間に皺を寄せているのを、使用人の方に見られてしまったらしいです。

確かに、あんな変な動きをする客は受け入れられないわね。


「な、なんでもありませんわ。お気遣いありがとうございます。」

「いえ。あの、身支度のお手伝いを命じられたのですが、どうやら必要なさそうですね。それでは失礼いたします。」


どうやら侍女らしいその女性はスタスタと去ってしまった。

わかるわ。私も侍女ではなかったけれど、使用人の忙しさってえげつないのよね。

そりゃあもう、馬が走る音を聞いているのかというくらいに足音が早くなるくらい。…にしても早いわね。


心の中で応援すると、私は行くあてもなく歩き始めた。

さっきの方にお屋敷に案内をお願いするっていうのもありだったけれど、忙しいだろうし、玄関から入っていないことがバレてしまいますものね!

あれ、でも公爵家の門には騎士の方が常にいるし、いくら深夜とはいえ多少の騎士の方や使用人の方は働いていてもおかしくないわよね?


(これ、もう使用人の間では私がアサシンってことバレてるかしら!?)


そんなことを考えながら、階段を見つけたので一階に降りる。

相変わらず繊細な彫刻が手すりにも… 壊してしまうのが怖くて掴めないのだけれど…


「フェリシティ様、おはようございます。」

「ひゅお!」

ディーン様の挨拶に、思わず変な声が出た。

だって全く足音がしなかったんだもの。気がつかなかったわ…


「どちらへ向かっておいでですか?」

「ええっと、その、アレク様は今どちらにいらっしゃるか、教えていただけませんか?」

「アレク様なら、現在は朝食を食べておいでです。ご案内いたしましょう。」

「お、お願いします! もしよろしければ、アレク様のところまででいいので、お屋敷の案内もお願いしたいです…。」

「もちろんです。」


私はトコトコとディーン様の後をついていく。

ディーン様はとても親切に教えてくれているから申し訳ないのですが、あまりにも美しいお屋敷に見惚れて、話が入ってこないです。ごめんなさい…


「アレク様はこちらに。食堂は別にありますが、仕事に追われているので今日は執務室で。」

「ありがとうございます!」

「では、私はこれにて失礼致します。」


いくら事情があっても、自分を殺そうとした人をそばに置くとか信じられない。

何が目的なのかをきちんと教えてもらってから、契約についてもう一度考えなければ。

ふぅー… ここにアレク様がいらっしゃる。

深く深呼吸をしてノックをする。…いや、しようとした。


「おはようフェリシティ。」

「でゅおう!」


やっぱり変な声が出た。

えっ、私ノックまだしてませんよ!?


「おはようございます。また気配を読まれたのですか?」

「そうだ。フェリシティはアサシンなだけあって、少しわかりづらいがな。もっと精進せねば。」


いや、()()()()()()って…

仮にもアサシンの気配を気づくとか、十分過ぎるほどの能力なんですが?


「ちょうど朝食も終えたところだ。このまま契約について話してしまおう。」

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!

いいねだけでいいので、押してくれると喜びます!


(欲を言うなら、これからも頑張りますので、よろしければ下の


☆☆☆☆☆を★★★★★

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