1-20 森の探索開始です
お詫び、先週末blenderの作業に没頭してしまい、
執筆をほとんどしていませんでした。
でもblenderも色々弄りたいんですよ……
ではいつもの、
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そのまま森の中へ入ろうとするとキハナから、「せめて準備くらいはさせて」と言われたので、一度キハナの家に戻る事になった。
「まったく、私昨日ずっとルースさんに怒られてたのに、なんでその次の日に森に入らないといけないのよ、しかもアンネはキチンと武装しているのに、私丸腰だよ、鬼畜かあんたは!」
散々な言われようである、確かに私は剣を持っていたけど、キハナは武器らしき物は持ってなかった、ちなみにリュックはキハナの家に置いてある。
「そう言えばキハナの武器ってなに?」
私の言葉にキハナは、心底あきれたと言った表情で振り返った。
「今更ね、普通森に行く前に聞くでしょ、そういう事は」
ごもっとも、でもイメージ的に、キハナは素手で戦うのかなっと……
「私の武器はこれよ」
そう言って両手を見せて来る、その腕には手甲が着けられ、手には短剣が握られていた。
「やっぱり殴るの?」
「なんで短剣を無視する⁉」
あ、いい反応、こういう子って弄りたくなるんだよね。
「短剣が主要武器、手甲は盾替わりよ、基本的には避けるけど、いざという時はこれで防ぐの! ……まぁ殴ったりもするけど」
最後の一言をボソッと言って、そっぽを向いて恥ずかしがるキハナ、なんか凄くかわいい。
そんな風に微笑ましいモノを見るような視線を送っていると睨まれた。
「そういうアンネの武器はその剣?」
「そう」
軽く返事をして、腰に留めてある剣を少し持ち上げる。
「それだけ? 予備の武器とか無いの」
「予備の武器って、必要?」
「必須よ、ルースさんからの受け売りだけど、武器なんてどんな状況でも使えなくなる時なんてあるのよ、私の手甲だって短剣が使えない時の予備なんだし、身を守る手段、攻撃できる手札は一つでも多い方がいいよ」
なるほど、リスクマージンってやつかな? 行動の阻害にならない程度であれば、なるべく手札を持っていく事にしよう。
キハナの助言に従い、リュックからナイフを取り出す。よくよく見ると、鞘部分に金具があり、ベルトの腰に固定する事が出来る事に気づき、そのままナイフを腰に取り付けた。
「なんだ、ナイフ持ってるじゃない」
いや、そう言われても、作業用としか思ってなかったから、刃渡りも10から15センチ程度だし。
「戦闘には使えそうもない」
「無いよりかはマシよ、怯ませる事くらいは出来るかもしれないし」
まぁ言われてみればそうか、刺す事さえ出来れば何とかなるかな?
「じゃぁそろそろ行こう」
そう言って家から出ていくけど、すでに森に行く、行かないなんて悩みは、頭から抜け出ている様だ。
まぁ私的には都合がいいので、そのままキハナの後に付いて行く。
キハナの案内に従って、国境越えのルート入口に着く、そこから森の奥へと行くルートは、何度も通った為か獣道が作られていた、いや、獣道にしては広いか。
「一応此処から国境付近までは、道を作っているから、歩きやすいと思うよ」
なるほど、獣道と言うには広いと思ったら、そういう事か。
「でもそうすると、ネアカガリア側からルートが筒抜けだよね」
私がそう言うと、キハナは黙ってしまい、暫く静寂が支配した。
「だ、だってネアカガリア側に気付かれているとは思ってなかったし、そもそも戦えない人を国境越えさせるのだから、道はなるべく整えた方がいいでしょ」
あぁ、うん、そうだね、まぁそれもあるけど、気になるのはフォルシウェス側がやらかしすぎている事だ、このルート作成や元開拓村など、ネアカガリア側に有利になるやらかしが多い。
「ねぇ、此処に潜む事を提案した人って誰?」
「え、うぅん……だれ…だっけなぁ……」
あ、分からないんだ、まぁ主要メンバーじゃないから仕方ないか、とするとウォラーさんに聞くのが一番かな。
「とりあえず森に入ろうか」
私が森に入ると、その後にファウナちゃんが続いた、そして最後にキハナが戸惑いながら付いて来る。たぶん私が言いたかった事を理解できていないのだろう、まぁキハナだしね。いやまぁ森に入らずに、ウォラーさんに聞きに行った方がいいのではと思えるかもしれないけど、まだ単なるやらかしの可能性もあるからね。なら情報は少しでも多く拾った方がいい。
森に入ってから、しばらくルート上を無言で進む、体感的に入ってまだ20分だろうか、今のところ何も変わった所はなさそうだ。
「ねぇキハナ、国境付近まではどれくらいあるの?」
「え、うぅん、私の足で半日で往復できるくらいかな? 予定では戦闘できない人を護衛しながらで、半日で国境越えする想定だったから」
「なるほど、国境付近って何かある?」
「特に何もないかな? 森を抜ければもうウグルジオだよ」
「あれ、じゃぁ勝手にウグルジオ側に行けるんじゃ」
「それだと不法入国になるんだって」
「不法入国を検知出来るの?」
驚いた、ファンタジー世界だと、国籍とかそういうのが曖昧だと思ったんだけど。
「うん、そうらしいよ、この国だと考えられないけど、ウグルジオ側だと分かるらしいんだよね」
あ、基本は分からないのか、それともこの国が遅れているのか……いや、ギルドが移民に関して厳しくしているらしいから、ギルドが検知出来るのかな。
「とにかく、亡命に関してはウォラーさんとランダルさんに任せている」
キハナって基本あまり考えてないよね。まぁそれよりも、何かしらの痕跡は見つけないと、このルートのどこかで、三人行方不明になっている事は確実なんだから。
「ねぇ、キハナって血の匂いとか嗅ぎ分ける事って出来ないの?」
「……出来ない事は無いけど、イヌ科のフォルシウェスじゃないから、そこまでは分からないよ、あとは肉食獣系統なら分かるかも」
なるほど、ルートから外れて調べるとしても、この約半日掛かるルート上でしらみつぶしなんて現実的ではないし、出来れば何らかの目星があればいいのだけど。
「じゃぁルート上で開けた場所ってある?」
「無いね」
無いか、ビンスさんがルート上で何も気づいてないなら、何らかの理由でルートから外れたという事だけど、三人が三人とも外れるとすると、ぶっちゃけ襲われたとしか考えられない。
そんなやり取りをしながら歩いていると、近くの茂みがガサっと揺れた、森に入って1時間過ぎた頃か? ファウナちゃんはその音に、小さく悲鳴を上げて私にしがみ付いて来る。そして私とキハナは音が出た茂みを警戒する。
読んで頂きありがとうございます。
1-4までの後書きで散々言ってきましたが、
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