1-23 情報を纏めて作戦会議をしよう②
遅れてしまいましたが更新です。
残業が増えて平日小説書く暇がない……
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「動物を操るギフトってある?」
魔法、調教、どちらも可能性が無いとしたら、考えられる可能性はこのくらいだ。
「いや、俺たちフォルシウェスは、変身する以外は無いんじゃないかな?」
ウォラーさんの様子だと、無いと言うよりも知らないみたいだね、それじゃぁと私は情報源に視線を向ける。
「私の知っている範囲ではありません」
どうやらランダルさんでも知らないようだ、そうなるといきなり行き詰った、今回の犯人がネアカガリア側か他の誰かかはまだ推測の段階だけど、どちらにしろ野犬を操っている方法が分からないと、断定が出来ない。そもそも今回野犬しか見てないし、その野犬が人為的と言うのもただの推測だ、つまりは幾らでも言い逃れは出来る。
だから決定的な証拠手に入れる必要があるのだけど、その手掛かりの一つが推測でしかない野犬の操り方、そして上手くいけばそこから犯人が分かると思ったけど。
「そもそもギフトってなに?」
そこまで考えて疑問に思った事が、思わず口から出た。その私の言葉にウォラーさんが怪訝そうな顔をする。
「ギフトは…ギフトだろ? 生まれた時からなぜか使える力」
いや、それが何かって聞いているんだけど。
ウォラーさんのその返答に、皆の視線がランダルさんに集まった。
「いや、あの、私も全部知っている訳じゃないですからね、まぁギルドでもギフトの研究はされていて、ある一定の見解は出ています、けど私は商人で研究員ではありません、簡単な事しか知らないですよ」
「構わない」
現状何も情報が無いのだから、その簡単な事が十分な情報になる。
「そうですね、私が聞いた内容ですが、ギフトは種族毎に特化した魔法との事です」
「ちょっとまて、その話だと、俺が魔法を使える事になるぞ」
ランダルさん言葉にウォラーさんが疑問を投げかける。
確かに今の言葉の通りだと、ギフトを持った人は全員魔法が使えると言う事だ、つまりキハナも魔法を使える? いや、それはない。
「私もそれが不思議に思えましてね、商人として冒険者とは何人も関わってきましたが、全員使えているわけではなかった、なので私も聞き返しました、そうしたら、魔法が使えない人はいないと言われました」
「いない? そんなバカな、俺は何人もギフトを持った奴を見てきたが、ほとんどの奴は使えなかったぞ」
使い方を知らないだけ、そう言われればそれまでだけど、確かウォラーさんは警備団だかの団長を務めていたんでしょ、それでも知らないなんて。
「そう言えばギルドが魔法技術を独占してるって」
だからギフト持ちの人でも魔法を使えないのか。
「確かにそう言いましたが、それは理由の半分ですね、なにせウォラーさんのお仲間だけではなく、冒険者でもギフト持ちで魔法が使えない人が居ますので」
あぁ確かにそう言ってたね。
「あとギルド自体は特に独占している訳ではないです、実際有料ですが講義は開いていますから、まぁギルドで行われている以上、ギルド加盟国内でしか受けれませんが」
なるほど、それで加盟国以外から見れば独占している事になるのか。
「あぁ、その辺は俺には関係ないから別にどうでも良い、結局この話は今回の件に関係あるのか?」
「あぁ、話がそれてしまいましたか、そうですねアンネさん、そのあたりはどうなんですか?」
さて、ここらで私の疑念をぶっちゃけちゃっていいかな?
「ギフトが種族に特化した魔法というのなら、フォルシウェスのギフトが動物に変身するだけじゃない可能性がある」
「ええ、そうですね、知られていないだけで、可能性はあります」
「なら、動物と意思疎通が出来るギフトがあっても不思議じゃない」
私のその言葉に、その場が静かになる。
「おいちょっとまて、それはフォルシウェスの中に今回の犯人が居るって事か?」
その沈黙を真っ先に破ったのはウォラーさんの怒気が混じった声だった。
予想していた事とは言え、その勢いに押されそうになる、こんな時無表情キャラは凄く便利だ。
「可能性の一つ、現状ネアカガリア側が野犬を操る方法が無いのであれば、一番可能性が高くなる」
私の単調な返答にたいし、ウォラーさんは言い返せずに黙ってしまう。
「あ、あの……」
そんな中恐る恐ると言った感じで言葉を発したのはファウナちゃんだった。珍しいと思いながらも、なに? と続きを促す。
「今の話を聞いていると、犯人が野犬を操っているって事で話をしているみたいだけど、野犬は関係ないって事は無いの?」
「ほぼ確実に人の手によって襲ってくるようにされてる、その理由は三つ、
一つ、潜伏と強襲が計画的すぎる。
二つ、私たちを襲った時、指示を受けていたと思われる挙動をしていた。
そして最後に、森で最初に襲ってきたときの状況、あれは明らかに私たちを誘い込んでいた」
「なるほど、先にウグルジオへ行った三人も誘い込まれたと、だから国境までのルート上で痕跡が見つからなかったのか」
「そう、これらは野生の野犬では考えられない、明らかに人の意思が介入されている」
「まぁそれに関しては同意見だ、だがそれがフォルシウェスの中の誰かだなんて……そもそも動機がない」
まぁウォラーさんの言いたい事も分かる、けど動機なんていくらでも作る事が出来る。
「ではアンネさん、フォルシウェスのギフトで野犬を操れるとして、誰が犯人だとおもいますか? こうしてウォラーさんに話しているって事は、ウォラーさんは容疑者から外れているのですよね?」
「そうね、その前に一つ確認だけど、ギフトは複数持てない、この認識で合っている?」
まぁキハナが、フォルシウェスが変身するのは、大型か小型のどちらかだと言っていたから、この推測は正しいと思う。
「ええ、その認識で合ってます、フォルシウェスに限らず、他の種族でも一人につき一種類のみです」
やっぱりか、なら獣に変身できるギフト持ちのウォラーさん、ルースさん、ビンスさんは除外、あと一応キハナも。
「なら最有力候補はバートさん」
「なんだって?」
「バートさんは大型獣に変身する人特有の服装ではなかった、つまりは小型の獣かとおもったけど、動物と意思疎通が出来るギフトかもしれない、だれかバートさんのギフトを使った所を見た人は?」
「いや、無い……無いがギフト持ちではない可能性もあるだろう」
もちろんそれもある、だから最有力候補でしかない、けどウグルジオに行った人が襲われた事を除くと、森で野犬が出たタイミングって、私が襲われた時、それは何故かと考えると、単純にこの事件を調べ始めたよそ者を消したかった、なんだよね。
そうすると一番怪しいのは、私が聞き込みをした四人、そしてその中で唯一大型獣に変身できないバートさん。
その推測をみんなに話した。
読んで頂きありがとうございます。
1-4までの後書きで散々言ってきましたが、
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