1-8 異世界最初の依頼はきな臭いのは定番
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ガタガタと揺れ、馬車が走り続ける。あれから新しい襲撃は無く、今のところ順調に進んでいる。
「ここまで来たらもう直ぐ着きますよ、事情が事情なので、皆さん警戒心は強いですが、私が何度かこうして支援物資を運ぶ事で信頼を得ています。
ファウナさんの事も前もって了承を貰って、亡命時に一緒に連れて行ってくれる事になっています」
「それだと、私が一緒だと逆に警戒されるよ」
「大丈夫でしょう、ファウナさんは小さいですから、姉と一緒に行きたいと言っていたと言えば、あちらさんも納得します」
その言葉にファウナちゃんが笑顔で私にしがみ付く、うん、こんなにかわいい妹なら大歓迎。
「つまり、今のは確認って事?」
「そうです、口裏合わせの…ですな」
このおじさん、なかなかタヌキの様だ。
「背も近く、髪色も近いので、姉妹に見えますよ」
「私も銀髪なの?」
「銀髪と言うよりかは、それに近い薄い青ですね、記憶喪失だと自分の容姿まで忘れるのですね」
「うん、まぁそんなとこ……」
今知った衝撃の事実、別に衝撃でも何でもないけど、キャラ作成した時の詳しい設定なんて忘れちゃったからなぁ…いや、ショートヘアでも少しは自分で見る事できるじゃん、少しは確認しろよ私。
それからしばらく進んでいると、前方に簡素な家が見えてきた。どやら無事についたみたいで、その簡素な家々が集まっている広場に近付くと、人が集まってきた。
その人々はみんな何かしらの動物の特徴を持っていて、事前情報の通りでこの人たちがフォルシウェスだろう。
けもミミ、けも尻尾、そして顔が動物そのものと言う人までいる。馬車から顔を出して周りを見渡すけど、少し違和感を感じた。
「……子供がいない?」
せっかくショタロリのけもっ子を愛でようと思ったのに、周りに近付いてきたのは大人ばかり。
「少々事情がありましてね、詳しい話はあとで話します」
「うん、わかった」
どうやらこの場で言うのは憚れるようだ。そんなやり取りをしていたら、集団から一人前に出てきた。ネコ科だろうか、そんな耳をした30位のおじさんだ。
「ランダル、聞いていた人数と違うようだが、どういう事だ?」
「すみません、事前に伝えていたのは小さい方のお嬢さんで、もう一人はお姉さんです、この話を伝えたら、お姉さんと離れるのは嫌だと言うことで、一緒に連れてきました」
「なに? それは当たり前だろう、そんな小さな子が肉親と離れるなんて、可哀そうだと思わなかったのか?」
「いえ、仰る通りで、本当に申し訳ない」
あぁ、私がイレギュラーで参加したばかりに、ランダルさん申し訳ない。
「ではいつも通り、後ろの荷は皆さんで分け合って下さい」
「ああ、いつもすまないな」
その言葉と同時に、大人たちが荷台にある荷を下ろし始めた。荷台に乗っている私は、自然と荷下ろしを手伝う。
「おや、お嬢ちゃん、小さいのにえらいねぇ」
犬耳のお姉さんに褒められた、なんか近所のおばちゃんに可愛がられる小学生みたい。
「アンネさん、少しお話しませんか?」
荷下ろしの手伝いをしていたら、ランダルさんから呼ばれた。私は周りの人に一言断りを入れて、ランダルさんの元に行く。
「さっきの話?」
「はい、ではこちらへ」
そう言ってさらにフォルシウェス達から離れていく。どうやら彼らに聞かれたくないようだ。
「さて、フォルシウェス達が第二王子からどのように扱われているは、教えた通りです」
「うん、労働できる犬猫だって言ってた」
なるほど、それ絡みの話か、確かに当の本人たちがこんな話を聞いたら気分を害す、それどころか追い出されるかも。
「はい、その中で幼い子供はどう扱われると思いますか?」
なんか嫌な予感がする。
「ただの家畜です、それも趣味嗜好を優先する」
うわぁ、聞きたくなかった答え、ってちょっと待って、今子供がいないって事はまさか⁉
「そんな子供が捕まったら、どんな目に合うかは想像したくはありませんが、できてしまいます」
そっか、じゃぁこの村の子供たちも…そんな中、大人たちはあんなにも元気に……
「だからこの村の子供たちは、信頼できる貴族に匿って貰っているのです」
「……無事なの⁉」
「はい、ですがこの事は秘密ですよ、いくら信頼できるとは言え、この国の貴族です、王政に対しては無力です。
ですから早く隣国に亡命して、子供たちを迎え入れる用意をしなければなりません」
「一緒に亡命すれば……」
「子供の体力で国境越えは難しいでしょう、しかも今は少しきな臭くなっていますから」
「きな臭い?」
「ええ、亡命を隣国に願い出ているのですが、何人かその使者を出しているのに、誰一人戻ってきません」
それはまた、きな臭い、それにしてもフォルシウェスって、体力あるように思ったんだけど、そう言えば動物特有の力を持っているのは一部って言ってたっけ。
「そこでですが、この事について調べてみてくれませんか?」
「……なんで私? ってかこの状況で私を疑わないの?」
そんなきな臭い村に行く途中で出会った、身元不明、自称記憶喪失の美少女、誰が見ても第一容疑者でしょ。
「言いたい事は分かります、ですがこの件について、私はあなたを疑っていないですよ、あとはあなたにこの件を解決できる実力があるかどうかです」
なんか私にとっては、ランダルさんの方が怪しいんですけど……
読んで頂きありがとうございます。
1-4までの後書きで散々言ってきましたが、
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