1-22 情報を纏めて作戦会議をしよう①
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「あんたはぁ、昨日散々注意したのに、また森に入った行ったの!」
「いたたた、痛い痛い、ルースさん痛いよ」
村の中央の広場に向かって歩いて行くと、広場からルースさんの怒声とキハナの悲鳴が聞こえて来た。そのまま広場まで行くと予想していた通りの光景が見れた。それはキハナの頬っぺたを抓り上げているルースさんと、涙目になり、必死につま先立ちになって痛みを訴えているキハナだった。
まぁそうなるよね、自分で昨日ルースさんに怒られたって言ってたのに、そのルースさんに森に行ったって話せばこうなるのは目に見えている。キハナって本当にアホの子だね。
正直おもしろそうだったから黙っていたけど、予想通りの展開に心の中でテヘっと舌を出す。
「アンネお姉ちゃん、舌出してどうしたの?」
どうやら実際に舌を出していた様だ。
「よう、一応大手柄だったようだな」
そんな様子で眺めていると、ウォラーさんが話しかけて来た。
「お前さんは身内では無いから煩く言わないが、キハナを巻き込むのはなるべく止めてくれ」
「多少ならいいの?」
「あ、まぁな、あいつも戦う力は持っているし、子供と言ってももう13だ、この程度で目くじら立てる程じゃないだろ、でもまぁルースにとってはずっと面倒見ていた弟子だからな、心配ってのもあるが、黙って危険な事をするのが許せないんだろうな」
なるほど、危険な事をするのはいいが、黙ってやるなと。まぁ面倒見ている以上、監視下に置きたいよね。
「そんな事より、キハナが言っていた事に関してだ、森の中で野犬に襲われたと言っていたが、本当か?」
「事実」
「そうか、それでキハナの話では、ネアカガリア側が此方に兵を出す準備が出来たから野犬が襲うようになったと言うが」
「それは推測」
「ああ、だが脈絡が無い、どうして兵を出す準備が出来た事が、野犬が襲うようになった理由になるんだ?」
あぁ、そのあたりを説明していなかったのか、やっぱりキハナってアホの子だよね。でも丁度いい、ウォラーさんには聞きたい事があったんだ。
「説明する、けど聞きたい事もある」
「分かった、なら俺が寝泊まりしている小屋でいいか?」
「大丈夫、あと出来ればランダルさんにも話を聞きたい」
「おや、私をご指名で?」
私の言葉に、いつの間にか近づいて来ていたランダルさんが返事をした。もしかして盗み聞きしていたのか?
「今回の件でギルド側からの見解を聞きたい」
「ふむ、分かりました、行きましょう」
その返答を聞くと、ウォラーさんを戦闘に歩き出す。
「あ、あの、キハナさんは一緒じゃなくていいの?」
ファウナちゃんのその言葉に、先頭を歩くウォラーさんが、足を止めずに返答をする。
「キハナに真面目な話を期待するな、あいつは基本的にアホだ」
うわぁ、身内にきっぱりと言われたよ、よっぽど残念なんだね。
「で、でもキハナさんそんなにヘンじゃないよ」
フォローを入れてくれる優しいファウナちゃんだけど、微妙にフォローになってないよ。
「ああ、別に変な行動をするわけじゃない、あいつは基本的に何も考えてないんだよ、まともな事を言うが、基本は誰かの受け売りだ、人の話は素直に聞くが、そこから自分なりの意見に発展させる事が出来ない」
なるほど、受け売りの部分だけを見ればまともに見えるけど、それ以外は考え無しの鳥頭って事か。まぁ分かっていたけど、それなら話し合いには参加できないか。
「よし、着いたぞ、此処が俺が寝泊まりしている小屋だ」
暫く歩くと目的地に着いたらしく、そこには簡素な小屋があった。キハナよりも少し大きな小屋だが、作りが悪いのか、壁に隙間があるのが見て分かる程だった。
軋む音を立てて扉を開け入って行くウォラーさん、その後に続く私たち三人。入ると余計に分かるけど、キハナの小屋よりもボロボロになっている。
「そう言えば、この小屋って建てたの?」
「いや、此処に元々あった小屋を適当に修理しただけだ」
そう言えば此処って元々開拓地だったっけ、それなら小屋があってもおかしくない。いや、でもそれだと……
「なんで元開拓地だって分からなかった?」
「いや廃村かなにかと思っててな」
なるほど、いやでも廃村だとしても、国が把握している場所でもあるでしょ、確かに廃村なら開拓地よりも重要度は低いけど、それでも国に知られている場所である事は変わらないよ。
ウォラーさんもキハナの事言える立場じゃないでしょ。
「言っておくが、肉食系のフォルシウェス事態が基本的に考える事が苦手だ、その中でキハナは特に考え無しってだけだぞ」
私の呆れた視線に気付いたのか、ウォラーさんがそう弁解してくる。まぁ確かにここに居るフォルシウェスの誰も指摘しなかった様子だから、その言い分は分かるけど、それでも少しは怪しんでもいいんじゃないかな。
「では早速お話を聞きましょうか、確か私にはギルド側の意見を聞きたいそうですね」
「必要になるかはこの後の話し次第だけど……」
そう言って私は森での出来事、そしてキハナに伝えた推測を話した。
「なるほど、確かにそう考える事も出来ますね、ただその推測が前提だとすると、腑に落ちない事があります」
私の推測に対して最初に意見を言ったのはランダルさんだった。他の二人はランダルさんの指摘に関して理解が出来ていない様子だった。
「なんでだ、俺には納得が出来る内容だったが」
「はい、私もアンネお姉ちゃんの話に、おかしな所があるとは思えないです」
二人はそう言うけど、今回の件がネアカガリア側の仕業だとすると、一つどうしても分からない所がある。
「ネアカガリアの兵が、野犬を此処まで複雑に操れる術があるとは思えない」
「はい、その通りです、人が野犬を操るとしたら、調教をするのが一般的ですが、それで組織的な行動をとらせられるとは思えません」
「ちなみに魔法で操る事は出来る?」
「私は魔法には詳しくはありません、ですが私が知る限りでは、出来たとしても簡単な命令通りに動かす程度でしょう、ですがネアカガリア側がそのような魔法を使う可能性はかなり低いと思います」
「その理由は?」
「魔法の技術がほぼギルドの独占となっているからです、あとはクロビジアン聖王国でしょうか、ほかは使えてもかなり効率の悪い方法でしか使えてないと聞きます」
うわぁ、魔法技術独占って、ギルドって組織がますます分からない、そのあたりを詳しく聞きたいけど、今回のとは関係ないので今度にしよう。
「あと考えられる方法はある?」
その問いはランダルさんだけではなく、他の二人にも問いかける。この際情報はどんな小さなものでも多い方がいい。
「私は自分が使える回復魔法しか分からない」
「俺たちフォルシウェスは魔法なんて使わないからな、まぁギフトでそれっぽい事が出来るけどな」
ギフト、そう言えばフォルシウェスは獣に変身できるんだっけ……いや、まてよ、ギフト?
読んで頂きありがとうございます。
1-4までの後書きで散々言ってきましたが、
YouTubeコンテンツも同時開催となっております。
その為土日祝は更新お休みでYouTubeコンテンツを主にします。
blenderの作業が遅れている、と言うよりもミスをしていて、作業がかなり巻き戻った。
その為時間をblenderの作業に多くとってます。
更新に時間がかかって申し訳ない、あと読み返してちょっと雑になっている。
一章を描き終わったら少し文章を整理します。
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