1-19 探索二日目、やはり現場検証が大事
X、YouTubeコンテンツも同時に行ってます。
良かったら見て行って下さい。
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まどろみの中、ガタンとけたたましい音が聞こえ、私の意識は徐々に覚醒していく。
「こぉらぁ! よくまぁぐっすりと眠れているね!」
「んぁ? おはよ……」
寝ぼけた視界から確認できたのは、腰に手を当て、仁王立ちしているキハナだった。
「おはよじゃない! なぁんでルースさんにばらしたのよ!」
なんでそんなに怒ってるの? ってかうるさい。
「あうぅ、アンネお姉ちゃんおはよう……」
「ん、おはよう」
目を擦りながらファウナちゃんが起きてしまった、あぁ可哀そうに、キハナが大声出すから。
「なぁにのんびりしてるのよ、私はアンネのせいで、ずっとルースさんに怒られていたのよ!」
「元々はキハナの自業自得」
「うぐ、そう言われればそうだけど、言う必要無かったじゃない」
まぁ確かに言う必要は私には無かった、でも面白そうだったから仕方ないね。
「それよりも朝ごはん」
「この……はぁ、もういいわ、朝の炊き出しならもうそろそろ始まるから、一緒に広場に行こう」
「ん、分かった」
私は小さく返事すると、まだ眠そうにしているファウナちゃんの手を取って、キハナと一緒に広場へ向かう。
「それで、あの後どうなったの?」
道すがら、キハナが訪ねて来た質問に、一つ一つ答えていく。ただどうやら今はこの体に引っ張られているためか、話す言葉は最小限、その為キハナが全てを把握するまでの間に、炊き出しのごはんを受け取り、手近な所に座って食べ始めていた。
「なるほど、じゃぁ野犬は人為的に発生され、今は潜伏しているってこと?」
状況把握したキハナの感想がこれだった、自分で考えているのか怪しくなる。
「状況的にだけど、ほぼ確実に」
「ふぅん、それでどうするの?」
「まずはビンスさんに話を聞く」
「あぁ、たしか今日の朝に会う事になっていたんだっけ」
やっぱり何も考えていないんじゃないかな、キハナの返事に私はそんな不安を感じた。
それ以降、とりとめのない話をしながらご飯を食べ終え、バートさんと約束した場所に三人で向かった。
昨日と同じ場所に行くと、バートさんともう一人、人の姿にトラの特徴を持った人が一緒に居た。バートさんと比べるとかなりガタイが良い男性で、大きな布を帯で留めている格好から、大型の獣に変身するタイプ、状況からしてこの人がビンスさんだろう。
「来たか、お前たちについてはバートから聞いた、まぁウォラーの奴が信用すると言う以上、俺からは何も言わないが、それよりも聞きたい事があるんだって? 野犬についてだったか」
私たちがある程度近づいた所で、向こうから話を切り出してきた。雰囲気からして、ビンスさんも私達を歓迎していないみたい。
「そう、見てない?」
「見ていない、さすがに国境越えのルートで見たら報告するさ」
それはそうか……
「もういいか?」
「うん、あと今日は何をするの?」
「今日か? お前達の証言もあるし、一応街道側を見回るつもりだ」
なるほど、確か昨日は森を見回ったんだっけ? その上で私の情報が入ったら、そりゃそうなるかな。
「もういいか?」
「ええ、大丈夫」
「なら俺はもう行く、そうだバート、さっき言った事、肝に銘じとけよ」
さっき言った事? 私達が来る前に何か話していたのか。
そんな気になる事を言って、ビンスさんは街道側へ歩いて行った。
「ねぇ、さっき言った事って何?」
「お前達には関係ない」
気になってバートさんに尋ねてみるも、そう邪険に返され立ち去って行ってしまう。
「随分嫌われているわね、なんかしたんじゃないの?」
悪態ついて立ち去るバートさんを見て、キハナが私にそう尋ねて来た。
けど、なんでそんな話になるのか、私には分からない。
「関係無いみたいに思ってない? アンネの場合何かやっても不思議じゃないのよ」
理不尽だ……
「それで、これからどうするの? 他の人に聞く?」
いや、これ以上聞き込みをしても、新しい情報は出てこないだろう、であるならば昨日出来なかった事をする。
「森を調べる」
「はぁ⁉」「えぇっ⁉」
私の言葉によほど驚いたのか、二人同時に声を上げる。
キハナはともかく、いつも大人しいファウナちゃんまで声を上げるなんて、そんなにも予想外の事なのかな?
「ちょっとアンネ正気⁉ 昨日言ってた内容じゃ、森に野犬が潜んでいる可能性があるんでしょ⁉ なんでそんな森に入って行くの⁉」
何言っているの、だから行くんでしょ、じゃないともう情報入ってこないだろうし。
「そうだ、キハナ国境付近までのルート知ってるんでしょ? 案内して」
「人の話を聞きなさいよ! ってこら、勝手に行くなぁ‼」
キハナと話していても埒が明かないから強硬手段で森へ行く。狙った通りキハナは文句を言いながらも付いて来る、その後ろからファウナちゃんがあわあわしながら付いてきた。
「ファウナちゃんは家で待ってた方がいいよ」
「だ、大丈夫です、私も役に立ちます!」
私としてはヒーラーが一緒なのは心強いけど、見た感じ戦闘力は皆無っぽいからちょっと心配、けどこれほど健気に言われるとダメとは言えなくなる。
「ちょっと、ファウナはって、私はついて行く事決定なの‼」
なにを今更、案内役が居ないとちゃんと調べる事が出来ないでしょ。
なのでキハナの訴えは無視して、そのまま森へと歩いて行く。
読んで頂きありがとうございます。
1-4までの後書きで散々言ってきましたが、
YouTubeコンテンツも同時開催となっております。
その為土日祝は更新お休みでYouTubeコンテンツを主にします。
火曜日の更新について、
祝日の次の日は更新しているだろうと思った方が居るかと思います。
ですが作者は祝日だと気付かずに会社に行きました。
誰も居ない、真っ暗なオフィスでした……
帰って執筆でもよかったのですが、せっかくなのでblenderでの作業をしていました。
更新待っていた方が居ましたらゴメンナサイ……
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