1-5 異世界最初の国は、なかなかハードな設定でした
X、YouTubeコンテンツも同時に行ってます。
良かったら見て行って下さい。
YouTube:https://www.youtube.com/@Ferrish-Frairies
X:https://x.com/FerrishFrairies
「この国の情勢ですか? そうですね、その前にお聞きしますが、先ほど気付いたらこの山にいたと仰いましたよね? なぜいたかも分からないとも」
「うん、言った」
あれ、これってまだ疑われてるの?
「記憶喪失か何かですか?」
「ん、そんな感じ」
どんな感じだ! とわ言えこっちの世界の記憶が無い以上、記憶喪失と言うしかないのか。
「ふむ、抗争に巻き込まれたのですかね?」
「抗争?」
「はい、今この国では第二王子派によるクーデターがあって、政権が第二王子に取られてしまったのですよ」
まさかのお家騒動、しかも国家転覆後⁉
「冒険者が入り辛いって言っていたのと関係がある?」
「はい、第二王子派がギルド否定派なんですよ、だから冒険者はこの国に居づらいですね、仕事も出来ませんので」
ギルド…冒険者ギルドかな?
「なんで否定派?」
「そうですね、第二王子の言い分では、ギルドが富を独占しているから、だそうです。
まぁ、ギルド加入国の経済力が軒並み上がっているので、単なるやっかみだとは思いますがね、ただまぁこれは建前、本音は違うでしょうね」
「本音?」
「えぇ、本音はおそらく隣国のウグルジオがギルドに加入したからです、昔からこの国、ネアカガリアとウグルジオは国境を境に争いを起こし、領土を奪い、奪われを繰り返していましたから。
けど、ウグルジオがギルドに加入したため、手が出せなくなったのです、ギルドは軍事同盟でもありますから、戦争を仕掛ければ他のギルド加盟国が敵対いたします。
ネアカガリアだけでは太刀打ちどころか、争いにもなりません」
ギルドで軍事同盟? なんか私が想像していたギルドとは違うようだけど。
「ギルドって、冒険者のギルド?」
「正確に言えば冒険者のギルドでもある、ですね、我々商人も含まれますし、生産職も含まれます、通称としてギルドとは言っていますが、正式名称は別にあるようです。
まぁ私たちはギルドとしか言っていませんので、正式名称までは分かりませんがね」
なるほど、話を纏めると、隣の国とずっと争っていた、けどその相手国は同盟結んでこれ以上戦えない、でもだからと言って矛を収める事も出来ないから、ギルド事態に反発している、とすると元政権と第一王子は講和派で第二王子は強行派か…いや、でもそうすると……
「ギルドに反発したところでどうするの?」
さっきの話では、ギルドに反発した所で、どうすることも出来ないはずなのに。
「それがですね、南の大国であるトゥシェロン帝国が、クロビジアン聖王国と懇意にしており、近々トゥシェロン帝国の国教がペネミュール神教になるのではと噂があり、それに便乗してか、ネアカガリアもペネミュール神教を国教にしようと言う動きがあります。
そのせいでこの国のペネミュール神教の教会は軒並み潰されてます、それに付随する孤児院も一緒になって…その子もその被害者ですよ」
は? 意味が分からない、百歩譲ってその聖王国と帝国の力を借りる口実に、自分の国教をペネミュール神教に変えるのは分かる、じゃぁなんで国内のペネミュール神教の教会を潰す?
「そんなの逆効果じゃ?」
「ははは、知らない人からすればそう思いますよね、でもペネミュール神教は各地で伝承があり、同じ神様でも地方によって異なるのです、豊穣の神とか光の神、名前は一緒でも伝えられている内容も異なります。
ただ一つ共通しているのは、魔王、もしくは悪魔エルラナートと戦い、勝利したことですね。
そしてここからが大切な事ですが、クロビジアン聖王国のペネミュール神教は、神ペネミュールは唯一絶対神であるという事、それ以外のペネミュール神教は神の名前を騙る異教なのです」
そんなめちゃくちゃな……じゃぁその邪教を排除してアピールしているってことなの?
「そしてその子は、そんな協会が運営する孤児院で、自然と回復魔法が使えるようになった子なんです」
お、おぉ! じゃぁこの子は幼女聖女⁉
思わずファウナちゃんを見ると、ファウナちゃんはキョトンとした顔でこちらを見ていた。
か、かわいい…思わずギュってしたくなる、でも実際はナデナデするだけだけどね。
「クロビジアン聖王国の信じるペネミュール神教では、魔法は神から与えられる祝福の力、それが異教となるペネミュール神教の教会から発現したとなると、それを無かった事にするしかなくなりますからね、だから私が引き取り、隣の国まで送ろうとしたのです、今から向かう村も少々特殊ですしね……」
「特殊?」
「はい、フォルシウェス達の村です、村というか追われたフォルシウェス達が、寄り合って集団になっただけですがね」
「追われた?」
「はい、フォルシウェスについての知識は?」
「一応ある、動物の特徴を持った人で、動物特有の力を持っている」
「そうです、ただ動物特有の力を持っているのは一部です、基本的には動物の特徴を持った人と言うだけでしかありません。
そして第二王子は、フォルシウェス達を労働のできる犬猫としか思っていません、その為政権が第二王子になってからは、フォルシウェスたちの迫害が始まりました。
なのでフォルシウェス達は一部の望みを掛けてウグルジオへ亡命するために、国境近くに集まったのです、そして私たちはそれに便乗するため、その村に向かっているのですよ、私もこっちでは商売がし辛くなっていましたからね、ウグルジオでギルドに加入しようと思ったのです」
なるほど…ってちょっと待って……
「なんで私を乗せた?」
そう、ランダルさんの話が本当なら、そんな重要な場所に身元不明な私を乗せて行くなんてあり得ない。
「そうですね、まぁ嘘を言っているようには見えなかった、と言うよりも何も考えずに本当の事を言っているように見えたので」
失礼だな、頭の中ではいろいろと考えてるよ、ただ言動に反映されないだけで……
「あとはそうですね、商人特有の、企業秘密と言うことにしましょうか」
そう言っていい笑顔を見せてくるランダルさん、なんかこの人の方が怪しくないですか?
読んで頂きありがとうございます。
前話までの後書きで散々言ってきましたが、
YouTubeコンテンツも同時開催となっております。
その為土日祝は更新お休みでYouTubeコンテンツを主にします。
次回更新は15日です
面白いと思って頂けたなら、高評価、ブックマークをお願いします。
感想頂けるととても励みになります。